トンネルを抜けるとそこは
税関を抜ければ異世界
お世話になりました
そう言うと税関に向かって歩き出す
税関は建物の端にあった、山側のトンネルと繋がったコンクリートで出来た連絡橋の上にあった
駅の改札の様なゲートがありその前に机が置いてあった
「こんにちは」 そう挨拶すると
「はい、こんにちは 荷物をこの上に 置いてください パスポートの提示をお願いします」
そう職員が言うので机の上に鞄を置き中からパスポートを出して渡す
渡したパスポートのビザを確認しながら職員が
荷物を検査するので一旦鞄から出してもらってよろしいですか?
そう言ったのでまず、ダッフルバッグに入っていた
会社の制服、着替えその他諸々を取り出すと
職員は鞄の底を触って二重になってないか調べていた
ダッフルバッグが終わったら次はトートバックも同じ様に検査して、それが終わると
ありがとうございます、荷物を戻してもらって結構です
そう言ったので荷物を戻しながら
なかなか厳重なんですね
そう声をかけると
申し訳ありませんねえ
中の様子を撮影してマスコミに売ろうとする人が後を絶たなくて
そう言って職員は苦笑する
どうやら手頃な小遣い稼ぎにするらしい
中の様子は情報を制限されていて日本政府がたまにホームページで公開していた
鞄に出した物を入れ終わると、職員がパスポートを返しながら
改札を出て停めてあるカートに乗って向こうに渡ってください
あちらにも同じ様に置き場があるので、そこに停めてもらえばいいので
そう言って改札の外にあるゴルフカートを指差した
礼を言って改札に向かうと別な職員が改札の入り口を開けながら
お気をつけて
そう声をかけて来たので会釈して改札を渡る
改札を出ると白線の駐車スペースの中にゴルフカートが並んで置いてあった
一番近いカートに鞄を放り込むと運転席に座る
席に座ると圧力センサーが反応して
メーターとヘッドライトに光が入る
そのままユックリとアクセルを踏むとゴルフカートは前に進み出した
そのままトンネルの中を進むと途中何箇所か監視カメラがあった
それを過ぎるとさっきと同じ作りの改札がある
改札前の白線の中にカートを止めると運転席を離れる
圧力センサーが作動して今度はライトが消えた
鞄を持って税関に行くと同じ様に職員が居るのだが、こちらの職員は銃で武装していた
異世界側の職員は武装しています
もうここは日本では無いのです




