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(フロンティア)入国への手続き

やっと(フロンティア)に渡ります

9時から打ち合わせ予定の協力会社の社員が着いたと受付から連絡があったのは8時45分だった、 時間に几帳面な人だなと思いつつ向かおうとすると別件で引き止められた

急いで向かわないとと焦りながら対応していると時間がすでに9時半を過ぎていた

………………………!!

慌てて一階ロビーに向かうといつもお昼ご飯を一緒に取っている受付嬢が顔で指し示す方を見るとロビーの1人掛けソファに男が1人座って居た

年の頃は50代前半、頭は極力短い坊主頭で眼鏡を掛けている、

体型は引退したプロレスラーみたいな感じてがっしりとしながら脂肪もそこそこ付いている

ソファに座っている姿を見て一瞬、奈良の大仏様を思い出したがそんな場合じゃ無いと我に返って、慌ててその人の前に向かう


「すみません遅くなりました」


まずは遅れた事を詫びると向こうもソファを立ち上がってから


「いえいえ、お忙しそうですが大丈夫ですか?」


そう言って微笑んでいた


慌てて名刺を取り出して


「狭山グループ、ロジスティック担当の

横山由依です、よろしくお願いします」


そう言うと大仏様も名刺を取り出して


「大河運輸のかばパパです

よろしくお願いします」

そう言ってお互い名刺交換をしてから


「小会議室を予約していますので、そちらで説明させて頂きます」


そう言ってエレベーターで上階に向かった


エレベーターを降りるとそこは食堂と多数の会議室がある階でそのうちの一部屋に案内すると、会議室の備品のテレビとDVDレコーダーの準備をしながら

(フロンティア)のビザを申請する為に

パスポートを預かりたいと説明する

かばパパが革のトートバックからパスポートを渡して来たので

申請が降りるまでの間に(フロンティア)の入国の注意事項のDVDを見てもらう

一旦部屋の外に出てスマホで係の社員を呼び出すとパスポートを預けて建物にあるビザの申請部署に持って行ってもらう

部屋の中に入るとDVDを見ていたかばパパの様子を見る

DVDの内容は海外旅行に行った際の注意点と変わらない

外来種の持ち込みをしない為に

植物はドライフラワーにする

生の食べ物を持ち込まないなどありきたりな物ばかりだ

DVDの説明が終わった所で質問は無いかと尋ねると


ありません


そう答えたのでお昼休憩を取る

同じ階の食堂に案内すると食堂のチケットを渡して500円迄ならこれで買える事

オーバーした場合は差額だけ自費でお願いしますと言うと


わかりました


そう答えて丼物のコーナーに行った


自分は日替わりランチ定食を頼んでカウンターから商品を貰うといつもの席で受付嬢が待っていた


「ゴメン待たせた?」

そう言って向かいに座ると食べながら話をする


「あの待たせてた人どうだった?」


そう聞いて来たので


「怒って無くて助かった」


そう返すと、ふーん?と受付嬢が言ってから


「あの人不思議なんだよね」


そう受付嬢が言ったので


「何が?」


そう言うと


「受付やってるとさ、男の人の視線が気になるんだよね

だけど、あの人受付の正面の位置に居たのに視線が気にならないの


なんかこう?正面を見てるのに全体を広く見てる感じて

いつのまにかその存在すら気にならなかった」


そう言ってうどんを食べながら


不思議だわ〜w


そう呟いていた


お昼が終わってから小会議室に戻り

(フロンティア)側に渡ってからの事を打ち合わせする


情報漏洩を防止する為にスマホやカメラの類は持ち込み禁止


(フロンティア)に渡る前に通訳の魔石を渡す事


壁の街の外に出て活動してもらう為に向こうに渡ったら銃器取り扱い講習を受けてから好みの物を購入してもらう件


それらの事を説明すると


「わかりました」


そう返事が返って来た


全ての説明が済み、同意書にサインを書いてもらっていると

ビザを準備が出来たと連絡が入ったので

通訳の魔石と一緒に持ってきてもらう


通訳の魔石はペンダントの形をした魔道具で(フロンティア)の領内でしか魔法が使えない、しかしトンネルを挟んで日本側から(フロンティア)側に付いた際必要になる為に、ここで引き渡しをしておく

そのあとスマホを預かって専用の袋に入れてから名前を書いてもらった

個人個人の専門の小型ロッカーに保管する旨を伝えてからトンネルがあるエリアに移る


プロロジからトンネルに渡るコンクリートの連絡橋のトンネルの手前に日本側の税関があった


その前で 案内出来るのはここまでです


そう言うと


ありがとうございます

行ってきます


そう言って税関に向かうかばパパを見送った




そのあと残務整理をしていると、ふっと昼間の事を思い出していた


受付嬢の言っていた


不思議な人


その言葉を思い出した時

そう言えば同じだったなと


普通、銃器の購入と聞くと男の人はそれぞれ反応を示す

嬉しがったり、興奮したり、ビクついたり

反応はそれぞれなのだが喜怒哀楽があったのに

今日の昼のかばパパの反応は


わかりました


この一言だけであとは何も無かった


まるで、手を洗ってください とか

顔を洗ってください

みたいに

日常的にありふれていて

今更当たり前

まるでそんな反応だったのを思い出して


あの人の前職は何だったんだろう?



そう考えていた

次はトンネルの日本側税関です

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