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トンネルの向こうの異世界 洞窟の向こうの異世界

パトカーは田園風景の中を走る

後ろの席ではアイラが歓声を上げっぱなしで

前の席の桜は隣のオタに


「何が面白いのかね? ただの田園風景なのに?」


そう呟いていた


一方アイラは


(何この畑!! どこまでも続いてる

これだけで冬が越せる

餓死しないで済む!!)


そう言いつつ見るもの全てに感動していた


何処までも平らな道


交差点の信号機


高い建物に広告


そして畑にあるコンバインで土を耕し


道行くトラックやダンプに満載の土を見て


(この魔道具があれば 開拓地フロンティアの人達が助かる)


そう確信していた


やがてパトカーは山道に差し掛かり


トンネル工事現場に着いた


着いてからアイラと共にトンネルの入り口に向かうと、何やら騒ぐ声が聞こえて来た


桜がオタを見てから建物の影から声の方を見るとそこは


宴会会場になっていた………………………


フェンス越しに酒と肴を傾けあい上機嫌で飲むガンダルと現場監督

その手にはワンカッ○の日本酒とスルメが握られており、お互い言葉は通じなくとも笑顔で飲んでいた


女の子2人はポテチとトッ○を食べながら雑談している


それを見て桜は思わず


「なんじゃこりゃああああああああ〜w」


そう叫んでいた



時間は少しさかのぼ


桜からの連絡を受けてから現場監督は事務所にある食料品を袋に詰めて、フェンスに戻って来ていた


「取り敢えず水だな」


そう言ってペットボトルをフェンスの隙間から渡してから


「こうやって開ける、そうそう」


キャップの捻り方を実践して女神様に渡すオタ


………ホント綺麗な人だな

アイーダを見て現場監督はそう思っていた


現場監督34歳独身 春の訪れを感じていた


一方 アイーダは


「何この水筒!!中が見える おまけに軽い」


………ペットボトルに感動して監督のことは気にもしていなかった


菓子パンやらポテチを与えているうちに

袋の中のワンカップに気が付いて


「これはマズイわな〜w」


そう言いつつ袋に戻そうとするとガンダルに声を掛けられた


(なんじゃ!その透明なガラスは?

ガラスじゃよな?もっと良く見せてくれ)


そう言いつつフェンスの間から必死に手を出して来るので


「お、おう! これか?」


そう言いつつワンカッ○を渡して蓋を開けて見せる


(中は酒か?透明な酒だと!!)


そう言いつつ少し口をつけるガンダル


(しかも度数が高い!ミード(蜂蜜酒)とは比べ物にならん!)


そう言いつつ少しずつ飲んでいた

それを見て現場監督が


「ツマミがいるよな、やっぱこれでしょ」


そう言って イカの燻製 ビーフジャーキー

などを出して2人で飲み始める


その後桜達と合流する2人であった………


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


監督は残りの食料品が入った袋をアイラに渡してから、フェンスの鍵を開けて


「ハイ どうぞ 入って 入って」


そう言いつつアイラを入れてからまた施錠する


アイラは中に入ると皆と抱き合いながら


(皆んな、心配かけてゴメンね)


そう言うと


(お嬢様〜、御無事でしたか〜w)


(ほっとしました)


(お嬢ちゃん、怪我はないかの?)


そう皆が声をかける中


(先生! お酒臭いです〜w)


アイラはそう言いながら喜びを噛み締めていた


(先生、お父様にご報告したい事があるんです、早く帰りましょう)


そう言うと、桜に向かって


(ありがとう御座いました、あとでまた来ます)


そう言いつつニッコリ微笑んでいた


フェンスの向こうで桜は


「もうこんな所に来るんじゃ無いよ?」


そう言いながら手を振っていた


「桜さん〜w、それ刑務所の台詞〜w」


そうオタはツッコミながら


絶対また来るよなこれ?桜さんには黙っとこう


そう確信していた


「また来てくれよな〜」


そう言いつつ手を振る現場監督


4人は頭を下げたり、手を振りながらトンネルの中に入って行った

それを見て桜は


「さて、署長に報告しに行こうか」


そうオタに言うと、現場監督に別れの挨拶をしながらパトカーに乗り込んだ


トンネルの中でアイラは外の世界の事を皆に話していた


(あの魔道具があれば今年の冬は餓死者が出ません、開拓地フロンティアの開発も進むはずです)


そう言いながら先を進む


(確かにお嬢ちゃんと話したあの魔道具といい、この袋や中身といい、あそこはかなり魔道具が発達しておる)


そう言いながら洞窟の向こうの異世界に思いを馳せていた



桜は警察署で署長に報告をしていた


「今回の件は外国人の迷子を保護して、保護者に引き渡した、それで報告書を書こうと思っています」


そう言いながら署長の方を見ると


「わかった、その件はそれで報告書を上げてくれ

それと桜、始末書もな」


そう言いながら署長は熊先生からの請求書を桜に見せる


「先生いわく、健康保険が無いから10割負担になるそうだ」


桜は請求書の額を見て愕然とする


「ちょ! 署長これあのに」


そう言いながら署長を見るが


「嫌、無理だろ?名前以外何にもわからんのだし 桜払うか?」


そう聞くと桜は首をプルプル震わせながら、


「無理です!こんな額!」


そう言うと署長の方を見るが返って来たのは



「今日中に提出な」


そう言うと笑いながら


「トンネルの向こうの異世界に請求書は出せんだろう?」


そう言って桜に部屋から出るように言った


「署長、冷たい! 昔はもっと優しかった」


そう言いつつ部屋から出る桜に署長はついでとばかりに


「昔は昔、今は今、 そう言えばガミさんからもらった餞別はどうしてるんだ?」


そう聞くと桜はニッコリ笑いながら


「女の鞄の中には、知らない方がいい秘密が詰まってるんですよ?」


そう言うと書類を書きに部屋を出て行った

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