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悪役令嬢に転生したけど隣にいるのが最恐布陣すぎる…  作者: 蓮琉
1章 転生 そして幼馴染と親友
8/16

目の前にいたから気付けよ


何でこんな事になったのか…。

私をぐるりと囲む子息と令嬢達。


傍から見れば虐め現場だが、そいつらの視線は私には向いていない。

木を挟んで向かい側に立つ少女に向いていた。


いくら集中してるからって気付けよ!と言ってやりたい。

しかし、完璧令嬢シャーロットとしているからには、問題は起こせない。

だが、気分が悪いと言うのは、立派な理由になる筈。うん。


「その髪色っ!何故卑しい身分の貴方が金色の髪を授かる訳?恥を知りなさい!」


「そうだ。お父様に拾ってもらった妾の娘の癖して、その高貴な髪色を何処から奪ったんだっ!」


口々に罵る少年少女。

顔を見る限り、アーカス家のご子息、令嬢のようだった。

それに周りにいるのは、取り巻きだろう。

その顔は、憎しみで染まっている。


聞く限り、アーカス家の妾の娘である少女が、金色の髪を持ってしまったことが原因のようだ。


金髪は王家特有のもので、血縁者以外が受け継ぐ事は、無い。

特例が出たという話は、私も聞いていた。

虐める正当な理由は、無いと判断する。


「貴方達なにをなさっておいでなの?アーカス家の方が、おおごえをだしてはしたないですよ」


急に聞こえた声に、少年少女は吃驚する。

いや、最初からいたから。

少し休憩してたら、あんた達が来ただけだし。


「まぁ、シャーロット様。貴方もこの娘に注意して頂けません?この子ったら卑しい身分で金髪を持っているの。王家の血筋を馬鹿にしてますわ」


彼女達は、私を味方とみなしたようだ。

王家の血筋を引きつつ、金髪では無い者は実際特例のこの子に悪意を持っていると聞く。

私は気にしてないけど。


そうなんですのーっと言いつつ、少女の前に立つ。

少女は私と同い年の様だった。

倍ほども年が違う、兄と姉に虐められ、どれほどの恐怖だった事だろう。

それでも、伏せられた翠眼は、光を失っていなかった。


「…ほんとうにはじしらずですね。

としのはなれたいもうとを、おおにんずうでいじめるだなんて。

貴方達にはプライドがないのかしら?」


「なっ!!」


その場にいた者が敵に変わるのを感じた。

かかって来やがれ。


「この子を妹だなんて思いませんわっ!虐めだなんて、私達は教育してるのですわ」


「そうですか。彼女となんのかんけいもないのに、きょういくしてるのですね。すばらしいですわ。でも、私きょういくするなんてかんがえつきませんでした。

ちしきでかみいろってかわるのですね」


次々と言葉を投げかけていく。

自分達が無茶な事を言っていたのは、理解してたのだろう。

最後に、現れたカイトの言葉で事態は終結した。


「きょういくでかみいろがかわるなら、ためしてほしい。まのこをかえられれば、王からくんしょうもの」


カイトの言葉というより、魔の子にビビっていた気もするが。


少女に手を差し伸べると、少女は涙を流していた。


「わ、私アイリス・アーカスです。てんし様…!」


違う。どうしてそうなった?


「私は、シャーロット・シルヴァですよ。てんし様ではありません」


出来るだけ、傷付けず言ったつもりだが、彼女には通じなかった。


「てんし様のおなまえはシャーロット様とおっしゃるのですね。しつれいしました」


顔を上げた彼女は、私と張り合えるほどの、とんでもない美少女だった。


「ほんとうにきれいなかみにひとみね」


何気なくそう言って微笑んだ私は、崩れ落ちた彼女を前に、彼女がどれほどのものを抱えていたか、思い知った。


後にアーカス家の破綻した家庭環境が分かり、私の要望で家に越してくる子である。

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