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悪役令嬢に転生したけど隣にいるのが最恐布陣すぎる…  作者: 蓮琉
1章 転生 そして幼馴染と親友
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魔王?いや王子


「お久しぶりですね、シルヴァ様。愚弟がお世話になっているようなので、挨拶にお伺いしました」


アデルの後だと、また一段と大人っぽい。

実際は私達より2歳年上なだけなのだが、何て言うか、オーラが違う。

私の家の使用人達も骨抜きになっている程、魅惑の王子様だ。


流石に私は酔わないけどね。彼、12歳だし。

彼とはお茶会の時に挨拶済みだ。


気だるそうに全てを完璧にこなす人だったと記憶している。

こんなのが兄だったら辛いよなぁ。

しかも、藍色の髪に同色の瞳と、王族特有の金髪じゃないのがまた。


アデルが執着した気持ちもわかる。

あと恐怖した気持ちもわかる。

既に隠そうともしないドS感やばい。


「ええ、お茶会以来ですわね。ハースト様。アデル様は、少々気分が優れないようでして」


実際寝込んでるから、一応事実だ。

この人のせいだけども。


「くす。愚弟と仲がよろしいようで。私の事もシオンと呼んでくださいますか?」


「も、もちろんですわ。でしたら、私の事もシャーロットと」


「嫌だなぁ。女性の名を気安く呼べませんよ」


くすくすと響く笑い声をBGMに、何とも気が滅入るような話をする。

この人、ブラコンだ…。アデルカムバック。

柔らかく微笑んでいても、心では弟への独占欲で酷い事になっているのだろう。見たくない。


お茶をしてても、胃がキリキリするだけなので、庭に出たのだが。

さっきは私しか入れなかったのだが、庭では当然アイリス&カイトの護衛が待っていた。


「シオン殿下。弟君は、目覚めるのに時間がかかるかと。出迎えて差し上げた方がよろしいのでは?」


「アデル…様、ハースト様恐れていらっしゃいます。落ち着くまで待った方が良いです」


「2人は私が愚弟を心配するのを邪魔したいのかい?」


「まあ、残念ですわ。シオン殿下には、私達がとても非情に見えていますのね」


私の胃が擦り切れる未来しか見えない。

2人に任せてちゃ、そのうち暴走する気がする。


「その、シオン様。弟君がそこまでお好きなら、ストレートに愛を伝えたら如何ですか?弟君への独占欲しか感じないのですが」


あ、要らん事言った。やばい口滑った。

だから2人ともその良く言った、みたいな顔やめて。

私が暴走してどうすんだよ。




「くすくす。私が、アデルを好きですって?

そんなわけないじゃないですか。

ここに来たのは、貴方に会うためだけですよ。


ま、独占欲ってのはあるかもしれませんね。

自分の玩具を奪われるのは嫌いなんです。


アデルは楽しいんですよ。可愛らしい。

素直で、私が吹き込んだ事信じちゃって。


自分の価値が無いと思い込んだのは傑作だったなぁ。

両親は素直なお前の方を愛してたのに。


それをね、シルヴァ様。

貴方が立ち直らせちゃったんですよ。

あはっ、せっかくここまで歪ませたのに!

素直なあの子が歪む様は、何より面白い。



でも、貴方の方が面白いかも知れませんね…?」




駄目だ。この人は、もう手遅れだ。

12歳で、どんな人生を歩んできたら、こんな人格になるのか。


呆然としつつ、今度は貴方で遊ぶ事にしますよ、という彼の言葉を聞いていた。

彼の去る音が、耳に響く。

適わない。

この世界に魔王という概念があるならば、彼こそが魔王だと思った。


「兄様は、変わりませんよ。

生まれつきなんです。

なんでも出来るが故に、何もかもがつまらない。

彼が見つけた唯一の遊びが、人の心を弄ぶ事。

僕は、少なくとも尊敬してたのにっ。



シャーロット嬢ぉ、兄様は、救えるんでしょうか?」




誰もその問いに答えられなかった。

私はイタイな、と思っていて、2人はシオン暗殺論について話し合っていたから。

いや、悪いけど私関係ないし。

気にする訳が無い。怖いけど。


「話聞いてくださいよぉぉっ!」


アデルの泣き声だけが中庭に響いていた。



「シャーロット様に滅茶苦茶無礼ですっ!あの魔王殿下!

シャーロット様大丈夫ですよ、アイリスが殺して差し上げますから!」


「アイツ、シャーロットの敵…。排除するべき存在。魔王か…。魔の子とどっちが強いかな…」


「救ってくださいぃぃぃ!!」


「くす。お前ごときに私が救えるわけないでしょう?」


私が殺せるかな?ψ(`∇´)ψフハハ!!

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