シャーロット嬢の花園
「シャーロット嬢!!またっ、また兄様がぁ!!」
「 来やがりましたね、このダメ王子!シャーロット様のお手を煩わせないでくださいっ!」
「やっぱりシャーロット狙い。これは至急対策を練り直す必要が…」
「そんな酷い事言わないで下さいぃぃぃ!」
ここはシルヴァ家自慢の中庭の隅、私のために作られた楽園。
通称、シャーロット嬢の花園であります。
スポーツ用のグランドとお茶会用のセット。
何故か最近は相談スペースまでありますね。
勿論新しく増えた友人の為なのですが!
もうほんと賑やか。三つ巴が始まりそうな勢い。
「アデル様、本日はどうなされましたの?」
あ、一応王子だから、礼儀は保ってます。令嬢として。
アイリスはどこ向かってんのやら。
「聞いてくださいっ。兄様がまたっ、またぁぁぁ!!」
人の庭で号泣しないでよ。仮にも王子でしょうが!
王子の号泣は、もはやシャーロット嬢の花園の名物と化してる。
ロリショタなアデルが可愛らしい泣き顔で訴えてくるのは、何ともきゅーんっとするけど。
私、ショタコンじゃないんだよねー。
元々アデルのアレ、俺様と金髪への執着は、お兄様によるからかいが原因だったようで。
お兄様もなかなか良い性格してらっしゃる。
立ち直りかけた弟を、ここぞとばかりに折ろうとしてくるらしい。
天性のサディスト。時期王がそれでいいのか。
まあ、愛が見え隠れする当たり、悪質な愛情という事だ。 そんなお兄様から逃げるため、週3ペースでアデルは家に避難してきている。
城でも取り繕うのをやめたようで、急に俺様じゃなくなった王子。
使用人にさえ、変な目で見られ落ち着かないとの事。
急にヘタレたら、そうもなるわ!
貴族は腹の探り合いをする事もあって、裏表を完璧に使い分けてる人も多い。
それでも王子ほどの豹変は、中々ないんだろう。
そんなこんなで、お茶会兼三つ巴をしていると、私付きのメイド、メアリがやって来た。
それもかなりの急ぎで。
私は普段から自分の事は自分でやる派で、メイドにはあまりお世話にならない。
一体何の用事だ?
カイト達も気になるみたいで、三つ巴を一旦やめている。
「お、王子が、王子がお見えになりましたぁぁ!!」
知ってる。てか目の前にいるじゃん。
はてなマークを浮かべてた私に気づき、メアリはそっと呟いた。
(アデル様、そういえば王子でしたね)
おい。確かに王子っぽくは無いけども。
それより、アデルじゃないって事は…。
「お、お兄様が追って来たんですか…!?」
顔面蒼白、震えるアデル。
そのまま気絶し、椅子ごと倒れていくが、そこは流石に2人が受け止めてくれた。
その後適当に放り投げてたけど。
どんだけ怖いんだ、第一王子。
カイト シャーロット
アイリス シャーロット様
アデル シャーロット嬢
誰か感想ください…。




