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悪役令嬢に転生したけど隣にいるのが最恐布陣すぎる…  作者: 蓮琉
1章 転生 そして幼馴染と親友
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金色の王子様

「意外と簡単に受け入れられた…」


「そうですね。王族直々に認めてくださいましたから」


誕生日パーティーも終盤。

私達は、ダンスを申し込む子息達を一蹴しつつ、壁の華と化す。


あの後王族に認められたこともあり、見目麗しい2人は囲まれていた。

カイトに恋焦がれていた令嬢も少なくなかったらしい。

そのカイトは、私の後ろで令嬢達を威嚇してる。

猫かお前は。


そんな時、誰かが近づいてくるのが分かった。


「シャーロット嬢、私と踊ってくださいますか?」


目の前には恭しく膝をつく男子。

先程までのように断ろうとすると…金髪が目に入った。

面倒臭い。断言する、絶対面倒臭い。


「そうですわね、アデル・ハースト様。父から彼女を任されてまして。残念ですけど…」


顔を上げるその方は、金髪に金の瞳の王子様。

正真正銘この国の第二王子だ。

可愛い系美少年って感じですね。


とっても愛らしいロリショタだけど、細めるその目は、断ることは許さないと伝えてくる。

強引な人はいたけど、この人は権力的に逆らえないし…。


カイトの威圧と、アイリスの黒いオーラに耐えられる人も初めてだ。


こんな事、前もあった気がする。

どうしてこうなった…?


カイトとアイリスが囲むのは、もちろんアデル。

私はその2人に庇われるようにして立っている。

仕方なくダンスを踊り終えた途端、2人がブチ切れたのだ。


「アデル様。私、権力を振りかざして自分勝手に行動する方を嫌悪しますわ。この最低王子、シャーロット様と1番に踊るのは私でしたのに!」


「シャーロットが嫌がってんのわかんないの…?しかも、シャーロットの婚約者候補…。許さないから」


2人ともどっかに飛んでる。王子震えてるし。

最後のは初めて聞いたけど、私のじゃなくて、私が王子の婚約者候補なんだと思うよ?


「き、貴様ら、私は王子だぞ!?こんなことして、どうなるか分かってるのか?」


「知ってる、でもここ死角だから。王子の証言誰も聞かない」


「私がそんな事やらせるとお思いでして?当然、陛下に話は通してありますわ。裏からの根回しも」


怖い怖い。どす黒いオーラがやばい。

なんでこんなふうに成長してしまったんだよ。

ほら王子俯いて震えてるし、あれ泣いてるんじゃ…。


「何で逆らうの。僕は金髪だから、王家の一族なんだよ。ちゃんと父様の息子なんだからっ、母様の子供でっ、兄様の弟…金髪の僕の方が金髪なんだからぁ…」


ナンダコレ。俺様王子の本性はヘタレ王子って事?

ていうか、泣き出すって…。

10歳なんだから仕方ないにしてもさぁ。

元高校生の私としては泣き止ませなきゃ義務感が…。


「金髪である事を誇りに思うのは良い事ですわ。ですが、それは貴方の価値が金髪にしかないと言ってるようなものです。貴方は貴方でしょう?王子ではなくアデル様のお気持ちをお聞かせ下さい」


そう言って微笑むと、アデルは泣き止んだ。


「金髪じゃない僕に価値なんてあるの…?」


何か、可哀想になってきた。

ざっくり言うと、優秀すぎる兄は金髪では無く、自分には金髪、つまり血筋にしか価値が無いと思い込んだ的な。


子供らしいといえばらしいけど、このまま大人になったら末恐ろしい事である。

絶対拗らせてた。

あとこの世界髪に因縁有り過ぎない?


「貴方、馬鹿なんですか?私も金髪ですけど、誇りになんて思いませんわ。ずっと苦しめられてきたんですから。自分の価値など自分で決めるものです。今の私にはシャーロット様が、全てですし」


そう言って微笑むアイリスは、美しい筈なのに悪魔の微笑みのようだった。


怯える王子をついなでなでしまして、何故か感謝されまして、秘密だと約束をし、何故か赤面している王子を送り届けました。


やっぱり美少年は、お姉さんには目の保養だ。

背後から殺気を感じる…!






〜その後の2人〜


「シャーロット様になでなでされるなんて!あの王子、許しません!」

「またライバル増えた?あれはシャーロットなのかこの女なのか…」

「聞き捨てなりませんわね、カイト。私は貴方の事も認めてないんですから!シャーロット様は渡しません!」

「僕とシャーロット、離すの許さない…!」

「やってみなさい!返り討ちにして差し上げますわ!」


シャーロット「…仲良いなぁ」

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