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悪役令嬢に転生したけど隣にいるのが最恐布陣すぎる…  作者: 蓮琉
1章 転生 そして幼馴染と親友
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先祖返りの断罪

アイリスが家に来ることになった。

カイトみたいに養子という形じゃなくて、男爵家に籍は残したまま、家に居候という体になっている。


それからの私の日常は、とても充実していた。

アイリスとドレスを着てお茶会したり、カイトと男の子服で運動したり。


お母様とお父様だってラブラブだ。

絵に描いたような幸せな家族(+居候)

そんな私は、10歳になりました。


部屋を出ると、アイリスとカイトが待っててくれた。


「シャーロット様、素敵ですっ!本当に天使様のような、愛らしさ、麗しさと洗練された仕草が、ドレスによって引き立てられていて〜」


「シャーロット、綺麗」


…アイリスとは、親友になるくらい仲良くなりました。

間違っても信者じゃない。うん、違う。


「ありがと、2人とも。でも、2人だって主役でしょ?似合ってるよ」


今日はシルヴァ家の10歳誕生日パーティー。

同い年の2人だって主役なのだ。


アイリスが着てるのは、瞳に合わせた可愛らしいパステルグリーンのドレス。

出会った時は肩までだった金髪は、腰までになり、編み込んでまとめ髪にしてる。


カイトはすべて漆黒で揃えており、ネクタイだけが赤色だ。

こっちも髪の毛が随分伸び、背中までのを、1つに括ってる。


似合ってたから、言ったんだけど。


「いや、私なんかっ、その、勿体無いお言葉で…」


そんな赤面で慌てる事じゃないと思うんだ、私は。

カイトに至っては無言だけど、物凄い笑顔だ。

笑顔安くない?良いの?


取り敢えず紫のドレスに 、髪を軽く編み込んで下ろしてる私は、2人の手を引いて、会場へと乗り込んで行く。

ぼーっとしてないで、歩いてほしい…。


右手にカイト、左手にアイリスを伴って入場すると、拍手と同時に、侮辱してるかのような視線が突き刺さる。

魔の子、特例の金色と来れば、そうもなるかな。

そもそも、居候や養子と誕生日パーティーを行う自体、異質らしいし。


(作戦通りに行くよ!)

(分かりましたわ!シャーロット様の為なら、火の中水の中!)

(了解。…シャーロット離さない)


その後ろについてるやつ要るかい?

何か、ヤンデレ度が、加速してる気がする…。

お父様が待つ舞台に上がると、刺すような視線が突き刺さる。

私はそうでもないけど、2人は大丈夫か。


「シャーロットシャーロットシャーロットシャーロットシャーロットシャーロットシャーロット」


「天使様が見てらっしゃるの。シャーロット様の為なら、シャーロット様といる為、シャーロット様」


…聞かなかった事にしよう。


「皆様、この度は我が子達の誕生日パーティーに来て頂き、感謝致します。黒、特例の金と異質な髪を持つ彼等ですが、長年の研究により、先祖返りからなる物だと分かりました」


お父様が言い切ると、会場がざわざわし始める。

王族もいらっしゃるみたいだ。


さあ、断罪を始めよう。

カイトが前へと進み出る。


「初めまして、カイト・クローディアです。魔の子と虐待されてきた僕ですが、そのような事実は、ありません。大昔は、寧ろ黒髪が主流だったそうです。その昔の血が濃く出てしまっただけの僕に、それでも魔の子だと嘲りますか?クローディア様!」


名指しされたクローディア当主、周りにいるご子息達、夫人がビクリと肩を震わせる。


虐待したのが彼等だと分かると、周りの目も冷たくなっていく。

群衆とは無責任なものだ。


魔の子と罵るのに、事実とカイトの強さを見せつけただけで、クローディア家を罵る。

でも、利用させてもらう。

カイトと比べればこんなもの、軽いくらいだ。

一生罵られて、生きて行けばいい。


「アイリス・アーカスと申します。私の金髪は、とても古い先祖から引き継いだものだと分かりました。私は、どんなに少なくても、王族の血を引いています。もちろん母方ですよ?自分勝手に母を罵り、殺し、私を軟禁して髪を奪うような外道、違うに決まってるでしょう。売り捌いた私の髪、いくらになったのかしら。ねえ、アーカス様?」


アーカス家はここからでも分かるくらい青くなっていた。

ガタガタと震え出す彼等は、何を相手にしていたか分かったのだろう。


少なくても血を引いてる以上、アイリスの髪は王族の髪。

この国では、売り捌くのは、重罪に値する。

アーカス家は、没落だ。

実際もう兵士に囲まれてる。仕事が早い。


「シャーロット・シルヴァです。皆様、ご清聴ありがとうございました。2人は、私の親友と幼馴染です。傷付ける者は、シルヴァ家を敵に回すと理解してください」


私達3人を敵に回すとどうなるか分からない。

そんなイメージを与えられた事だろう。

実際アイリスの悪役感は私でも怖い。

とにかく、誕生日パーティーを再開しよう。


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