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プロローグ
妙な達成感を覚えてようやく意識が現実に戻ってきた。気がつけば満身創痍のボロボロの体で立っていた。どうやら屋内のようだ。ドームと思われる室内競技場には満員の客がいた。そして、彼の前方には世界ランク3位の男が倒れている。
(あれ…?俺何してるんだっけ…?)
世界の大舞台でスポットライト浴び、周囲からの大歓声を聞きながら、自分が何をしていたのかを彼は考えていたのだった。そこへ、走り寄ってくる年の離れた仲間とマスメディアが見えたところで彼の意識はゆっくりとフェードアウトしていった。