魔法おいしい。 〜イディアル大陸美食異端健啖奇譚〜
「……光の魔法は、甘い。火の魔法は辛くて刺激的。風の魔法は野菜味、土の魔法はパンとか、ジャガイモとか、そんな感じ。喉が乾いたら水の魔法かな」
これは、そう、魔法のお話。
今より少し先かもしれないし、かなり前かもしれないけれど、そう、魔法のお話なのだ。
魔力全盛……魔力があることが前提の社会において、魔法を持たない者は、たとえ人型でも人間に非ず。
ここにも今一人、魔力無し、通称「アラズ」と認定された子供が死にかけていた。飢え死にしかけていた。
でも、だが、しかし、それゆえ、だから、気付いてしまう。
「……おいしい。魔法、おいしい」
――魔法が、食べ物であるということに。
これはそういうお話、だったら良かったのに。
これは、そう、魔法のお話。
今より少し先かもしれないし、かなり前かもしれないけれど、そう、魔法のお話なのだ。
魔力全盛……魔力があることが前提の社会において、魔法を持たない者は、たとえ人型でも人間に非ず。
ここにも今一人、魔力無し、通称「アラズ」と認定された子供が死にかけていた。飢え死にしかけていた。
でも、だが、しかし、それゆえ、だから、気付いてしまう。
「……おいしい。魔法、おいしい」
――魔法が、食べ物であるということに。
これはそういうお話、だったら良かったのに。