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普通は正常

職員室で職員会議が行われる。

年老いた教頭のつまらない挨拶からいろいろと今週の事などだ。

しかしやはりなんというか他の女教師達の視線がおかしいような気がしなくもない。

いくら俺が目立つからとはいえ、さすがに自意識過剰という言葉一つでは解決できないレベルで注目されているのは確かだ。


隣の席で上の空のアイにひそひそとできるだけ聞こえないように耳打ちをする。


男がヒソヒソ話すのはAVの声みたいでキモいから嫌なんだが……。


「なぁ…なんか他の教諭たちおかしくね?なんか身の危険すらも感じるレベルなんだが……。」

「いやいやいや、いつもと大して変わってないっすよ。むしろ何か変わってるのは宗士先生のほうだと思いますけど~」


やはりパラレルワールドであるのは確実で、こっちの俺と俺は大部分が似てるが何か…根本的な何かが違うようだ。


その何かの発見が最重要だな…タコ星人に聞いとけばよかったと後悔。


職員会議が終わると同時に俺は学年主任に呼び出され、学年主任の席へと向かう。


「何の用で?」


30代前半の女の学年主任は何も言わずに俺の尻を触り弄った。


「は?」

「いいケツしとるの~…ヘヘヘ……」


やはり何かがおかしい今日痴漢にあった時もそうだ、まるで男と女が入れ替わったような……。


「要件ないなら戻る。」

「宗士ちゃんはつれないな~……」


すぐに自分の机に戻り、手当たり次第に教本を読む。


やはりといってはなんだがおかしい。


スーザンが女じゃなくなってる……!!!

主人公であるはずのスーザンはジョンというよくからん外国人の男になっており、ほかの人物の名前と性別は違うものの立ち位置は元の世界と同じ、文もほとんど同じであり…。


すぐさまパソコンを起動させ、ぐーぐる先生に聞いてみることとする。

おそらく……エロ動画、エロマンガ、エロ本、風俗…etcは……。


うわぁ……やはりそうか。見なければよかったと後悔するも、なかなか面白い事実もわかった。

この世界では正常位はノーマルの体位ではなく、騎乗位がノーマルな体位だという事。


そして一種の仮定にたどり着いた。


いや……まだ確定するには速いか……?


「アイ……その……こういうのってまずいのか?」


俺は隣の席で授業の準備をしているアイに対し、アイにのみ見える角度でシャツをほどけさせる。

するとアイは見たこともないほど顔を真っ赤にし、慌てる様に携帯で写メを撮った。


「ご……ごちそうさまです……。にしても今日どうしたんすか?どっかヤバい薬でもうってきたんすか…?」


すぐにシャツを直し、上着を着る。


なるほど……これは間違いなく男と女の価値観が入れ替わってる。

つまりおそらく男は女の裸を見てもむしろ女の方が責められるのか…?


それならば今日の朝起きた転校生との事故の説明もうまくいく。


「ハァ……ハァ……。いいんすよね……?別にここでってわけじゃなくてどこかで部屋借りてやればいいだけですし……。」


アイの目が血走り、息が荒くなっている。

あぁ……さっきやったことは元の世界で言う誘惑したってことか……。


「いや……そのなんだ……。ちょっとした実験だっただけだ……。アイもよく実験するだろ?実験。そんなレベルなんだ。」

「全く宗士先生は自分の思ったことを出せないんすね~。ま、私は初めてですけどリードしますからいきましょう!!!!」


うぉ……!すっげえ力!!


アイが俺の腕を引っ張ろうとしているが、それは尋常なレベルではない。

幼少期から鍛えていた俺が普通に一瞬ビックリするほどの力だ。


ふと腕の傷がとっさに疼き、血があふれ出ていく。

とても痛いが目に涙をこらえながらも耐える。


その時。扉が開き、誰かが入ってくるのがはっきりとわかった。


「転校生の鳴海つきかです。聖父様はどこにいらっしゃるんですか?」


うわぁ……。


その女の子は朝、シャワールームでばったり会った女の子であった。

にしてもちょっとヤバ気な感じしかしないのはどうにかならないものか。


「いいとこに来たな!!!それじゃあクラスに案内しよう。」


俺はここぞとばかりに力を入れ、アイの拘束を解き放つ。


「あぁ…聖父様。あなたが私の担任なのですかなんという思し召し……。やはりハヴォック神は素晴らしい神様です。」

「は?アンリアルエンジンこそ至高なんすけど……なんすかこいつ。」


アイと鳴海つきかという金髪少女は火花が散るほどににらみ続ける。

それは見てるこっちの胃が痛くなるほどの視線のぶつかり合いであるのだ。


「ストーップ。いくぞ。アイおめえはおめえで授業あんだろ、つか学生に大人げないぞ。」


つきかという少女を腰に抱えそのまま走って職員室を出て、担任しているクラスへと連行し、ザワついている教室の前でつきかをおろす。


「つかお前、鳴海つきかつったか?俺の事を聖父とかいうのはやめろ。俺はそんな立派な人間じゃない。」


そう……俺は何人もの人を傷つけてきている。人間というのは人を傷つけた時点でクズなのだ。


「それではなんと呼べばいいのですか?まだ名前も知りません」

「俺の名前は月成宗士。それに別になんとでも呼べばいいだろうが、担任なんだからよ。」

「なるほど!ならば宗士先生と呼ばせていただきますね。宗士先生。」


つきかは満開のひまわりを軽く凌駕するほどの満面の笑み


つきかという少女の笑顔のまぶしさは反則だ。

そして俺はこれに似た笑顔をなくした……いや、笑ってはいるがこうきれいな笑いではない。

『いろは』の事を思い出し若干懐かしい気になるも、大したことではない……。

何より今はこの笑顔がクラスのみんなに受け入れられればいいなと思うのだった。

一週間(二か月)

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