友3
「ん?どうした?」
「・・・あのさ、来週くらいに、みんなで旅行しようって話しがあって・・・、小野も来ない?楽しいと思うよ。」
「旅行かぁ・・、わかった考えておくよ。」
小野が断る時の返事である。
「そっか・・、わかった、行きたくなったらいつでも言ってね。」
「あぁ、じゃあ、また電話するから」
「うん、はーい。」
小野からの電話が切れた。やっぱりダメだった、まだ田中とのことを気にしてるのだろうか・・・。
じつは、小野は覚えているかわからないが、そもそも田中が学校の成績が上がったのも、中学に入ったばかりのときに話していた、みんなで同じ高校に行こうという約束のためだった。けっきょくその高校に行くのは田中だけになってしまったが、田中は最後まで、みんなで同じ高校に行くことを信じて、あきらめなかった。そのため成績が少し沈んでいた私や長野に勉強を必死で教えてくれていた。結果それが小野との間を離してしまったが・・。田中は小野には話さかったが、私に、小野は必ずその高校に行くから、僕達三人が頑張ればいいだけだと、いつも話していた。
そう、みんなで同じ高校を目指そうと初めに言ったのは小野だったのだ・・。
しかし、もう終わったことだ、いくら考えてもしょうがない。
それにしても、すごい雨だ、私は窓の外に目をやった、長野は大丈夫かな?たぶん、まだ、おばあさんのとこには着いてないと思うけど・・・。一人でいると、いろいろ考えてしまい止まらなくなってくる。
そろそろ、またゲームをすることにしよう。たしか、トンネルの奥に、人影が見えたところで終わっていた。いったい誰なのだろうか?私はゲーム機の電源をつけた。




