旅
田中は、そうそうと言って、私に話さないといけないことがあったと言った。
「そういえば、長野が、旅行の事で鈴木と話したがってたよ。」
長野とは、私のもう一人の友達である。名前は、長野 雄太、男で、私と歳も中学も同じだが、これから行く高校は違う。三人とも4月から、別々の高校に行くことになっている。
旅行とは、卒業旅行のことで、私と田中と長野の三人で中学を卒業した思い出作りに、卒業旅行に近々行くことになっている。一泊二日の泊まりがけで行くのだが、行く場所も行く日にちも決まっている。もう、旅行のことで話すことはないと思うが、いったいなにを話したいのか見当がつかない。
「ホント?分かった、今から電話かけてみるよ。」
「うん、お願い。」
私は電話を切る前に、田中に、ゲームのヒントを教えてもらったお礼と、また、ゲームで何かわからなくなったら、電話をしてもいいか聞いてみた。
「うん、いいよ。自分もすごく暇で、今も借りてきた海外ドラマのDVDずっと見てるだけだから
、電話かけてくれると助かるよ。」
田中が暇だということがわかり、私はホッとした。
「ありがとう。じゃあ、また電話するからね。」
「はーい。」
そう言って、電話が切れた。
私は、田中と話し終ると、すぐに長野に電話をした。
呼び出し音が5回ほどなって、ようやく長野が電話にでた。
「はい。」
「もしもし、長野?」
「うん、鈴木君?よかった、ちょっと話したいことがあって。」
!?長野が話している間、電話ごしから、何か雑音のような音がずっと聞こえてくる。これは、いったい、どうゆうことなのか?




