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狂気の「強盗ごっこ」


ルイの自宅リビングは、もはや内職作業場と化していた。テーブルの上には、着色されたアクリル樹脂や精巧な金具が散乱している。ルイは一心不乱に、偽の宝石を磨き上げていた。


チャイムが鳴り、恋人のツヨシがやってくる。

「お邪魔してまーす。何してんの?」

「偽宝石作ってた」

ルイの即答に、ツヨシは顔をしかめる。「……偽宝石?」

「そう。宝石強盗ごっこをする時に、ホンモノに近い方が罪にリアルがあっていいでしょ!」


「ほ、宝石強盗するの……?」

戦慄するツヨシに、ルイは冷たい氷を投げつけるような声で言った。

「するわけないでしょ! 成功するわけないのに人生棒に振ってどうすんのよ。バカなの?」

正論で詰められ、ツヨシは言葉を失う。「自分が変なことやっといて、正論で刺さないでよ!」

「いいから手伝って。宝石強盗ごっこ」


渋々手伝い始めたツヨシだったが、作業は意外にも没頭できた。しかし、横に座るルイの様子がおかしい。彼女は立ち上がり、まるで革命家のように両腕を振り回し始めた。

「いい……? 私たちは紙と色で、真実を作るの! 世界は思い込みでできてる。騙すんじゃない、納得させてるのよ! はぁ~~、生きてるって感じ!!」

「……あっそぅ。なんか怖いな」


ハイになったルイは、完成した偽宝石を掲げて微笑んだ。

「ツヨシ、写真撮って!」

「おお、才能だ。撮るよ」

スマホを構えるツヨシに、ルイは渾身のスマイルを作る。しかしツヨシの目は冷めていた。

「……宝石と一緒に撮って。宝石だけ撮ってたわ、今」

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