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        2 魔王の出現

 魔王の出現がはっきり判った。主に魔獣達の凶暴化が深刻だ。

          2  魔王の出現



 魔王が何時出現したのか正確な情報はない。だいたい300年から500年に一度出現しているから前回から400年経っていることから現れても不思議はない時期だと判る。出現する場所はだいたい北の山間部の中腹で概ねの場所も見当は付き。現地の領地より魔王発見の位置が知らされている。魔王討伐には勇者の剣と聖女の殲滅の魔法が必要である。他ものが倒しても復活するだけだと考えられている。数百年に一度のことだ伝承のようなものだ。魔王それ自体の被害は少ない。魔王の被害は、魔獣の凶暴化だ。冒険者への影響が大きい。冒険者の収入源と言えるオークが倒し難くなる。従来単独あるいは2,3匹で行動していたオークが十数匹の群れを作る。街や村に攻め込んでいる。領軍への出動要請がある。街村へ出動するが成果は芳しくない。国が勇者や聖女を派遣すると考えているからだ。

 事実国も考えいる。まず勇者は次期国王が望ましい。ルドルフ王子が勇者であれば決まりだが学院の3年生だ。称号の決定は3年後だ。臨時で判定会を開く必要がある。もっと深刻なのが聖女だ。以前は召喚していたくらい珍しい存在だ。召喚された聖女が必ずしも聖女の働きができるわけではなく討伐失敗して滅んだ国もある。貴族の称号を登録を義務付けたので把握できているのだが未婚の聖女がいない。臨時の判定会をどの範囲でやるのか悩ましい問題だ。国王は宰相に尋ねる。

「臨時の判定会をやる必要があるが、どの範囲でやるべきか。」

宰相は応える。

「申し上げます。貴族学院の学生全員を対象とすべきと思われます。現にこの3年聖女の誕生は報告されていません。6学年全てやるのは大変なことですけどやるべきです。」

未婚の聖女がいないことから判るようにこの数年聖女が誕生していない。もはや手間を惜しんでいる場合でない。

「早急に手配せよ。」

宰相は受け賜わりました。と言って退出して行った。

 臨時の判定会があると知らされ学生達の動揺が走る。マリエールは皆の動揺を押さえる。

「みんな心配しないで、勇者と判定されても魔王討伐に行くのは王子か次期国王に近い人よ。王族以外関係ないよ。それに聖女は私だと思うの。私魔法得意だし。前から言っているでしょう。私は国民の平和と幸せを望むと。そんな望みを持つと聖女に成るぞと良く両親に言われたわ。それが実現するのよ。」

マリエールは戯けて言った。マリエールが言えばその通りになる。経験的に皆が知っている。出任せや慰めを言う人間ではない。やや冷酷なくらい真実を述べる。だから信用ができ、こうやって人が集まる。

「あなた達が聖女になる可能性はゼロではないと思うわ。同じように私が聖女にならない可能性もないとは言えない。そうしたら私こういうわ。聖女の力を持つのは私だけです。私に行かしてくださいてね。」

マリエールは彼女達の不安要素を埋めてやる。

 ルドルフ王子は自分が勇者に選ばれることを確信している。どんな軍勢で行くのか思案している。前回国軍が100人S級冒険者チームや魔法使い、荷物運びやメイドがいた。その時勇者は20歳だったからもっと軍勢増やしも文句はないだろう。そして私の次期国王の地位は約束される。聖女はマリエールだろうか。彼女も私の勇姿見て惚れ直すだろう。私はそれを認めてやる。


 学院の学生全員の称号の判定をする。かなり大掛かりな事業だ。

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