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      1 マリエールは人気もの

 マリエールは学院3年生皆に好かれる美少女だ。

      1  マリエールは人気もの



 マリエールはいつも人々の中心に居た。誰もがマリエールを好きなんだ。

「今日は幻影をやります。範囲指定しますのでなるべく近くに寄ってください。」

マリエールは注意を与えると幻影を始める。七夕伝説だ。彦星と織姫星から少年少女が天使に導かれて天の川で出会う。天使達は2人を祝福して舞い踊る。同級生達が歓声を゙上げる。

 ここのクラスはいつもこんな感じだ。多芸で美人、気立ても良くて話題豊富、成績も良くカリスマ性がある。マリエールはいつも人々に囲まれている。

 始めからではない。始めは王子の同級生として王子を立て、王子の取り囲まきをして居た。幻影もカードゲームも王子のために始めた。でも王子に言われた。お前鬱陶しい。それ以来王子とは関係なく3年生になった。この学校は成績順だ。マリエールと王子が同じクラスなのはマリエールが首席なのと王族はこのクラスと決まっているからだ。

 マリエールはマジックショーが好きだし。得意だ。南京玉簾や行進する人形、トランプマジックなど披露する。遠い異国の風景や珊瑚礁の海を映す時もある。マリエールは人に嫌われる経験がない。だから王子の仕打ちが忘れられない。何が王子の気を損じたのか理解できないが関わりたくない。

 マリエールは楽器を演奏したり歌を歌ったり書いた絵を発表したりする。どれも最高傑作だ。裁縫も料理も得意、マリエールの身の周りが汚れたり散らかっている様子もないから掃除も身繕いも得意なのだろう。

 王子にとってもマリエールは好ましい存在だ。側にいた時から将来結婚するならマリエールがいいと思った。しかし自分の周りに人が集まるのがマリエールのせいだと判って怒りを感じた。私はマリエールに、鬱陶しい女だ、と言った。それ以来王子の周りにはほとんど人は寄らない。マリエールは素晴らしい女性だ。人が集まるのは理解出来る。出来れば元通りになりたい。しかし私から頭を下げるわけには行かない。私は王子だ。マリエールが頭を下げるなら許してやろうと思っていた。しかしあれから2年が経った。マリエールは明るくなり、快活に話す。誰からも愛される天使のような存在だ。あの少女に何と酷いことを言ったのだろう。

 マリエールには夢が有った。世界中の人々の幸福と平和だ。誰もが喜び合え、戦争の起こらない世界。マリエールは作りたい。平和で幸福な国、世界を、そのために魔法の力を高めてきた。マリエールは転生者だ。国境の無い医師団に所属して危険地域の内乱に巻き込まれて死んだ。しかも少女を庇ってだ。そして3歳のマリエールに転生した。マリエール自身の記憶はない。転生特典は多種多様な強力な魔法だ。年々強くなり。分身体を作り多種多様なことやり精神を共有して共有アイテムボックスも持ち、転移フライ、貫通魔法も保持している。万能と言ってもおかしくない。

 でも礼儀はわきまえているつもりだ。皆と仲良くしたいし、王族への尊敬の念も失っていないはずだった。王子に鬱陶しい女と言われるまでは。

 マリエールの願いは人々の幸福と世界の平和だ。

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