1-21 赤と青
「はい、確保。ははっ、ほんと、あっけないね」
どさ、とリベルトとザッカスさんが膝をつき床に倒れ込む。
「っリベルト!!」
「はは、だめだよそんな遅い反応じゃ」
慌ててリベルトに駆け寄ろうとするが、にこやかに笑うヘイズさんにガッと髪の毛を掴まれ、動きを封じられる。
「――っ」
「ごめんね、ちびっこだからここが一番掴みやすくて」
無精髭をはやした顔をほころばせ笑うヘイズさんは、私の赤い髪の毛を引っ張り上げてニヤリと笑った。痛くて思わずうめき声が出る。
見れば、少し距離のあったジャンティ達の間には、透明で分厚いエネルギー炉の隔離壁が降ろされていた。ジャンティ達は、慌てたように隔離壁を解除しようとしているけれど。エネルギー炉が暴走した場合に使用する隔離壁は、そうすぐには解除できないだろう。
「悪いね、俺は土竜の割には動きが早いんだ」
ヘイズさんが悪びれもなくにやりと笑う。
なんとか逃れようともがくけど、ガッチリと掴まれていてびくともしない。今ここで、動けるのは私しかいないのに。痛みからか、何もできない非力な自分に嫌気が差したのか、じわりと涙が浮かぶ。
リベルトがなんとか起き上がろうと、力の入らない腕で床を押した。
「――っヘイズ、お前」
「っふは、すごいね、あのリベルトが形無しじゃん。その首の黒い枷ね、異形の力を封じて脱力させるんだ。メリノにつけたのは試作品で弱いけど、それは強力でしょ?」
見るとリベルトとザッカスさんの首元には黒い枷が嵌められていた。まるで床に吸い付けられているように起き上がれない。ザッカスさんは息も細く、言葉もだせないようだった。竜化もいつの間にか消えていて、二人とも見たところ普通の人間に見える。
ヘイズさんは私の髪を引っ張りリベルトに近づくと、ガスッとリベルトの腹部を蹴り飛ばした。
「――――っ、かはっ」
少し離れた床に転がったリベルトの口から、ポタポタと血が落ちる。
「あれ、内蔵イッた?ごめん、手加減したつもりだったんだけど」
ニコリと笑ったヘイズさんを信じられない気持ちで見上げる。
「なんで、こんなこと……!」
「なんでって?うーん、なんて言ったらいいかな……そうだな、憧れかな?」
「あこ、がれ……?」
「行ったことある?上層階」
ヘイズさんは深い栗色の目を細めて私を見た。
「上質な空間、美しい料理、洗練された匂い。土竜なんて地味な竜種でも、ここでは価値があれば極上に扱ってくれる。俺の居場所は地上でも、最下層でもない――船の国の最上層だ」
そしてグイッと私の髪を引き上げて、顔を近づけた。
「俺はもう、自然が豊かすぎる地上にも、ゴミ溜めみたいな船の最下層にも戻る気はないんだよ。役に立ったらお前も連れて行ってやる。だから――さっさと破壊コードを入力しろ」
「――っ、」
ぎりぎりと髪の毛をねじ上げられて痛さで顔が歪む。
「っやめ、ろ」
リベルトが私を捻じりあげるヘイズさんを止めようと身体を起こす。ヘイズさんは面白くなさそうに、もう一度リベルトを蹴り飛ばした。
「ほんと、哀れだよね。こんな人間なんかに恋煩っちゃって。もう鱗落ちるんじゃない、リベルト。狂うのも時間の問題だね」
はぁ、とため息をついたヘイズさんは、私の方を見てニコリと笑った。
「さ、頼むよ。抵抗してると大好きなリベルトが目の前で死ぬぜ?」
そうして竜化させた土色の太いゴツゴツとした足を再びリベルトの方へ向けた。
「っやめて!分かったから!」
「おぉ、聞き分けが良くなったね。じゃあ、お願いしようかな。ねぇヘイズ」
いつの間にか拘束から抜け出していたバロックさんが、傷口をハンカチで抑えながら私の目の前までやってきた。そのまま強く腕を掴まれ、ぐいっと大きな制御パネルの前に突き出される。
「ほんとうに、あの日にヘイズに出会えて良かったよ。ヘイズが上層の僕の様子を探りに来た日、運良く話す事ができたからね。ケイドスも一緒に説得してくれて、僕達は無事に分かり会えたけど――君はどうかな?モネ、だっけ?君にも期待してるよ?」
「……わ、かってます」
男に震える声でそう答える。
「舐めたマネすんなよ?」
ヘイズさんが、私の背後で低い声でそう呟いた。
背後に二人がガッチリと構えている。画面は丸見えだ。二人がコードを読めなかったとしても、制御パネルの中で怪しい動きをすれば気づかれてしまうだろう。
でも……でも。下層を爆破してしまった後の事を考える。
この二人が、私に利用価値を見つけて助けてくれたとしても。多分、他のみんなは殺されるだろう。
助けが今すぐ来ないのだとしたら。もう、私にできる手は、一つしかない。
ごそごそと自分の肩にかかるショルダーバッグを開く。震える手で、その中から自分の古い端末を取り出した。それから、バッテリーと、接続コードと……そして、どさくさに紛れて、リベルトの鱗をそっと取り出した。
二人とも、私が操作する端末と画面に気を取られていて、鱗には気づいていない。私は怯えた様子を装いながら、リベルトの鱗を口に入れた。
「……っう」
ドクンと胸が跳ねて、思わず声が出た。そのまま口を両手で塞ぐ。
死ぬほど硬いだろうと思っていたリベルトの青い鱗は、信じられないぐらいあっさりと口の中で溶けた。そして私の体の隅々を巡るように、あっという間に私の身体に染み込んでいく。
そしてそれは、まるでずっとそこにあったかのように、私の身体に馴染んでいった。
それは、ほんの数秒間の出来事だった。そっと口から手を離す。不思議と、どうすれば自分の新しい身体が動くのかが分かった。
「どうした?最後の爆破ボタンを押すのに躊躇するなら俺が――っ!?」
バン!とヘイズさんとバロックを竜化した腕で吹き飛ばす。信じられないほど力がみなぎる自分の腕は、相変わらず小ぶりだけど。生まれ変わった新しい腕は、髪の毛と同じ赤い鱗がキラキラとしていて、綺麗だった。
「な、に……!?」
竜種のヘイズさんが起き上がるのをもう一度バンッと足で踏み潰す。流石土竜、頑丈だ。それなら……と、なんとなくの感覚に従って、思いっきり電流を流した。
「あがががががっ!?」
ぷしゅう、という音でも出ているのではと思う雰囲気で、ヘイズさんが私の足の下で脱力した。でも、きっとこの程度なら少しの時間稼ぎにしかならないだろう。慌ててそこから飛び退き、リベルトのところへ駆け寄る。
「は、外すよ……!」
自分の手とは思えない、鋭い鉤爪。リベルトを傷つけないように黒い枷にそっと鉤爪を引っ掛け、力を込めてがちゃんとそれを砕き取った。
「こ、これで、どう……?」
「っクソアマがぁぁぁ!!!」
はっとして顔を上げた。鬼の形相になったヘイズさんが、頑丈な腕を私の頭上で振りかぶったところだった。ヤバイ、と腕で自分の頭を守りながら、ギュッと目をつぶる。
「――クソはお前だ」
衝撃がない代わりに聞こえたリベルトの声。恐る恐る目を開けると、竜化したリベルトが、ヘイズさんの両腕を、青い鱗の大きな腕でがしりと掴んでいるところだった。
「き、さまぁぁぁあ!!!」
「下らない欲に踊らされやがって」
「下らないものか!お前も上層階へ行けばきっと――っ!?」
喚くヘイズさんに、リベルトは少し悲しそうな表情を向け、電撃を放った。
私よりも圧倒的に強い電撃に、ヘイズさんは白目をむいて倒れた。
「……普通に船の国との友好関係を築いて、上層階へ行けばよかっただろ」
リベルトの声が、広いエネルギー炉のフロアにぽつりと響く。
寂しそうなその背中に、なんて声をかけたらいいのか分からなかった。
「……まさか、船の国の者が異形になるとはね。いや、元々異形だったのか?」
ぐったりとした様子で起き上がったバロックさんが、高そうなスーツの袖で口元の血を拭った。それから、乾いたように笑い出した。
「……何がおかしい」
「いや、これからどうするのかと思ってね。俺たちの今回の下層爆破の計画は防がれた。でも、根本的な問題は解決していない」
一通り笑い終えたバロックは、はぁ、とため息を吐くと、探るようにちらりとリベルトを見上げた。
「……船の人口は増え過ぎた。異形は恐れられている。地上と切り離され生きる俺たち人類は、結局この小さな船の国をなんとかして存続させて生きるしかないんだ。俺たちをここで捕まえたとして、何が変わる?」
バロックは、開きなおったように、ニヤリと笑った。
「下層の切り離しが、少し遅れただけだ。結局、お前たち異形ができたことと言えば、お情けで下層の者たちの寿命を、ほんの少し伸ばしただけだとおもうぞ?」
「そんな事無いわ」
そう強い口調で反論する。バロックはその私の声に、機嫌の悪そうな視線を向けた。睨みつける男をじっと見つめ返す。
私の瞳は、きっとリベルトと同じ、縦割れの瞳になっているのだろう。男の瞳は、少し恐れるように揺れていた。
「……そんな事無い、だと?では何が変わるというんだ」
「今日、船の国の人たちは、異形を――地上の民のことを知ったわ。だから、新しく関係を築いたり、新しい問題解決の糸口を掴もうとする人々もいるはずだもの。それに、何度も同じように、下層の切り離しの危機を許すわけないじゃない」
そう言うと、男は一瞬キョトンとした顔をした後、大声で笑いだした。
「それはそれは、大層なことだな。で、どうやって今日の事を国中の人に知ってもらうんだ?」
そう言ってにやりと笑う男を見返す。私は、近くにあった制御盤に鉤爪を消した手を伸ばすと、カチカチといくつかのコードを入力した。
ブン、といくつかの画面がパネルに映し出される。
「――ずっと生配信してるからよ。この場所の防犯カメラの映像と、音声も、全部」
「――――は、」
バロックさんが、呆けた声をだしながら、薄暗いエネルギー炉のフロアで煌々と光を放つパネルを見上げる。
私は、いくつもの画面を呼び出しながら、淡々と話を続けた。
「あなた達が、ここに来てすぐ、想定と違う動きをしているって、私に乱暴したときよ。一番最初に制御盤に触ったときに、ここの防犯カメラを船の国の動画配信ネットワークに接続して、ずっとリアルタイムで配信し続けてるわ」
パネルに表示されたのは、今この瞬間のエネルギー炉があるフロアの私達の映像。大事な場所だから、解像度も音声もきっとバッチリだろう。
呆然とするバロックを、じっと睨みつける。
「何がどう変わるかは分からないけれど。でも、きっと何かが変わるわ」
新しく生えた赤い鱗の尾を自分の手に乗せる。リベルトの尻尾のように、可愛いとは思わないけど。
「異形が――地上の民が、船の国の多くの人の命を守った。その事実は、船の国の人達に、間違いなく伝わったはずだよ」
「ば、かな……」
バロックが、わなわなと震え顔を青くする。その男に、隔離壁を解除してこちらにやって来たジャンティが、ガチャリと手錠をかけた。
「僕もさっき見たけど。流石、遊ぶ場所の少ない船の国だよね。あっという間にかなりの閲覧人数に跳ね上がったし、今は注目度ランキング一位に載ってるね」
そして、ジャンティは嬉しそうに笑った。
「で、ついさっきからだけど。バッチリ録画済みの最上層の高級ラウンジの映像も公開したから、君のボスたちの立場も危ないね?あ、高級ラウンジのルーフトップクラスのお偉いさんたち。聞こえてる?絶望したからって取り乱すと墓穴掘るよ?今この瞬間のも放映されちゃうからね――あちこちのネットワークに繋いだから、閉鎖がんばってね?多分みんな録画してるから完全消去は大変かもねぇ」
青を通り越して白くなったバロックを、ジャンティの仲間が拘束して連れて行く。ヘイズさんは、メリノさんがつけられていた枷をつけられ、ぐるぐるに縛られていた。ケイドスさんも、拘束され、項垂れている。
「……クソが」
意識を取り戻したヘイズさんが、ボソリと呟いた。
「お前らは、これから先も永遠に、キカイに――連結者に監視された地上で生きるのか?」
そう言って、ギラリとした目でリベルトを睨んだ。
「船の国なら、どんなシステムでも、人間らしい身体でも、誰にも制限されない。自然だらけの不便な地上で生きることを選ぶ意味がわからない」
そういったヘイズさんに、リベルトは真っ直ぐに視線を向けた。
「好きなところに住めばいい――でも、決めるのは、自分自身だ」
静かな視線をヘイズさんに向けたリベルトは、少し寂しそうに言った。
「ただ、どちらも選べる世の中になって欲しいと、俺は思ってるよ」
「……綺麗事だな。こんな姿の俺たちが、強い利害の一致もなく、本当に船の国の奴らに受け入れられると思ってんのか?」
「そんなのやってみなきゃ分からないだろ。でも……俺はもう、諦めない」
そう言ったリベルトの尻尾が、ゆらゆらと動いて私の尾に絡む。それを見たヘイズさんは、面白くなさそうに顔を歪めた。
「……お前の女は受け入れてくれたってか。化け物カップルの誕生だな」
「俺達は人間だろ」
その言葉に、ヘイズさんはハッとしたように、ほんの少し目を見開いた。
「姿形が違っても、俺たちは同じ人間だ。毒の霧なんかに分断されないし、分かり合う努力だってやめない。――殺し合いもしない。大量殺人なんて、人として間違っている」
リベルトは、ヘイズさんをじっと見つめながら、静かに言った。
「住む場所も、姿形も、考え方だって一つじゃない。一つにまとまることなんて、多分できない。でも、この星で生きていくなら、殺し合うより手を取り合うほうがいいと、俺は思う。――同じ、人間だからな」
ヘイズさんはその言葉にぐっと行き詰まり、項垂れた。エネルギー炉のゴゥンゴゥンという作動音が、沈黙の中大きく響く。
枷が外れたザッカスさんが立ち上がり、ヘイズさんの肩に手を置いた。
「……罪を償ったら、地上にも戻って来いよ、ヘイズ」
「…………うるせぇ」
ヘイズさんは、それっきり言葉を発することも無く、連行されていった。
機械音が響くエネルギー炉の薄暗いフロアに、ヘイズさんを見送るザッカスさんの背中が、やけに寂しげに見えた。
「ザッカスさん……」
「――いや、悪かった。大丈夫だ。解決してよかった、本当に。詰めが甘くてすまなかったな……それに、後味の悪い思いをさせて悪かった。ありがとう、モネ」
こちらに振り返ったザッカスさんが、暗い空気を吹き飛ばすように明るい顔でニヤリと笑う。それから、すっかり竜化した私をまじまじと観察した。
「でもまさかモネがこんなふうにリベルトの鱗を使うとは思わなかったな」
「食べるっていうのはメリノさんに無理やり教えてもらっていたので……でも、ものすごく硬いと思ってたのに、溶けるように消えたからびっくりしましたけど」
「あぁ、まぁ、そうか。モネは何も知らないもんな……ちなみにこの後どうなるかも知ってるのか、モネは」
「この後?」
「あぁ、もう危機は過ぎ去ったし、自重しきれんだろう」
「へ?」
そう言うのと同時に、する、と尻尾に何かが絡む感覚があった。おや、と思って見ると、青い尾が私の新しく生えてきた赤い尾に絡んでいる。
「モネ……」
「リベっむぐぅ!?」
リベルトが私をギュッと抱きしめた。強くリベルトの胸元に顔が埋まり、変な声が出た。その間もさわさわと尾が私の尾を撫でるように絡まっている。
「モネ……モネ、俺の、番」
「ちょ、ちょっと、リベルト!?」
チュッチュッとリベルトが私の頭やおでこやあちこちにキスをし始めた。待って、みんないるんだけど!?とワタワタとするが、リベルトは一向にやめる気配がない。助けを求めるようにザッカスさんを見ると、ザッカスさんは呆れたように――でも、嬉しそうに笑っていた。
「諦めろ、モネ。竜種の雄は番になると、暫くくっついたまま離れない。特にリベルトは血が濃いから、暫く本能のままにモネを欲しがるだろうけど……もう番になったんだから諦めろ」
「っえぇ!?でも、まだ生放送中――」
「何、モネ。見られたくないの?どうして?」
「え?」
見上げると、瞳孔が縦割れになった本能丸出しのリベルトが、半分捨てられた子犬のような――そして、もう半分は怒ったような顔で私を見下ろしていた。
「俺の番だって、知られたくないの?」
「あっ、えっと!違くて、恥ずかしいなって」
「なんで?」
スルスルと尻尾くんが私の胴に周り、ギュッと私を締め付ける。私はドギマギとしながら、再び口を開いた。
「て、照れちゃうでしょう!?」
「……嫌じゃない?」
「嫌な訳ないじゃない!」
「っ、良かった、モネ……!」
嬉しそうなリベルトが私をぎゅうぎゅうに抱きしめた。それから、幸せそうな顔が近づいて、私に口づけを落とす。
「んぐっ……ちょっと、リベルト!」
恥ずかしい。でも、それなのに、どうしても幸せで。なんだか無性にリベルトにくっつきたい。
気づけば自分の赤い尻尾も、リベルトの胴に巻き付いている。外そうと思ってもうまく外せない。それよりも、もっともっとリベルトに近づきたくてしょうがない。
そっか、私も、竜種になったから――
リベルトが嬉しそうに笑いながら、こつんとおでこを私のおでこにくっつけた。それから、熱っぽい視線で私をじっと見つめる。
大好き。そんな気持ちが、体中から溢れ出しそうだった。
夢見心地でリベルトの青い瞳を見上げる。
「あー……生放送だし、これ以上はよいこには見せられないな。お前ら、一足先に地上に帰れ」
「え?」
「ここでおっぱじめるわけにいかねぇだろ」
「……は?」
ザッカスさんは、そんな疑問を呈する私の声には答えず、ごそごそとパラシュートを取り出して私の背中にくっつけた。そして、リベルトの分も確認して、外へと続くハッチを開けた。
「モネ、お前ももう竜種だから、仮にパラシュートが開かなくても簡単には死なないから安心して落ちろ。基本リベルトのパラシュートのほうが大きいからそっち二人で使えな。じゃあ、お幸せにな!」
「えっ!?待っ――――いやぁぁぁぁぁ!?」
リベルトとくっついたまま、ハッチの外に投げ出される。
見えたのは、白い雲と毒の霧。それから、青い空と――同じぐらい青く輝くリベルトの鱗と、青い瞳。
落下の恐怖に叫ぶ私を、リベルトはぎゅっと抱きしめて。
それから、リベルトは少ししてパラシュートを開くと、幸せそうに私を見つめて。あの時と同じように、でも、あの時よりもずっと熱の籠もった口づけをした。
この日。私は竜種になった女として一躍船の国の話題を掻っ攫うことになるのだけど。
それを知ったのは、リベルトからほんの少し離れられるようになった、数カ月後のことだった。
読んでいただいてありがとうございました!
なんとモネにも尻尾が生えちゃいました!
「頑張ったね二人とも(;ω;)!」と拍手喝采してくれた超神読者様も、
「尻尾ちゃん欲しい!!」と思ってくださった尻尾ちゃん派のあなたも、
いいねブクマご評価ご感想なんでもいいので応援していただけると嬉しいです!
次回はついに最終回!明日投稿予定です!
ぜひまた遊びに来てください!