レーヴァテインに選ばれし者 〜お前とあたしで狂信者たちを〇〇の炎で正気に戻そうぜ〜
はぁ……どこかに適性者いないかなー。というか、まずあたしを認識できるやつがいないんだよなー。あー、早く元の世界に戻りたいなー。仕方ない、今日も転移特典でもらったあたしと適性者しか入れない家で寝るかー。
「おい、姉貴。こんなところで何してんだよ」
ん? この声、聞き覚えがあるな。
「あれ? お前もしかして宗介か?」
「ああ、そうだよ。まったく、姉貴の知り合いからバイクに乗ったままどっか行ったって聞いた時はマジで焦ったぞ」
「いやあ、マジですまん! でもな、あたしも最初マジで焦ったんだぜ? 夜昼トンネル抜けたら変なところにいて、バイクもなくなってて、なんか女神が出てきてたしか、レーダーテイン? になって使命を果たしてくださいとか言われてよー」
「それってもしかしてレーヴァテインか?」
「あー! そうそう! それだよ! ところでレーヴァテインってなんだ?」
「神話に出てくる伝説の武器の名前だよ。まあ、それが剣なのか槍なのか炎そのものなのか杖なのかよく分からないんだけどな」
「へえ、そうなのか。ところでお前はなんでここにいるんだ? というか、よくあたしがこの草原にいるって分かったな」
「俺が姉貴の部屋に行ったら女神がいて、色々事情を説明されたんだよ。まあ、そのあと色々あって俺も転移することになったんだが。あー、それと姉貴の居場所は転移特典でもらった姉貴レーダーを使って突き止めた」
「そっかー。すまねえなー、巻き込んじまって。ところであたしたちの使命ってなんだっけ?」
「いや、忘れるなよ。狂信者たちを姉貴の浄化の炎で元に戻すことだろ?」
「あー、なんかそんなこと言ってたような気がするなー。でも、今日でその使命果たせるな!!」
「は? なんでだ?」
「え? あたしを認識できるやつが適性者だから確実にお前が適性者じゃねえか」
「え? いや、俺は姉貴を連れ戻しに来ただけで……」
はぁ……そういえば、こいつは昔からこうだったな。
「宗介! お前は昔からいざという時に自分から動けねえ癖がある! だから、いつまで経っても彼女できねえんだよ!」
「今それ関係ないだろ!」
「そうかよ! なら、さっさと適性者になれ!!」
「は? なんで俺がそんなもんにならなきゃいけないんだよ!」
「いいからとっととなれ! お前だけが頼りなんだ!!」
「え? そうなのか? 俺、そんなに頼りになるのか?」
「なる! この世の誰よりも頼りになる!!」
「そ、そうかなー?」
「そうだ! 間違いない! さぁ! あたしの手を取れ! 宗介!! 二人でこの世界を救おう!!」
「わ、分かった! 俺やるよ! お姉ちゃ……」
「んー? 今、なんか言いかけたよなー? おーい、宗介ー、顔真っ赤だぞー、大丈夫かー?」
「う、うるさい! とっとと世界救うぞ! 姉貴!」
「へいへい。そんじゃあ、レーヴァテインシステム起動! 世界、救うぞー!!」
こうして、あたしと宗介は世界を救った。いやあ、良かった良かった。