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小帝王の雇い人
「…お掃除って、こういうことですか…」
私は、水下 時雨。
少し前に、世界最強と呼ばれる男の暗殺計画を実行し___
見事に失敗した女だ。
負けたら何でもすると言って見事に負けて、お掃除からしてもらうと言われてそういうことをするのかと思ったら全然そんな事はなくて、自分で勝手に恥ずかしい思いをしている。
「うん、埃の溜まってそうなとこだけでいいから。」
「あ、はい。」
そして私は掃除を始める。
リビング、台所、廊下、寝室…掃除をする場所はいくらでもある。
少しは暇つぶしにでもなるか、と思い、邪魔にならない様に寝室から廊下、そこから各部屋に広がるように掃除をしていく。
まずは、寝室から…そう思って扉を開ける。
そして掃除を始めようとしたその時、仕事机の上に、写真立てがあるのを見つけた。
「…これは…誰なんでしょう…?」
そこには、1人の女の子と、それより少し背の高い男の子が写っていた。女の子の方は、銀髪の髪に青の瞳。男の子の方は、青色の髪に青の瞳。…男の子の方は、見覚えがある。だって、その人は…
「…俺だからな。」