第一章 青海の革命
俺は、夜の路地を走っていた。
軽い銃声や足音、得物が空を切る音だけが俺の後ろで鳴り響く。
今、俺は追われている。
相手は50人ほどの集団で、連携の取れた、それこそ軍隊のような者の集まり。
…勿論、追いつかれるのは時間の問題だ。
だから俺は、大通りに面した少し道幅のある場所に向かった。そこまでいけば、逃れられると思ったのだ。が…
そんなはずは無かった。
流石に、考えが甘かった。逃走していたため気づかなかったが、逃げている内に包囲されていたらしい。
「日記の初めがこれは…ねぇ。」
俺は、そいつら相手にそんな事を呟いた。
……………
気配を感じて、俺は上を見た。すると、少し背の低い何かがいて、それは腕を上に上げていた。その瞬間、全方位から奴等が一斉に攻撃を仕掛けてきた。
…だが、今雑魚に用は無い。"こっち"は別に問題無い。問題は、上の"リーダー"なのだ。俺より年下の奴なんだろうが…実力者であることは間違いない。
だから、俺は雑魚を軽く薙ぎ倒し、"リーダー"のいる屋根の上へと移動する。
「…あの人数から逃げ切るとは。」
「全然逃げ切ってないけどな。」
"リーダー"と俺は屋根を蹴り、一気に距離を詰めた。