第七章≧十一部∞人の願い
階段を上る。その先には光が出ていた。
そこにむかって走る。
光が眩しく見えた。
「お疲れ、神の祭壇へようこそ。」
天井はなく、満面の星空、流れる星も幾数流れる。
この場にある目の前の月に向けられた1つのイスにゾフィが座っている。
「ゾフィ!」
「もう、時は来た。遅いよ。」
イスから立ち上がりこちらに一歩一歩近づいてくる。3人は警戒して武器を構える。
「さぁ、遊ぼう。最期の宴だ。」
宙を飛ぶ。キララが先陣切ってゾフィに斬りかかる。
【創成・星月の剣】
黄色い剣は真っ白く変化する。
斬る。
しかし、そこにはいなかった。
【悪魔の怒り】
スターの目の前にいた。それをスターが見逃さず黒い斬撃を放つ。
しかし、そこにもいない。
「まだまだ甘いね。」
ゾフィが指を鳴らす。するとキララとスターの回りをクリスタルが覆う。
【呪縛】
「おとなしくしててね。君たちは殺せないから。」
スターはクリスタルを斬るが傷1つのつかない。
「ワシは殺すのか?」
「どっちみち滅びるんだ。それが早いか遅いかだ。」
レイはゾフィの近くにまで瞬間移動し、斧を振り下ろす。
「遅いよ。」
「はやいだけかの?」
【グラビティ】
ゾフィは地面に落とされる。
「これで逃げられんな。」
「こしゃくな真似を。」
「終わりだ!」
【雷宝】
【呪】
レイは雷をまとった斧をゾフィにかます。見事仕留めるが、
「最初からわかっとったよ、ゾフィ。」
レイを貫通する黒い槍。
「遅すぎたんだよ。もっと早ければ助かったのに。」
「お互い年じゃ、さっさと消えようや。」
レイは倒れる。
クリスタルは消えた。
「レイ様!」
スターが近寄り抱き締める。
「なんだ、死んでしまったか。」
その声に反応して月の方に目をやる。
「リナ!」
実の母を呼び捨てで叫ぶスター。
「なんだ?ハリナ。」
「許さない。」
「破壊神の力か。」
スターの体が黒く、赤い線が浮き出るものに変わっていく。剣はどちらも黒く変わる。
【散】
【閃光破】
飛びかかったスターは地面に叩きのめされる。
「最後だ、私に着いてこい。また新しい世界を創ろう。」
「そんな世界いらない。」
スターが言う。
「私たちの創った世界はやらせない!」
キララが言う。
「下等生物の情が移ったか。しょうがない。」
リナは光と共に消えた。
「全てを終わらせよう。」
【破壊】
地震が起きた。
「スター!」
「どうすれば…」
「外に戻れ、神はそこにいる。」
ゾフィが呟いた。
「本当に?」
「僕だって人間だ。世界の崩壊を阻止したかった。だから、だから差別や落差のある町を破壊し尽くしたつもりだった。だけど、君たちがいた。よく、邪魔してくれたよ。」
回りの壁が崩れ始めていた。
「でも君たちのおかげで気づいたんだ。僕のやっていることは間違っていると。はやくいけ、もう時間は無いぞ。」
2人は走り始めた。涙で前が見えなくなっても。転んでも。冷静になれなくても。
重いドアが崩れていた。その先にはマモリとジンがいるはずだった。
崩れた壁に押し潰されている人、この空間の真ん中に落ちている、弦が切れている弓。
「振り替えるな。」
スターが言う。その空間を通りすぎた。
階段を駆け降りる。そのどこにもラドウェルの姿はいなかった。
一階に着いた。やけに広々した空間が出来ていた。
そこには巨体が真っ二つになっていた。
「おやじ…」
門の前には仮面を被った白いマント、白髪の男がいた。
「腎帝、」
スターが呟く。
「ここから先にはいかせん。」
スターが斬りかかる。しかし、ことごとく防がれた。しかし、そのままキララのいるほうの壁にぶつける。
「キララ!先に行け!」
「でも!」
「レイ様が言ってた。リナを倒せるのはオレじゃなくてキララだって。世界を救え。」
キララは走る。門の外に。
外に出た瞬間、門が崩れる。
「スター、」
呟くが目の前にはリナがいた。
「やるねぇ、シューちゃん。」
立ち上がる白髪の男。その声、その姿、その呼び名にスターは驚いた。