第七章≧九部∞理
何段かけ上ったかわからない螺旋階段。
そして、広い場所に出た。
「ようこそ、フィルデスタへ。」
この空間から先が天空城フィルデスタ。人々が足を踏み入れたことのない場所。
「退くのじゃ、イリガル。」
その空間には男が立っていた。大きな斧をもって。
「レイさん。わかっているんでしょ。オレを倒さなきゃ先には進めない事くらい。3賢人、理帝の名にかけて。」
イリガルが指を鳴らす。するとこの空間のありとあらゆる所に魔方陣が描かれていた。
「もう策のなかですよ。」
【地】
【炎】
この空間を炎が制し、地が行き場を防ぐ。
「さぁ始めよう。」
イリガルは地面を蹴り火の中に突っ込む。
「あいつバカか!」
ラドウェルが言うが、
「違う、すべての理を使いこなせるから、」
火の中から出てきたイリガルの体は炎をまとっていた。
【紅蓮―篠火】
斧をひと振りすると大きな火の玉が一行向けて飛んでくる。
【紅蓮・焔】
キララが先頭に立ち剣に紫の炎を点す。
【焔第九・吸火】
火の玉はキララに当たった瞬間、渦を巻くようにしてキララに入っていった。
「おじちゃん、炎は効かないよ。」
辛そうな顔で威張ってみたキララ。
「確かにダメそうね。」
【水】
一瞬だった。この空間全てが水によって沈没した。
いきなりの出来事に苦しむ。
【水】
スターが同じ魔法を使う。すると一行は苦しくなくなった。
「なにこれ?死んだの?」
マモリが呟くとスターはゲンコツをかました。
「あほ、魔法には魔法だよ。」
【水針】
スターが片手を上げた。
【水壁】
「もらった。」
キララが両手を開く。
【鎌鼬】
水が切れ、そのままイリガルを捕える。
【風】
しかし、それも一瞬だった。
「君たちやるね。」
「さっさと降参したら?」
「なにを下らない。」
イリガルはニヤリと笑った。
【地電】
次の瞬間水の中を電気が伝わる。
ギャァぁぁぁ!
響き渡る悲鳴。
平気なのはレイだけだった。
「オレの勝ちだね。」
「どうかな?」
【雷斬波】
レイが水中を斬り、弓形状の雷が地面と平行に飛んでいく。
「ムダな!仲間思いじゃないね。」
「バカはどっちだ?」
みるみるうちに斬撃波は巨大化していく。
「電気は流れやすい方に動くんじゃよ!」
直撃。辺りの水は消え去り、レイ以外の者は倒れていた。
【天鳥の羽】
レイの上に七色に光る鳥が出て羽を落としていく。
全員起き上がる。
「まったく、根性ないのぉ。」
嫌な笑いを浮かべる。
「先を急ぐぞ。」
奥の門をくぐり、またある階段を上る。