第七章≧一部∞出発の朝
最終章入りました!
最後までよろしくお願い致します。
まだ朝日が顔を出さない時、門の前には3つ影があった。
「随分とはやいのぉ、おぬしら。」
「オレも歳かな。最近早寝早起きだよ。」
甲高い笑い声が沈黙の世界に響く。
「まだまだ若いじゃろ。なにをしみったれた事を抜かしておる。」
背中に大剣を背負った赤髪の大男がその髪をくしゃくしゃにする。
「うるせぇな。」
吐いた言葉は瑠璃の空に消えて行った。
「スター、ぬしも変わらんの。フィークは何か言っておったか?」
「何も言っておりませんでした。」
門の壁に背をつけ腕を組、目にまでかかったら黒髪の中真っ白い顔が見え隠れする少女はそう呟いた。
閉じきっていた目を開き、
「ただ、やり残したことがあると北の地に戻っていきました。」
付け加えたその言葉に違和感を感じたババァと呼ばれたレイ。ただその姿は幼女のようなものだった。
「やり残したこと…、ジェネシスわかるか?」
「わからん。1人で神の使いの懐に乗り込んで無いといいがな。」
「そうじゃな。」
闇の支配は終わり聖なる光が大陸全体に降り注ぐ。
その光に目を覚ます金色の短い髪の少女。そして飛び上がるようにベットから降りる。
「寝過ごした!」
急いで動きやすい服を着て茶色のマントを羽織り、首元あたりでマントの紐を結ぶ。そして黄色い鞘の剣を腰に巻き付ける。
「よし!」
そして駆け出し部屋を出ていった。
城から出て、中央街を直進して門へと向かう。
その途中、金髪の少女と同じ年代の茶髪の少女が目の前で走っていた。
「マモリ!」
「キララ!キララも寝坊か!」
2人は走りながらしゃべり、茶髪のマモリと呼ばれた少女は腹から笑った。
「笑ってる暇があったらちゃんと走ってくださいよ!」
マモリの左肩には蝶のような羽根を付けた人間だが背丈は両手ほどの大きさで、人はフェアリーとよんでいる存在がいる。
「そうだね!」
朝のにぎやかな中央街。人を掻き分けながら門へと着いた。
「あはは!セーフ!」
「遅れた!ごめん!」
キララは息を荒げながら言い、マモリはまだ余裕の表情で笑っていた。
「なにがセーフじゃ、こわっぱが。」
レイがため息混じりに言い、頭を抱える。
「これで全員だな。」
そしてキララの後ろからカツカツと近寄る黒髪を後ろで1つに束ねた長身の男が言う。
「一番最後に来たくせに。」
とジェネシスが呟く。
「なにをいうか、力バカが。」
「あぁ!いまここで始末してやろうか!」
「望む所だ!」
2人は火花を散らし一触即発だった。
「仲間でケンカをするな。騒がしいだけだ。」
2人の間に真っ黒な剣、<ジア・レム>を突きだし睨み付けるスター。
2人はお互いにそっぽを向き合った。
「まったく、毎度毎度心配事が増える奴等じゃよ。」
レイはそう言って何歩か進む。そして後ろを振り向き、
「おい、何をしておる。さっさと行くぞ。」
と言って1人先へ進む。それに従うようにキララとマモリとジンは歩き出す。ジェネシスとラドウェルはいがみ合いながらキララ達の後ろを歩く。一番後ろで鋭い目を光らせながら歩くスター。
こうして最後の戦いが幕を開けるのであった。