第五章∞そして静かになった
大会番外編!
なんかあるのかな…?
朝のにぎやかさはどこへやら消えた真夜中の中央広場。
柵は消え去り何もないだだっ広い広場となった。
月明かりしかないこの場所にレイは立っていた。
「すみません。」
月明かりが照らせない闇からスターが出てくなる。
「わざわざ来ていただいて。」
「強くなったの。」
レイは半分の月を眺めて言った。
「それで、なにようじゃ?この老いぼれをこんな時間にここに呼ぶとは。」
スターは近寄っていく。そしてレイの真横で止まる。
「オレの剣を作っていただいたお礼を再び言いたくてお呼びいたしました。」
「嘘をつくな、こわっぱが。」
ニヤニヤとした表情でスターに顔を向ける。
スターは夜空を見上げ幾千の輝く星を眺めた。
「レイ様は何故、あんな弱い奴と一緒しているのか不思議で、」
レイは再び月を見上げた。
「理由など無い。」
きっぱりと言い張った。
「では、オレと一緒に来てください。」
「いやじゃ。」
流れ星が流れる。
「ぬしは前の戦いで負けたな。」
スターは口を固く結んだ。
「ぬしに無いものを持っているのじゃよ。確かに奴は弱い。しかし、弱いながらなにかを見ている。
ぬしには無いものじゃよ。」
レイは顔を地面に戻し後ろを向いた。
「奴はすぐにぬしより強くなる。
ぬしが気づかない限りな。」
レイはそのままゆっくりと歩いていき闇へと消えていった。
「オレに無いもの…」
スターもまた、闇へと消えていくのだった。
第五章終了!
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