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きらきら星と流れ星  作者: kazuha
第5章
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第五章≦闘技大会≧その1∞キララ一回戦目

「対戦順はこっちで決めたから。呼んだら上がってきてくれよ!


 先ずは…」


 空気が止まる。


「キララ選手とヌーア選手!」


 一気に歓声が上がる。キララは胸の前で左手を強く握り目をつぶって一回深呼吸をする。


「よし、」


 そして策の中の二本ある白いラインの片方に立つ。


「ひひ、お手柔らかに。」


 背が高く悪い顔をしている男が決まり文句を吐く。


「こちらこそ、よろしく。」


 2人を包む不思議な空間。焦る鼓動を抑えながらキララは黄色く輝く剣を抜く。


 ヌーアは単なる棒を地面に突き刺しニタニタ笑いながらキララを見る。


「用意はいいかい?」


「はい!」


「おっけい。」


 キララは大声で叫び、ヌーアはねっちょりとした返事をする。


「よし、始め!」


 ゴン!


 響くゴング。キララを見守る3人は気楽そうに見ていた。


 ヌーアは一歩も動こうとしない。キララは様子をうかがいながらどうしようか悩む。


「早く掛かって来なよ。おちびちゃん。」


 キララはそれが挑発なのはわかっていた。


 しかし相手から動いて来ないようなのでこっちから仕掛けるしかなさそうだ。


 キララは地面を蹴り一気に間合いを詰める。


「ひひひ、」


 それを見てヌーアは棒を引き抜き空高く飛び上がる。


 キララはもう一度地面を蹴り、ヌーアの背後まで飛ぶ。


 キララはそのまま剣を振りヌーアを地面に叩き落とす。


 ドンと大きな音と共に砂煙が巻き上がる。


 キララはゆっくりと地面に落ち、静かに指先から着地する。


「痛いな。まったく。ひひひ。」


 砂煙が段々と晴れ、中から立ち上がる影が見えたと思いキララは剣を構える。


「そうカッカするなって。」


 いつのまにかキララの背後に立っていた。


「可愛がってやるから。」


 ヌーアは棒の先でキララを突き飛ばす。そのまま策まで飛び頭から策にぶつかり策は粉々になった。


辺りからは感嘆の溜め息混じりの声が聞こえた。


「やっぱり、おちびちゃんだったね。」


「キララ!紅蓮だ!」


 その中から遠くでジェネシスの叫ぶ声が聞こえた。


 キララの頭からは血が出ていた。しかし、負けられない。


「私だって、はぁ、大人なんだから、はぁ、」


 キララは立ち上がる。また剣を構える。


「強いね。ひひ、ひひひ。でなきゃいじめがいがないからねぇ。ひひひひ。」


 ヌーアは棒を構えキララに向かい走り出す。


「舐めるな!」


【紅蓮】


 キララの持っている黄色い剣はその身に炎をまとう。


【紅蓮―篠火】


 剣を振り下げる。1つの弓なり状の線と化した炎がヌーア目掛けて走っていく。


「ぬっ!」


 ヌーアは唸る。スピードがつきすぎたためにヌーアは炎目掛けて突っ走る。


 爆発音が鳴り響く。


「聞いてないぞ!炎が飛んで来るなんて聞いてないぞ!」


 ヌーアは爆発で飛び数メートル転がったあとに取り乱したように叫ぶ。


 四つん這いで策に向かって進むヌーア。


「悪かったわね。」


 ヌーアの目の前に影が出来た。ヌーアは空を見上げる。


「貴方に負けるわけにはいかないの。」


 そこにはキララが剣をヌーアに向けて立っていた。


「勝負あり!


 勝者はキララ選手です!


 準決勝に進出です!」


 歓声がが沸き起こる。


 キララはその場に崩れ倒れる。


「大丈夫か?」


 ジェネシスがキララのそばによる。


「大丈夫。」


 キララは嬉しそうにジェネシスに笑っては見せた。


 キララは右足を挫いているようだ。大部腫れている事にジェネシスは気付く。


「キャ!」


 ジェネシスはキララをお姫様だっこする。


「おおっと、あの赤髪の男はキララ選手の彼氏か?!」


 放送器具から流れる。キララは赤面した。


「うるせぇ!違う!」


 ジェネシスは叫ぶ。そのまま策の外に出てレイとイヴがいる場所まで歩いていく。


 キララはこの時間がずっと続けば良いと思った。






「次は、ジャモ選手とグリアード選手!」


 2試合目が始まった。


 ジャモはいたって普通の体格をしており、手には槍を持っていた。


 グリアードは巨体で大きな斧を持っていた。


「ヤバそうじゃな。あの斧を持っておる大男。」


 子供の体格をして中身はうん百歳と思われるレイが呟く。


「間違いなく、魂器でしょうね。」


 その隣の巨乳の扇を扇いでいる女性、イヴが付け足す。


「予想は瞬殺じゃ。」


「ではあたしは十秒。」


 そこにキララを抱いているジェネシスが来た。


「イヴ、頼む。」


「はいよ。」


 ジェネシスはキララを地面に下ろす。


「こりゃ酷いね。これでよく勝ったもんだ。」


 イヴは真っ赤に腫れている足を眺めて言う。


「負けたくなかったから。」


 笑顔で言う。


「おい、ジェネシス!ワシを肩に背負え!」


「わかったよ。」


 ジェネシスは少し離れた所にいるレイの所までダルそうに頭をかきながら向かっていく。


「すまぬな。今のワシじゃ見えぬのじゃ。」


「だったらその化けの皮剥いだらどうだ?」


「やじゃ。」


 ジェネシスはめんどくさそうに肩車をする。


 それを見てイヴはキララの足を触る。


「いっっ!!」


「折れてるよ。まったく。痛いかもしれないが我慢してよ。」


【春風第五・桜風】


 キララ全体を緑の膜が覆う。


「よくまぁ2日連続で骨折出来るもんだな。」


「したくてしてるんじゃないもん!」


 キララは柔らかなほっぺをパンパンまで膨らませた。それを見てイヴは笑う。


「ごめんごめん。」


「許さないもん!」


 イヴはニヤリと笑う。


「ぎゃあああ!」


 足に激痛が走る。


「許して?」


「わかった!わかりました!許すから!」


 激痛が引く。キララがぐったりと倒れる。


「わかればよろし。」


「鬼!悪魔!」


 なんと言おうとキララはもう動けなかった。



 歓声が沸き起こる。


「イヴ、ワシが勝ったみたいじゃ。」


「瞬殺ですか。」


 策の中では意識のないジャモが地面にめり込んでいた。


「やはり強いぞ。ジェネシスくらいじゃな。」


「オレの方がつえぇよ。」


「例えじゃ!バカもん?」


 まだ肩の上にいるレイはジェネシスの頭をポカリと殴った。


 キララはジェネシスくらいの奴と戦わなければならないと考えただけで身震いした。


「まぁ、あとはガンバレとしか言えんの。」


 キララはどこかを見つめていた。


「次いかせてもらうぜ!


 次は…」

闘技大会まだまだ続くよ☆

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