第五章≦流れ星≧四部∞自信に
「おはよう、スター。どこいってたの?」
部屋ではすでに全員が起きていた。
「おはよう。ちょっと散歩をな。」
オレはマモリの近くに座り、マモリからパンを貰った。
「ありがとう。」
「で、今日はどうするんだ?」
「お前次ふざけたらぶったおすぞ。」
さっきの件で大部むしゃくしゃしていた。ラドウェルは首を傾げた。
「今日はオレが大会に登録してくる。お前らは町で必要な物を買ってきてくれ。」
はーいとマモリ。
「そういえばジンは?」
2人いればうるさいのに今日は静かだ。
「まだ寝てるの。ほら。」
マモリの寝ていたベットに苦しそうに横たわっていた。汗もひどい。
「水あるか?飲ませてやれ。」
近づき小指でジンのおでこに触れた。熱い。
【氷塊】
とても小さな氷枕を作った。
「少し寝ずらいかもしれないが我慢しろよ。」
「どうしたんだ?」
「砂漠風邪だ。水をあまり飲まないとこうなる。マモリ、少しずつ飲ましてやってくれ。」
すでに中部に来ていたから大丈夫だと思っていたが間違いだったようだ。
「ラドウェル、もうあまり水がないの。貰って来てくれない?」
「わかった。」
心配だ。水を持ってこれるか?
「果物はあるか?」
「ないわ。」
「オレはそれを買ってくる。ちゃんと見とけよ。」
走った。仲間のために走るのは初めてかもしれない。
商店街を走り回り黄色い果物を買い急いで戻る。
ついでに水を貰って行くか。どうせ忘れているだろうし。
宿屋の人に水筒分水を入れて貰い部屋に急ぐ。
「平気か?」
「落ち着いたみたい。」
走って損したな。そんなに病状はひどくなかったみたいだ。
「なんで気付かなかったんだ!」
オレは自分でも思いがけない事を言った。
「ごめんなさい。」
「すまない。言い過ぎた。」
買ってきた果物と水筒を机の上に置く。
「大会の本部に行ってくる。起きたら果物でも食わせてやれ。」
「うん。」
オレは本部へと向かった。
「受付終了致しました。明日中央広場に来てください。」
シルバーのコインを受け取った。意外と早く終わったな。早く戻ってジンの容体をみたい。
チャリン
綺麗な音がした。その音の方を見てみると金色のショートヘヤーの女が床に這いつくばって何かを一生懸命探している。
オレは足下を見てみた。
今、自分が手にしているシルバーコインとまったく同じものが落ちていた。オレはそれを広い女に寄る。
「さがしものはこれか?」
オレはコインの乗った片手を彼女にむけて伸ばして言う。
彼女は驚いたように振り返る
「そうです!」
オレの手の中からコインを取り嬉しそうに叫ぶ。
「気を付けろよ。」
こんなことに時間をかけている暇がなかった。とにかく宿屋に向かう。
部屋に入る。いまだに帰ってこないラドウェル。溜め息が絶えない。
「おかえりなさいなのだ!」
「まだ寝てろ。」
「やなのだ!」
元気になったみたいだな。
「私が見てるから、明日大会なんでしょ。早く寝たら。」
「ありがとう。そうさせて貰うよ。」
安心できた。なぜだかわからないが。
翌日、中央広場ち着く。
中央広場には柵が丸を描き回りは観客で埋まっていた。
「受け付けました。中で待機しててください。」
オレは入り口に一番遠い場所で柵に寄りかかって待っていた。
朝のばかどもはもちろん、昨日の金髪少女もいる。
なんか気になっていた。
「観客の皆様、選手の皆様、始まりました大会。」
「さっさとはじめろ!」
あちらこちらからヤジが飛ぶ。うるさい奴らだ。
「わかったわかった。じゃぁ早速、ルール説明をさせて貰う。
ひとつ目は正々堂々に。
ふたつ目は相手をなるべく殺さない。」
当たり前だな。
「以上。
次に一回戦の説明に移らせて貰う。
一回戦目は8人が残るまでのバトルロワイヤルを行って貰う。」
面白くなりそうだ。この100人からたった8人だけとは。
「以上、ゴングが鳴ったら始めてくれ。」
オレは剣を抜く。かかって来いよ。
ゴン!
「ジン、グレープフルーツどうだった?」
「甘くて美味しかったのです☆今日1日見ていただいてありがとうなのです。」
「最近気になってるんだけど、なんで敬語になったの?」
「こっちの方が可愛いかなぁと思ったのですよ。僕一応マスコット的存在らしいですから。」
「(誰がそんなこと言ったんだろう…)」
「次もきらきら星と流れ星を見てくれなのです!」byジン
「やっぱりおかしくなったのかな?」byマモリ
「なにがですか?」
「いや別に、」