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きらきら星と流れ星  作者: kazuha
第5章《キラキラ星》
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第五章≦きらきら星≧四部∞闘技大会

 登るのは時間が掛かったが下るのは早かった。


「久しぶりじゃの、地上は。」


 ほのぼのとするレイ様。私はそんな気分にはなれなかった。


「ゆっくりと茶でも飲むかの…」


「空気が濃厚。」


 イヴは両手を広げて目をつぶりながら一歩一歩歩く。


「転けるぞ。」


 ゴテ。


 私並みにドジなんだよな、イヴ。


「いったぁ。」


「バカだな。」


「うるさいわね。筋肉バカ。」


「うるさいのはどっちだ。」


「2人ともうるさいぞ。茶でも飲もうではないか。」


 もう、この人たちを誰か止めて!


「お、おめぇらは!」


「あ、あの時の変体。」


「誰が変体だ!大会に勧誘しただけだろ!」


 あの時のよくわからない人だ。


「どうしたんだい?後ろの奴ら。」


「気にしないで。」


 見なくてもお茶をすする音は聞こえる。


「わかったよ。それにしても…」


 その男は私の体をあちらこちら眺め始めた。やはり変体で間違っていなかっただろう。


「あんた、剣変えたな。しかも筋力や魔力まで上がってるし。さすが死霊山を下りてきた事はあるわ。」


 なんなんだこいつ。そんなことまでわかるのか。


「驚くなよ。これでも大会の運営をしてんのがオレなんだから。」


 なっとく出来るか!


「大会の運営者か。ならこやつを大会に出さして欲しいのじゃが。」


 いつの間にか私の後ろのにレイ様がいた。


「ちょうどいい。もう少しで受付をやめようと思ってた所だ。いいぜ!大会参加を許可するよ。ちょっと本部まで来て。」


 足早に町に走っていく男。


「何をボケッとしておる。さっさと着いていかんか!」


「はい!」


 私は急いで着いていく。疲れてるのに。鬼だ。




「はい、終わり。明日予選行うから中央広場に来てよ。」


「わかりました。」


 といって予選メダルと言って渡されたコインを握る。無くすなとしつこく言われたコインを大事に。


 遠くに座っている3人の所に歩いていく。


 チャリン。


 コインを落としてしまった。私は後ろを向いて地面をはえずりながらコインを探す。


「ない…」


 諦めかけたその時、


「さがしものはこれか?」


 女性の声が聞こえて振り返る。


 黒いマントを深く被っている女性のひらかれた手のなかには銀に光るコインがあった。


「そうです!」


 と焦り気味に受けとる。


「気を付けろよ。」


 と言ってトントンと音をならしながら外に出ていった。


 格好良かったな。女性なのに…


「いけない。何を考えているんだ。」


 自分に言い聞かせ私は走って3人の所に行く。


「終わったよ。」


「お疲れ。早く宿で寝ようぜ。」


「あたしとレイ様は買い出しに行ってくるけどなにかいる?」


「じゃぁビール。」


「そんな高級品買えるか!」


「体で…」


「この小説に年齢制限をつけたいのかバカ。バカなのはこの口なのか?」


 あの二人はなかが悪いのか?


「キララはなにかいるのか?」


 レイ様が聞いて下さった。しかし、


「すみません。いま欲しいものはありません。」


「そうか。ぬしはゆっくりと休んでおれよ。明日のためにもな。」


「はい。」


 私は笑顔で返事を返す。そして二人は外に出ていった。


 ジェネシスは二階に上がっていった。それを追って私も二階に上がる。


「ジェネシス。」


「なんだ、」


 不機嫌そうにこっちに顔を向ける。


「あのさ、私が優勝したらさ…」


 顔が赤くなっていくのがわかる。どうしよう…


「なんだよ。」


「私が優勝したら、」


「したら、」


「き、き…」


「き?」


「黄色のブレスレットが欲しい!」


 言ってしまった。特に欲しくもないものを…


「優勝したらな。無駄だとは思うけど。」


 ジェネシスは部屋に入っていった。私は深いため息をついてジェネシスの入った隣の部屋にはいった。


 ベットに倒れ込み天井を見つめた。


「ジェネシス…」


 自分の唇を触りながら呟いた。



 いつの間にか寝ていた。気づいたのは朝だった。


「起きたか。これでも食え。」


 同じ部屋のレイ様がパンを投げたのを私はとり一口食べる。


「今日は頑張るのじゃよ。応援しとるからな。」


 いつもに増して体が軽かった。昨日まであった傷みはまったく無くなっていた。


 私はパンをゆっくりと食べながら首をたてにふる。


「食ったら早く行け。もう時間になるぞ。」


「え!」


 私はパンを水で流し込み、剣を腰に差しマントをつけて中央広場に向かって走る。


「転ぶなよ!」


 私は駆け足で階段を降りた。体が軽いせいか今日は転ばなかった。



 中央広場に柵が丸を描いていた。


「受付終了です。あちらでお待ち下さい。」


 受付の人の指す柵に向かい座る。


 観客が柵の回りを取り囲み喋り声は騒音のようだった。


 そうして柵の内側にいる回りの人はいかにも強そうな人だらけだ。私は勝てるのかな。


 私は少し見回した。すると昨日コインを見つけてくれた人がはじっこにマントを深く被ってポツンと立っていた。


 私は昨日のお礼でもしに行こうとした。


「観客の皆様、選手の皆様、いよいよ始まりました大会。」


「さっさとはじめろ!」


 あちらこちらからヤジが飛ぶ。


「わかったわかった。じゃぁ早速、ルール説明をさせて貰う。


 ひとつ目は正々堂々に。


 ふたつ目は相手をなるべく殺さない。」


 なるべくってなんだよ。

「以上。


 次に一回戦の説明に移らせて貰う。


 一回戦目は8人が残るまでのバトルロワイヤルを行って貰う。」


 私は驚きを隠せなかった。だって、何人この場所にいるのよ。


「以上、ゴングが鳴ったら始めてくれ。」


 私は剣を抜く。やるしかない。


 ゴン!


 辺りの騒音は嘘のように無くなっていた。

「二部連続!まぁ主人公なんだから当たり前よね〜。どこかのおばさんとは違うわ。」


「なにか言った。貧乳娘。」


「言ったわよ、乳デカおばさん。」


「生意気な!」


「若作りやめたら!」


「次回も、楽しみにしとくんじゃよ。」byレイ


「とられた…」byキララ


「自業自得ね。」byイヴ

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