第五章≦きらきら星≧二部∞一人で
グロテスクな表現がありますので注意してください。
「ジェネシス!一緒に来て!」
朝もいい時間に私は大声で叫ぶ。
「………」
「起きろ!」
「………」
「返事がない。ただの屍のようだ。」
「勝手に人を殺すな!」
起き上がって叫ぶジェネシス。私の策にはまったな。
「ジェネシス行こうよ!」
「やだ、ダルい。」
また布団にくるまってベットに沈む。
「また寝てんじゃねぇ!」
飛び蹴りを喰らわせてやる。
「いてぇな!少しくらい寝かせろ!」
なによ。来てくれたっていいじゃない。
「ならいいわよ。1人で行ってくるから。」
「気を付けろよ。」
布団のなかから手が出てきてゆったりと左右に揺れる。
気を付けろって言うならついてきてよ。
そんなことを言ってもしょうがなかった。
イヴは三日三晩の錬成で魔力を使いすぎ高熱が出たみたいだ。レイ様はそれを看病していて手が離せない。
私1人だけでドラゴンか…
ドラゴンと戦っている自分を思い浮かべる。火に焼かれて、パクリと食べられ…
考えただけでも身震いしてしまう。
でも今日は頑張ってみよう。ドラゴンじゃない弱いのを探して戦えば良いんじゃないか。そうだよ。何も無理にドラゴンと戦わなくても良いんだから。
そう考えたらやる気が沸いてきた。
「よし、行くぞ!」
私はドアを開けて朝の外に飛び出る。
澄んだ空気、少し肌寒いくらいのそよ風。
なにより目の前にドラゴン。
思わず部屋に戻る。
なんで真ん前にいるのよ。食料出てくるまで待ってますな感じじゃない。無理無理無理。
「そんなこと言っとらんでさっさと行け。」
後ろから物凄い威圧感。私は体を動かすことが出来なくなった。
そして背中を蹴られドアを破壊し外に出た。
「ゴォー。」
地響きのような唸り声。
もう腹をくくるしかないか。
剣を抜く。その黄色い剣身が太陽に反射し、金色の如く輝いている。
「さぁこい!」
ドラゴンは走りこっちに走ってきた。
私は空に高く飛び頭を下に向け、ドラゴンの背中に剣を差す。すると走ってきた勢いと剣の切れ味で背中の鎧を両断した。
私は着地し恐怖と剣の凄さで少し硬直する。
怒ったように怒鳴りちらすドラゴンに気づき後ろを振り向く。
唸りながら口から火をチラチラと見せる。ヤバくないか?私!
ドラゴンは炎の玉を吐き出す。
慌てて避ける。それが何発か続いた。取り乱したため無駄に体力を使ってしまった。
「さっさと終わらそう…」
私は剣をゆっくり真上にあげる。剣を確りと握る。
【紅蓮】
今度は私からドラゴンに向かっていく。
ドラゴンはやはり炎の玉を吐き出す。
私はそれらを斬り下す。
ドラゴンの顔の少し手で前飛ぶ。
【紅蓮―篠火】
剣を降り下ろす。それは頭に当たる。
貫通はしなかったが、ヒビが入り頭の鎧は半分剥がれ落ちた。
瞬間的に目をつむっていたドラゴンの目が私をとられた。そして大きな口を開き大きく息を吸う。
やば!
地面を蹴り後ろに下がる。
間に合わない、
ドラゴンは炎の玉を吐き出す。
【紅蓮・焔】
見よう見まねだ。これで守りきれなきゃ殺られる。
剣を前に出し火力をあげる。いきなり止まろうとして地面を削りながら炎の玉に備えて足を踏ん張らせ剣を前に突き出す。
私は吹き飛ぶ。10メートルほど宙を飛んだあと、10メートルほど地面を転がった。
しかし、そこまでダメージはなかった。私はゆっくりと立ち上がり紫色の炎をまとっている剣を構える。
「ゴメンね。あなたに恨みはないけど、ご飯になって。」
【焔第一・斬牙連火炎撃】
地面を蹴る。
角、翼、尻尾、足、頭、腹部、
何撃入れただろうか。全てが刹那であった。
ドラゴンは倒れていった。目を開いたまま切り取られた首はゴロッと転がった。
「ゴメンね。美味しくいただくから。」
私は剣を収めて両手を合わせ、黙祷を捧げる。
冷たい風が流れるのだった。
「ワシは魚が良い。」
「肉にきまってんだろ。」
「いや、魚じゃ。」
「肉だ!」
「ぬし、死んでみるか。」
「やってやろうじゃんか!」
「2人とも、ケンカをしない!皆さんみて下さいね。」byイヴ
「魚じゃ!」
「肉だ!」
「うるさい!」