第五章≦きらきら星≧一部∞黄色い剣
第五章突入!
きらきら星編。
少し書き方を変えてみました。
空は近く、雲1つ無い夜空。星をこんなに近くに見たのは始めてだ。
「出来た。」
そんな空を見れない3日3晩が続いた。今日は多分見れるだろう。
「ホントに?!」
私は立ち上がり汗だくのジェネシスに近付く。いつものような厚い鎧は外し、Tシャツ一枚となっていた。
「あぁ、ほら。」
ジェネシスが持ち上げた黄色い剣身の剣は私が使っていた剣とはまったく違い、美しい色合いに全身が輝きを放つ。
「綺麗…」
つい出てしまった言葉。私はそれを見つめて、部屋の空気が熱いからか顔が暖かい。
「綺麗と思うのはおぬしの心じゃからじゃよ。」
そこにレイ様が3人分の水を持ってきて下さった。
「ほれ、疲れたじゃろ。飲め。」
「わーい!水!」
イヴがレイ様に向かって走って寄っていく。そして水が入った水筒を取るや否や浴びるように飲んでいた。
「お疲れ様。たまにはワシの身になれたじゃろ。」
笑いながら私たちに言葉をかける。
「もう懲り懲りだぜ。バァさん。」
私はジェネシスの足をおもいっきし踏む。ジェネシスは跳び跳ねる。
「いてぇな!」
「ジェネシスはなんでレイ様にそんな汚い言葉を使ってるのよ!」
「いいだろ。深い意味なんてねぇよ。」
「普通は雲の上のお方なんだから。」
そう言うとレイ様は大声で笑い始めた。
「なんで笑うんですか!」
「いや、なんでもないわ。可笑しくてな。」
尚も笑い続けるレイ様。私は目を丸くして見る。
「あまり深く考えるな。」
ジェネシスが私の頭を鷲掴みそう呟く。
私は溜め息をつく。
「水を飲もうぜ。喉カラカラだぜ。」
私は頷きレイ様の本に向かう。
「それにしても、ワシが見た中でも綺麗な方じゃな。」
ジェネシスは水と引き換えにその剣をレイ様に渡す。
「綺麗じゃな。ジェネシスの幼い頃を思い出すわ。」
その剣を見つめるレイ様の目は感動的な物を見た幼い子供の目の輝きな気がした。
「変な過去引っ張ってくんじゃねぇよ。」
「嫌か?連戦連敗のジェネシスくん?」
ジェネシスが連戦連敗!?私は驚いて飲んでいた水を吹き出してしまった。
「キララも可笑しいそうじゃ。」
「違います!」
私は咄嗟に両手を前に出し、首と同じように横に振る。
「ワシに泣いて強くしてくれとせがいておったな。」
私は新鮮な目でジェネシスを見る。苦そうに水を飲むジェネシス。
「まったく、今ではこんなにたくましくなりよってからに。」
ジェネシスは机の上に水筒を強めに置き、
「疲れたから、寝るわ。」
と言って出ていってしまった。
「まだああいう所は可愛いのぉ。」
レイ様は意地悪く笑う。私は閉められたドアを眺めた。
泣きついてたジェネシスの姿が想像出来ない。昔は弱かった事も。
「誰でも最初は弱いのよ。」
相変わらず心を読んでくるイヴの言葉に耳を傾けた。
「私信じられないよ。」
ボソッと言った。目はドアを閉めていったジェネシスを眺めていた。
「なら、試すか?剣の試し切りもかねての。どうじゃ?」
いきなりの提案に驚いてしまった。
「ここら辺はドラゴンとかしかいないんですよね!」
そんなことしたら死んでしまう。
「良いじゃないか。無理なぞ言っている内は絶対に無理じゃがの。」
それでも無理なものは無理だよ。
「良く考えとくんじゃな。何のために強くなりたいと思ったのかを。」
そう言って出ていってしまった。私は地面を見つめる。
「何のために強くなりたいか…」
私はジェネシスと一緒に戦いたいだけ。少しでもジェネシスに楽にしてあげて、私たちの目標を早く達成したいだけ。
「そんなに悩まないの。」
私の肩を軽く叩きそう言う。
「自分の気持ちに早く気づきなよ。じゃないとあたしがもっていくんだから。」
意味不明な言葉だ。私の気持ちなんだからわかっている。わかっている。
「あたしも疲れたから寝るよ。」
あくびを1つついて出ていった。
私は机の上の剣を眺める。
今日はワシか?しゃぁ無いの。
次もちゃんと見てね。byレイ
気持ち悪…
うるさいわ!