第四章≦流れ星≧十部∞悪魔の歌、天使の歌
空気が一瞬で静かになり、剣と槍が重なった轟音が鳴り響く。
「なかなかやるな。」
「お前こそ。」
奴はオレを弾きオレは空中に飛び上がる。両手をつき地面を押し上げもう一度宙を飛び足で地面を捕らえた。
もう体力の限界が来ていた。息は上がりもう押さえつけられない。
「どうした、まだ始まったばかりだろ!」
まだ完全に治っていないみたいだ。
「当たり前だ。まだまだだ。」
剣を構える。早めに片付けなければ。
【雷波斬】
黄色い波線がこっちに向かってくる。オレは上に飛び上がる。
【闇】
後から地面に叩きつけられた。
「いつまで戦っているんだ。さっさと片付けろ。」
「少しぐらい遊ばせろ。」
地面にめり込む自分の体。骨が何本か逝ったな。畜生、立てねぇ。
「だったらさっさと片付けろ、バーモンド。」
「うるさい。成り上がりがぐちぐち言うな。」
顔を無理矢理上に向ける。宙を浮かんでいる仮面のやろう。真っ白な仮面に真っ白な短髪。
「邪魔だ。さっさとどこか行きやがれ。腎帝。」
「ふ、あまりそいつを甘くみるなよ。」
マントを巻き上げ空に消えていった。
「悪く思うな。平和のためだ。」
槍が真上にきたのがわかった。動け!
【真空】
マモリ!なんできた!
「誰だ!」
「誰だっていいじゃん。友達は殺らさせないよ。」
マモリ…そうだよな。
「次は私が相手よ。」
「雑魚がうろちょろと。」 もう少し力を。
【ハチノヤ】
マモリがオレのために。
【月光爛漫】
力がみなぎるだけでなにも変わらない。
【きらきらひかる よぞらのほしよ…】
なぜか知っているこの歌を口ずさむ。
【みんなのうたが とどくといいな】
体が温かな光に包まれる。
【きらきらひかる よぞらのほしよ】
立ち上がる。光を放ちながらゆっくりと近づく。
バーモンドはマモリの首を掴み上げマモリは足をばたつかせ苦しそうに掴まれている手をはがそうとしていた。
「お前の相手はオレだろ。」
〈ジア・レム〉をバーモンドに向けて言う。
「雑魚がこぞって、とりあえずこいつから。」
【悪魔の囁き】
刹那、奴の左腕を切り落とした。黒い斬撃。マモリを抱き、おろす。まだ少し嗚咽をしているが、平気だろう。
「よくも!」
【天使の涙】
優しい光でマモリの傷を治す。
「大丈夫か?」
「当たり前よ。そんなことよりとにかくこれを終わらせよう。」
「あぁ!」
【悪魔の怒り】
二回、黒い線を描きながら馬の首を切り落とし、次に右前足。
「いい加減死ね。」
【悪魔の笑い】
黒い斬撃が天を求めて上がる。馬の胴体は真っ二つ。バーモンドは命からがら避けた。
「調子に乗るな!」
【雷波斬】
黄色い波線がこっちに向かってくる。
【天使の祈り】
黄色い波線は目の前で何かに当たり消えていった。
【悪魔の囁き】
〈ジア・レム〉を振り上げる。黒い斬撃はバーモンド目掛けて走る。
【一紋字】
それを槍で防ぐ。オレは地面を蹴り、
【悪魔の笑い】
突き出た槍を斬りそのままバーモンドも真っ二つにする。
「さようなら。」
そのまま黒い炎に飲まれていった。
オレはマモリの近くによる。
「大丈夫か?」
こいつ、人が死ぬのを見るのは初めてだろう。
「大丈夫。それより、後の2人も助けなきゃ。」
「そうだな。走れるか。」
「もちろんさ。」
辛いだろうに、こんなところまで笑顔を見せれるなんて、強いな。
「行くぞ。」
城門に走る。残りの仲間を助けるために。
なんか大変な事になってきた!