第四章≦流れ星≧三部∞旅立ちは
辺りが氷りの粒子によってまったく見えなかった。オレは身動きせず晴れるのを待った。
「負けちまったなぁ!」
ゲラゲラと下品に笑う親父の影が目の前に見えた。
「手加減しただろ。」
後ろの2人に聞こえないように言う。
「なんのことだぁ?オレは本気でやったぞぉ。」
「嘘つけ。」
呟き目をつむる。
「スター!フィーク様!平気ですか?」
まったく、いつでも騒がしい奴だ。
「大丈夫だ。」
やっと氷りが溶けて視界が開けた。
やはり親父は無傷だ。
「ガハハハ!お前こそ平気か?マモリィ。」
オレにしか攻撃してきてないだろうが。
「大丈夫です!」
「もちろん僕も大丈夫なのだ!」
お前は聞いてない。
にぎやかだ。あの秘密基地にいたときみたいに。神の使いめ。
「さっさと出発するぞ。」
考えるだけで怒りで体がイカれそうだ。オレはそんな自分から逃げるように小屋に戻る。
「待ってよ!」
「待ってください!」
いつものように掛けてくる2人。もう守らなくていいな。少し気が楽になる。
自分の心の動きが激しすぎるのに気づき鼻で笑う。
「なに笑ってんの?」
マモリが肩に飛び乗ってきてオレはバランスを崩し2人して倒れた。
「いたたた、急に来るな!」
「えへへ、ごめん。」
まったく、世話が焼ける奴だ。
「新しい遊び?僕も入れて!」
「遊びじゃない!」
大声で怒鳴る。するとその小さな体を震えさせて、
「うわぁーん!スターのバカ!」
バカ?
「泣いちゃったじゃん。スターちゃん、謝りなさい!」
「なぜ謝らなければならない!」
「ほら!」
オレはなぜかちっこいのに頭を下げてごめんと謝った。無理矢理だが。
「今日は許す。」
「お前、何様だ!」
【氷投】
魔法で無数の氷りの玉をちっこいのに当てようと頑張る。危なしげに避ける。
「ごめんなさい!」
許さない。オレは大きくなった氷りの塊を頭の上で持ち、それを投げつける。
【雷射】
真横からその氷りを射り砕く。
「喧嘩はよくない!」
オレは舌打ちをして小屋へ足早に歩く。
準備を終え、3人を外で待つ。いつもの事だが遅い。
「ごめん!遅くなっちゃった。」
「ごめん!」
一緒に来やがった。へらへらしてやがる。なんかジンがマモリに似てきたような。
「よし、行こう!」
「おー!」
ついてけねぇ。
「親父は?」
オレは辺りを見回す。しかし、あの巨体が見えないのはおかしいだろ。
「ホントだ。」
「小屋にいましたよ。」
小屋をみるが気配がない。
「オレはここだぁ!」
真後ろから声が。驚き後ろに振り向く。
「いつのまに…」
「オレが見えないとはぁ腐ったか。」
いつものようにゲラゲラと下品に笑う。なんでだ。
「じゃ、気を付けろよぉ。」
「一緒に行くんじゃないんですか?」
オレを突飛ばしマモリが聞く。
「当たり前だぁ!まだ仕事があるんじゃ。」
「そうですか。」
悲しそうに呟く。予想はしていたが…。
「お前ら、行くぞ!」
はい、と元気よく返事をする2人。親父にさようならと告げて走って行くマモリ。それについていくジン。
「神の使いか?」
親父の近くにより小さく言う。
「ハハハ、当たり前だぁ。あいつらをほっておいたら危ないからなぁ。」
笑顔で叫んでいた。
「死ぬなよ。」
「お前こそ。オレに孫の顔見せろよ。」
「気が早い。」
「スター!早く!」
遠くで両手を振るマモリ。
「そろそろいくわ。」
「あぁ、」
オレはゆっくり2人のもとに歩いていった。
ここからが本当の旅になる。
ガハハハハ!そこのお前〜、まだまだ読めよぉ!byフィーク