第四章≦きらきら星≧十一部∞魂の剣はジェネシスの焔と
とある蔵に入った。中はもわっとした熱気に炭臭い臭いが充満していた。
「さて、始めるぞ。」
ジェネシスは私に向けた言葉を呟く。
「さっさと始めなさい。火の調節はあたしがやるから。」
熱の原因になっている大きな炉の後ろにイヴは行った。
「ジェネシス、わかっておるな?」
「わかってるよ。」
ジェネシスが嫌そうに頭をかきながら私の所に来た。
「目を瞑れ。」
私は言われるがままにする。
「想い浮かべろ。自分という存在。最も大切なもの。護りたいもの。」
自分…大切なもの…護りたいもの……私はすべてが一緒である気がした。
「想い浮かべたか?」
私は静かに頷く。
「何があっても目を開けるなよ。」 もう一度頷く。
【キララよ、お主は魂の宝石によりて輝かしき光を今ここに示し尊い永久の力として表したまへ】
温かくて気持ちが浮かぶ感覚。気持ちが良いとまで思う。
「最後だ。」
感覚が鋭いものになり何かが胸から出てくる感覚だ。
【汝の力を今表したまへ】
急激な魔力消費を感じる。正直苦しい。唸り声もあげられず必死に耐える。
【離魂】
終えたようだ。感覚はなくなった。しかし、もう立ってられなかった。私は崩れた。もう体が動かない。
「時間をかけすぎじゃ!そやつもう危ないぞ!」
レイ様が叫んでいる。どうしたのだ?
「ごめんな、けどこれしか方法がないんだ。」
私はジェネシスに抱き抱えられた。こんなの初めてだよ。
「許せよ。」
顔が私に近づいてきた。いや、気づいたらすでに私の唇にジェネシスの唇が重なっていた。覚醒。
私は手足をバタつかせる。その勢いかジェネシスの腕から逃れられたが、地面におもいっきし腰を打ち付けた。
「なにしてんのよ!」
熱い。顔が赤くなっているのが自分でさえもわかる。
「魔力を渡してたんだよ。」
ジェネシスは照れ臭そうに顔を背ける。
「意外と大胆ね、ジェネシス。」
遠いのだがよくイヴのちゃかしは聞こえる。
「うるさい!始めるぞ!」
ジェネシスは炉に向かって行った。
「おぬしも罪深いおなごじゃの。」
レイ様もいたずらに言う。もぅほっといてくれ。
「まだまだ若いのぅ。」
レイ様の笑い声が頭の中で響く。
ゆっくりと座りいまだにうるさい鼓動に耳を傾けながらジェネシスの事を思い出す。
とすぐにあの状態を思い出した。その記憶を消すかのように大きく頭を横に振る。ジェネシスのバカ。こんな気持ち初めてだよ。
ジェネシスは大きな金属を叩く音を炉の方で放っている。
私はそこらへんを眺めていた。焔の炎が心を燃やすように、今ジェネシスは炎と戦いながら私の為の剣を造っている。
知らず知らず右胸を押さえていた。
この展開は!
第四章きらきら星編終了!あちらは平気かな?