第四章≦きらきら星≧十部∞レイ
なんでこんなことになってしまったのか。この灰色に染まりきった世界で私は剣を抜き、そこには槍を腰と腕で押さえ伸脚運動を行っている青でツインポニーテールの髪型、身長は私の胸当たり、年齢は100を越えているらしい少女がいる。なぜ戦わなければならないのか。
「準備は良いか?キララ。」
「はい。いつでも!」
私は剣を構え腰を低く落とす。レイ様も槍を構える。
「よおい、どん。」
やる気の無いジェネシスの合図で始まった。
私は地面を蹴る。
【紅蓮】
物凄い勢いで間合いを詰める。
【螺旋】
刹那、弾き飛ばされた。なにをされた?体には無数の切り傷が残った。
「どうしたのじゃ?もう降参か?」
降参。しないわよ。私は立ち上がりまた剣を構える。
「まだまだ!」
再び地面を蹴る。レイ様の動きはまったく見えない。弾き返されるのは当たり前。ならば裏をかけばいい。
「同じ事を易々と、」
【螺旋】
弾き飛ばされる。運良くあの業の攻撃範囲が地面に書かれている。
【紅蓮】
消えた炎をまた点す。
【閻魔勺】
宙に剣で円を描き、速攻魔法で黒い炎をそこから出しレイ様に向かって行く。
「面白いの。じゃが、」
【瀧水】
レイ様は左手の掌で円を描き白く光る水を放つ。
両方は互いに消し会い相殺する。
そうなるのは予想済み。辺りは水蒸気によって視界が見えなくなった。 私はすでにレイ様の背後に立ち魔方陣を描いた。
【月光の雨】
下から沸き上がる真っ白な光。私は勝利を確信した。
「ちとおしいのぉ。」
声!どこから!
「発動にためらい、さらに速攻性がない魔法でくるとは、」
【円舞】
光の中から槍が出てきた。しかし、気づいた時には私の顔の横にいた。
「キララ、おぬしの負けじゃ。ジェネシス、約束じゃからの。」
光は消え、まったく動いていないままそこに立っているレイ様。
私は剣を落としそのまま足の力が抜ける。また負けた。
「なにを泣いておる。悔しいと思うなら強くなってみせよ!」
今の私にお似合いの言葉だ。返す言葉さえない。
「ほれ、立て。今から行くぞ。」 目の前にレイ様の手。
「立てと言っておるではないか、泣き虫が。」
と私の手をとり無理矢理立たされる。
「剣を造らにゃぁのぉ。」
ジェネシスは残念そうに肩を落としているのが見えた。
「強くなれ、おぬしはあの焔のジェネシスの教え子なんじゃから強くなる。だからワシじゃて手を抜かずにお前と手合わせしたのだからのぉ。はじめから強い奴などおらん。」
なぜなんだろうか。気持ちが熱くなって、熱くなって。
「泣くな、!」
困らせてしまったか。でも耐えられないのだ。今の自分に。
おぬしも、ワシと殺るか?ははは、冗談じゃよ。次も読むんじゃよ。byレイ