第四章≦きらきら星≧五部∞森
町から出た。少し肌寒さを感じる。森と言うものに来るのは初めてだ。綺麗だな。緑色の中に小さく赤や黄色、青や紫、色とりどりの花と言うやつがたくさん咲いている。
「綺麗だな。」
私が普通に呟く。
「まぁな。」
するとジェネシスがアクビをしながら答える。
「お嬢にサボテン以外に見せたこと無かったからな。」
首を左右に傾かせて行く方向を向いたまま喋っている。
「いまのうちに目に納めておきなさいよ。」
イヴは意地悪く言う。
「なによそれ、私が死ぬとでも思ってるの!」
また、メンチをきる。
「2人ともうるさいぞ。」
一緒にそっぽを向く。
そのうち花が無くなり、木の葉っぱも枯れきった場所に来た。
「ちゃんと納めた?」
「まぁ、」
動揺が隠せなかった。辺りをキョロキョロしながら緑色を探したがもう、真後ろにも無かった。
「来ちゃったよ。」
ジェネシスが急に止まるので私はジェネシスにぶつかりしりもちをついた。
「本当ね。」
なにがどうしたのか、痛いお尻をさすりながら2人の視線を見る。
2人は武器を取り出す。私も取り出して構える。
ガルルルゥ、
ウルフ、にしては体がガリガリな気がする。
「ここのウルフはご飯が無いから常に気が立っていて凶暴。それでいて足速いし、力強いし、いっぱいいるし。」
何匹いるのだろう。真っ赤な目が無数に現れた。
「半分は無視しろ、こんなのかまってたら命がいくつあってもたらねぇぞ。」
【紅蓮】
ジェネシスは先手を取りウルフの中に突っ込んで行った。
【紅蓮】
私もそれに続く。
【鎌鼬】
私の両端を地面を削りながら進む風が走る。それで大半が真っ二つになる。
私は剣を振りながら地面に魔方陣を描く。
紅蓮は走りながら片っ端から蹴散らしていく。
出来た!
【閻魔勺】
黒い炎が柱となりジェネシスに向かって走る。
【草風】
ジェネシスが宙を飛ぶ。
「まったく後先考えなさいよ。」
「イヴなら助けてくれると思ったから。」
「まったく。」
目の前にウルフがいなくなった。私達は走り出した。走る事が楽しかった。
私達は急に止まる。丁度ジェネシスも落ちてきた。
「あれはヤバイわね。」
「だよね。」
ウルフがいなくなった。全部やっつけた訳じゃなくて、逃げた。こいつから…
「ドラゴン。」
私達は唖然とした表情でそれを見る。ジェネシスは立ち上がり私達より一歩前に出る。
「お前ら、隠れとけ。」
「気をつけてよ。」
イヴが心配そうに言う。
「さっさと行け。」
「死なないでよ。」
私はイヴに連れられてジェネシスからだいぶ離れた所に隠れる。
「さぁ来いよ。」
赤い鱗、人を丸のみ出来そうな口、城の大きな部屋が埋まるであろうその巨体がジェネシス目掛けて飛んできた。
【一閃・桜花月下】
さぁ、あの生意気娘もいないし、今日はあたしが♪次回もあたしのために見てね♪byイヴ