第四章≦きらきら星≧一部∞歌
第四章突入!ちょっと大人になったキララ。この先どうなるかな。
懐かしい空の色。私もやっとここまで来た。満天の星空が私を歓迎しているようだ。
「ジェネシス、ちょっとやろう。」
「怪我するぞ、お嬢。」
2人で同じ空を見上げている。
「だからちょっとだって。」
「まず武器を作って貰ってからだろ。忘れたか?」
私は大きく一歩を飛んだ。手を後ろで組み、腰まで長くなった髪を風に遊ばれながらジェネシスの方を振り向いたら。
「わかったわよ、べぇーだ。」
口からチラッと赤いものを見せて、目的地に走った。
「全く、走ると転ぶぞ!」
それと同時に私は砂に足をとられて転んだ。
「言わんこっちゃない。」
ゆっくりと近寄るジェネシス。ヒリヒリする顔を赤くして私は取り合えず座った。
「ジェネシスのバカ!」
「オレはなにもしてないだろ。」
手を貸して貰い、飛ぶように立つ。
「痛くねぇだろ、そのくらい。」
「痛いの!私女の子!」
「我慢すりゃ痛くないもんは痛くない。」
「痛いもん!」
ほっぺたをパンパンに膨らませて言う。
「痛くない。」
「痛い!」
「騒がしいわよ!」
いつもにまして露出度が高い真っ赤な派手な服を来て長い髪を一本に束ねているイヴが私たちの間に入った。
「さっさと行くわよ。道のり遠いんだから。」
私たちを差し置いてせっせと歩く。
一瞬で消えた。
「ワープしたな。」
「そうよね。」
冷や汗が顔をつたる。
「助けて!」
悲鳴と共に、息の摩擦音が聞こえる。
「しょうがねぇな。」
「私だけでやる。」
ジェネシスより一歩前に出る。
「いいだろう。」
少し悩んで言う。
私は剣を抜く。私の特訓の成果、見せてあげる。
相手はサバクオオアリクイである。イヴは触手に捕まっている。まずあれを斬るか。
【紅蓮】
剣に炎を宿し長くする。
そのまま地面を蹴り奴の懐まで飛ぶ。大きな手の上に乗りそのまま襲ってくる触手を片っ端から斬る。
【紅蓮―波線】
剣を大きく振り炎を弓なり状に飛ばす。それがイヴを掴んでいた触手を斬る。
イヴは落ちる。落ちるとそこにはアリクイの大きく開かれた口がある。
「きゃぁぁ!」
うるさいな。私は手を蹴りイヴを抱き抱え、そのままジェネシスのところまで行った。
そこでイヴを下ろす。
「助かったわ。」
私はまだ倒せていない奴をみた。獲物に逃げられて怒っているようだ。
「おやすみ、」
【きらきらひかる よぞらのほしよ…】
綺麗な歌。なんでこの歌を歌えるのかわからない。ただ、眠らせるにはこの歌と本能的に感じた。
【まばたきしては みんながみてる きらきらひかる よぞらのほしよ】
アリクイは砂の中に戻って行った。
「お前、どこでその歌を?」
ジェネシスは驚いたように言う。
「わからない、なんとなく。」
懐かしい匂いがした。
「とにかく進もう。」
「お前がはまったんだろ!」
「気にしない。気にしない。」
笑い飛ばすイヴ。
しょうがないから進もう。砂漠の最北部、ガダリアへ。
まだまだきらきら星は続くよ!