第三章≦きらきら星≧三部∞過去に飲まれる
「あたしが覚えてる範囲で教えるわ。」
ジェネシスは小さく頷く。
「もう何年になるかしら?キララちゃん何歳?」
咄嗟の質問に驚く。
「12です。」
「そう、もう12年になるのね。」
その寂しそうな瞳に私は悲しくなる。なぜ?
「12年前、ジェネシスは知ってるね。解散命令が発令。リナ様は言ったわね。あなたとお父さんによろしくお願いいたしますって。あの包囲網をアイツのお陰でなんとか切り抜けたわ。やっと北エリアから抜けられる手前だったわ。ゾフィが出てきたの。」
イヴはカップを口に運び喉を潤す。
「そして戦ったわ。私たち2人で。それでも一撃も与えられなかった。しかも一撃でやられたの。そこにリナ様が出てきたわ。真っ白な剣を持って。」
ジェネシスは目を静かに閉じる。
「それで戦っていた。あたしたちでも一撃も加えられなかった相手を追い詰めていたわ。でも負けてしまった。あたしがみた瞬間はゾフィの剣がリナ様の首の上に置いてあった時よ。あたしたちに向かって手を伸ばしていたわ。最期の力を振り絞ってあたしたちをここまで飛ばしたわ。」
ジェネシスは目を開いた。
「そうか、リナ様は…」
虚無を眺めているかのようなその目を私は元に戻さないとと思う。
「マッシュは?」
「お父さんのところに戻ったわ。今はどうしているかわからない。」
誰?わからないのはあまり気にしないことにした。
「町が危険なんだろ。」
イヴは頷く。
「行かなきゃ。」
「ダメよ。狙いはあなたたちなんだから。」
「なんで私は狙われているの?」
一番気になっていることだった。
「ジェネシス、言ってないの!?」
ジェネシスは頷く。
「まったく、単刀直入に言うと反逆者だからね。あなたもあたしも、この子も。」
ここにいる全ての人間は神を裏切った者。私含め…
「いまはそれだけ知ってなさい。」
イヴは立ち上がり後ろの棚を探り始める。
「あれ、無いわね…あった。」
それを私に渡してきた。
「あなたの母が持ってた物よ。」
淡く黄色い綺麗な宝石だった。
「トゥウィンクルスターって言う珍しい宝石よ。」
灯りはあまり点いていないがその宝石は私が持つなりよりいっそ鮮やかな黄色に色付いていた。
「やっぱりねぇ、ご主人様に戻るのは気持ちが言いか。」
イヴはなにかを思い出したかのように手をパチンとならす。
「そう言えば決着がまだだったね。」
「もういいだろ、」
嫌がるジェネシス。
「ほら、こっちにきなさい。ホールがあるから。」
ジェネシスは無理やり連れていかれる。私も足早に着いていく。
小さな部屋から、その部屋のうん十倍のもある部屋に出る。
「ほら、かまえなさい。」
「しゃぁねぇな。」
2人の目が生き生きしてきた事は私でもわかる。
2人のはお互いの得物を構える。
きらきら星と流れ星を今後もよろしくお願いいたします♪