第三章≦きらきら星≧二部∞イヴとジェネシス
私を知ってる!イヴは一体なにもの!見覚えもないしあったこともない。
「とりあえず町に戻るぞ。」
「指図するなジェネ坊。」
ジェネシスは困った顔をする。
「あたしは眠いからどっかで寝よう。」
「朝、町で依頼があるんだが、」
「あたしは眠いの!」
「だったら一人で寝ていろ。オレたちは戻る。」
ジェネシスと私は町に戻ろうとする。ジェネシスの肩をイヴが掴む。
「可愛い乙女を置いて行くの?紳士のやることじゃ無いわよ。」
必死だ。声に余裕がない。
「もう乙女じゃないだろ。」
イヴを振り払いそのまま歩いていく。
「帰ったら死ぬわよ。」
私も足を止めた。
「どうしてだ!」
なにがある?
「神の使いがあたしたちを狙ってる。ジェネ坊もキララもね。」
「コイツは関係ないだろ。」
唸るように喋るジェネシス。なんで神の使いに狙われてるの?まさか、あの時の…
やりきれない表情のイヴ。
「詳しい話しはひと休みしてからにしましょう。」
イヴはそのまま歩いていく。ジェネシスは少し考えた後に私の手を掴みイヴに着いていく。
「ねぇジェネシス。」
思いきって話しかけてみる。しかし返事はない。ジェネシスが固まってる。
何分か歩くと地下につながる階段がある。
「リナ様は、」
ジェネシスが急に喋る。リナ様って誰?
「それも後にしてくれ。」
2人の声は狭い螺旋階段の中で響く。
広い場所に出る。
「座って。」
そこには四角い机の回りに3つの椅子があり、寝る場所も三ヶ所ある。ジェネシス言われるがままに座る。私もそれを見て座る。
「はい、どうぞ。」
紅茶の香ばしい香りだ。少し欠けているカップは使い込まれている感じがある。一口飲む、
「にが、」
余りの苦さにカップを机に落とし中に入っていた物を全てこぼした。
「コーヒーはだめなのか、まだまだお子ちゃまね。」
バカにされている感じで嫌なやつだ。代えを持ってきてくれた。
「オレンジジュースよ。」
黄色い中身を見て呟く。
「コーヒー飲めるもん。」
イヴは笑いながらまだお子ちゃまは飲めないわよ、と言ってきた。もう子供なんかじゃないし。
「さて、なにから話そうか?」
ジェネシスはリナ様はと聞く。
「残念な事にあたしたちを庇って死んでいったわよ。」
ジェネシスは拳を強く握る。
「なぜ助けられなかった!」
ジェネシスは机を強く叩き立ち上がる。
「少しは落ち着きなさい。あたしたちもあんな状態を切り抜けるのは厳しかったの。」
やるせない表情。私はただその情報を聞くので精一杯だった。
また見てね。出ないと夜な夜な化けて出るわよ。byイヴ