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きらきら星と流れ星  作者: kazuha
第2章
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第二章∞刻印

背景がだんだん見えてきたこの章、楽しくなってきました。

 この部屋に身を隠して何週間が経ったのだろうか。やっと部屋から出ることが出来た。警戒体制がやっと解かれたのだ。

 部屋を出てすぐに走る男。行き先にはお腹が大部大きくなったリナの所。

「リナ様!」

 リナを呼ぶように叫ぶ。リナは男に気付き目に涙を浮かべた。

「ジェネシス。」

 走ってきた男、ジェネシスに抱きつくリナ。

「怖かった、…怖かった…。」

 ジェネシスの腕の中で子供のように泣きじゃくっている。

「もう、大丈夫ですよ。ここにはオレ以外にも仲間がいるじゃないですか。」

 ジェネシスは少し遠くの曲がり角に隠れた男を見た。全く、素直に出てくればいいのに。

「フィーク殿の所に行きましょう。」

 2人はフィークのいる大広間に向かった。リナのお腹を気にするジェネシスの視線はまるで本当の父親のようだった。

「なにがおかしいのですか?」

 リナは自然と笑っていたようだ。

「ごめんなさい。でもあなたがいけないのよ。」

 あの時のリナはいなくなったようだ。いつもどうりの明るくて笑顔の絶えない方。ジェネシスはリナのよくわからない言い分を聞いてなぜか笑みを浮かべる。

 そして大広間に着く。そこには白髪の男と巨大な体のフィークがいた。2人はフィークに近付く。

「ありがとうございました。」

 ジェネシスは頭を下げた。

「フィーク、本当にありがとう。」

 フィークは地響きのような笑いを起こした。

「堅っ苦しいのはやめにしようぜ〜。」

「そうですよ。もう、私たちは仲間なんですから。」

 隣の男も女性のような姿で笑う。それは美しい物だ。

「マッシュ〜。オレの言葉をとるんじゃねぇ〜?」

「あら、すみません。つい口が滑りました。」

 リナはクスクスと笑う。ジェネシスは頭を上げ、この不思議な状態を見る。まるで家族。

 ジェネシスは親を神の使いに殺されている。間一髪ダグラス様に拾われ今にいたる。今でも親を殺した神の使いの顔を覚えている。町中で急にそれは襲ってきた。生き残った者はジェネシスのみ。もっと言うなれば神の使いの標的になって生き残った者は世界でジェネシスとリナのみである。あとリナのお腹の子。

「リナ様、お身体の調子はいかがでしょうか?」

 マッシュが尋ねる。確かにもうそろそろのはずだ。

「まだ平気です。この通りに、」

 と言って両腕に力瘤を作って見せた。ダグラス様の事は吹っ切れたのだろうかその満面の笑みに違和感をもつジェネシス。

「そうですか。」

 マッシュも笑いながら言う。

「しかしなにかあったら困りますので側近を着けようと思うのですが?」

 リナな困ったようにしかめっ面を見せ頬杖をつく。

「嫌なのであれば構いませんが。」

「構いません。」

 強い目線。ジェネシスは驚く。

「この子が無事に産まれるのであるなら。」

 それが母の顔。お腹を擦るリナの顔は尊いものを見透かしているような顔をしていた。

「そうですか。」

 マッシュが指をパチンと鳴らす。リナの後ろのドアが開く。

「お初にお目にかかります。イヴでございます。」

 金髪でつり目の女性が礼儀正しくリナに挨拶をする。

「よろしくイヴさん。」

 リナはイヴの顔を覗くように挨拶をする。

「イヴ、リナ様をお部屋に。」

「わかりました。此方へ。」

 リナはイヴに連れられて部屋に向かった。

「小僧〜。」

 その声にジェネシスは振り向く。

「アイツを見てどう思う〜。」

「リナ様の事でしょうか?」

 マッシュは大広間から出ていく。

「当たり前だ!」

「どうとは体調ですか?」

 空気が張詰める。

「違う!気付いておるだろ!」

「ダグラス様の事ですか?」

「そうだ〜。リナはおかしいと思わないか?」

「はい。明らかに元気になりすぎている気が。」


「あれはリナか?お前は本当にリナを連れてきたのか?」

 図太い響きが心臓を揺さぶる。

「正真正銘リナ様です。右胸に刻印が印されているのがその証です。」

「それが無いんだよね。」

 イヴがいつのまにかフィークの隣で壁にもたれ掛かっていた。

「あたしも信じたくないが、何回か確認してんだよ、坊や。でも刻印なんか何処にも無かったよ。」

 ジェネシスは驚愕した。そんなはずがない。

「お前はバカか!お前が信じないで誰がリナを信じるのだ!」

 なぜ怒られていれかわからなかった。今でも信じている。

「刻印が無いのは当たり前だ!聞いた話しなぞ信じるな。」

 ジェネシスは確かに一度も刻印を確認したことがない。

「なぜ当たり前なのですか?!」

「刻印は神の印じゃ!今の神はゾフィだ!」

 神の使いの頂点、ゾフィ。8と言う年で神の座についている。可哀想なことだ。

「刻印は、その神の敬意を国民に出すために伝えられた伝統よ。あたしには関係無い話だけど。」

 ジェネシスは国に騙されていた。国民全てをダグラス様は騙したのか。

「だが、ダグラスは尊敬しているだろ!リナを慕っているだろ!お前は何を守らなければならないんだ。」

 ジェネシスはダグラスからもらった2つの宝石を思い出した。

第三章はキララもシューティングスターも…

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