第二章≦流れ星≧四部∞普通
シューティングスターの思わぬ性格が出てきましたね。キララよりお姉さん?
荷台を引いてあの家に着いた。まだ皆はまだ寝ている。あのマモ姉もだ。あまり上手じゃないがしょうがない。
「おい!起きろ!」
全員がいる広間で叫ぶ。眠そうな顔を擦りながら起き上がる。まったく、子供というやつは。これだと戦いで殺されるぞ。
「起きたら食堂に来い!」
と言ってオレは食堂に向かう。
食堂にはマモリが最後の仕上げをしていた。
「どうだ?」
「いい感じ。」
ここには温かい空気がある。当たり前に雪は降ってないし緑も多い。そう言う温かさじゃない、愛と言う温かさがここにはある。
「出来上がり。」
小さな器に移している。オレはそれを机に並べる。
「わぁ!ご飯だ!」
一番始めに入って来た子がそう言った。
「手洗ってね。」
マモリがそう言うと近くの手洗い場で洗う。
「ついでに手伝え。」
えぇ、と言いながらもオレの命令にしたがう。正直じゃないな。自然と笑みがこぼれる。
次々と来る子に同じ事をやらせる。素直に手伝う子と来てはしゃぐ子がいる。
「席について!」
だがこの時だけは命令にしたがう。
「いただきます!」
大号令のあとおいしいと絶賛する子供たち。当たり前だ。少し珍しいものを入れたからな。
「あれはなんなの?」
マモリが聞く。
「胡椒だ。この辺りは大量にあるみたいだな。後で教えておく。」
そのまま黙々と食べる子供達。それを見て笑顔を隠せない2人。
「まだ、いてくれるよね?」
考えていなかった。先に進まねば。
「すまないがオレもやらなければならないことがある。」
「そっか。」
会話が続かない。
「だがしばらくはいるつもりだ。」
そう言うとマモリはありがとうと言った。
オレが帰った時、すでにマモリは起きてご飯の用意をしていた。
一緒に料理を作った。いろいろな話をした。お互い名前を明かしていなかったので自己紹介。どこ出身か、何をしにここに来たかなどいろいろ聞かれた。細かいことは言えなかったが大体の事は言った。
「ねぇ、スターちゃん。」
オレはマモリの言葉に驚いた。何せ本を読んでいたのだから。
「何しているの?」
「ここにあった書物を読んでいるんだ。」
読みかけの本を指で挟みマモリに目をやる。
「字、読めるの!?」
「あぁ、」
当たり前じゃないのか?
「すごいね!普通は読めないよ!」
「そうなのか?」
「うん!」
親父から教わったのは当たり前じゃなく上の人間のすること。
「そうだ、ねぇ先生やらない?」
オレが先生?
「子供達のためにも。」
マモリは両手を強く合わせて頭を下げた。オレはそう言うのに弱いな。
「わかったよ。」
飛んで喜ぶマモリ。
「それより、昼飯を取りに行くぞ。」
「昼飯?」
なぜそんな顔をする?
「食べるよな?」
「朝と夕方だけじゃないの?」
オレの考えはおかしいのか?
「いらないのか?」
「おなか空かないし。」
どうするものか…。
「簡単なものをつくる。からいいよな。」
マモリはどうしようか悩む。
「つくる。」
マモリは首を縦に振る。
「ついでに胡椒も、」
と言ってマモリも引っ張り出す。普通の生活をさせてやろう。
今後も流れ星、読んでくれよ。シューティングスターより