プロローグ
この場は騒然としている。
火の海と化している王都のあちらこちらには血がこびりついていた。
「リナ!逃げるのだ!」
若い男は言う。
片手に大きな剣を持ち、もう片手には龍の刻印が刻まれている盾が持たれていた。
「ダグラス、死ぬときは一緒です。」
リナと言われた女性はダグラスと呼ばれる者にしがみつき泣き叫んだ。
「ならん、ならん。」
ダグラスは何度も何度も頭を横に振る。
「私の犯した罪はお前たちにかける訳にはいかない。」
ダグラスはリナ無理矢理突き離した。
「さぁ、行くのだ。お前も行け。」
2人を守るように廊下の先を警戒しながら剣をかまえる男にダグラスは命令する。
「この城を守らせて下さい!
私はなんのために同胞を見殺しにしてきたのですか!
せめて城で!」
男もそう怒鳴るように言う。
ダグラスは怒りを見せた。
「お前がリナを守らなくて誰が私以外にリナを守れる。
とにかく速く行け!」
男は言葉を吐けなかった。
なぜなら、ダグラスの目が男に反論を許さないように睨んでいたからだ。
「絶対に生きて下さい。」
男が呟く。
「絶対に生きて下さい!
生きて、また私に稽古をつけてください!」
男も泣いていた。
顔には表れなかったが言葉にそれは表れた。
「嫌です。私は残ります。」
リナはそう言ってダグラスに近付いて先程より強く抱きつく。
「リナ、腹の中の子には普通の生き方を導いてくれ。いいな。」
ダグラスはまたリナを引き離し男の所に突き放した。
「行け!」
男はリナの腕を引き、玉座の裏にある隠し道を通る。
長い地下道を通って出た場所は王都から大部離れた森の中だった。
吹雪が吹き荒れてはいたが王都の存在だけははっきりしていた。
爆音。2人は王都を振り返る。崩れる王都。眺めてリナの涙が溢れだした。
「ダグラスぅ〜〜!!」
リナは泣き崩れた。
しかし、いつ追っ手が来るかわからない。
「リナ様。行きましょう。」
リナは俯いたままだった。
「リナ様!」
「あなたに何がわかるの!あなたに…」
「いつ追っ手が来るかわかりません。
今ここに止まっていたら殺られます。」
「あなた…」
「ダグラス様の事が信じられないのですか!」
リナは立ち上がる。
よろよろと、だが宛もなくただただ森の奥へと歩いて行く。
その後、2人の姿を何処にも見ることが出来なかった。
あれから何年の年が過ぎたのだろうか。
今後も「きらきら星と流れ星」をよろしくお願いいたします。宜しければ感想等をよろしくお願いいたします。