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幸福の麦畑が広がっていた

作者: 秋葉竹



毎年、変わらない麦の唄を歌い

収穫の夜は、彼と祝杯をあげた。


風に揺らされる、広がる麦畑で

彼と初めて出逢った。


その街はずれの、長閑な麦畑が

二人の小さな聖域だった。


二人はそこではどんな話もできたし

二人はそこではどんな事でもできた。


私は愛情に飢えていて

彼は暮らしに飢えていたようだ。


彼がある日突然この街を去るまで

私は幸福なことに一生分輝いていた。


だから、今は、覆う影の寒さに震える

ただ昔を思い出す亡骸のように、


麦の唄を歌い、祝杯をあげた、あの日々は

何度泣いても戻らない、幻と知る。






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