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 大丈夫、絶対に大丈夫。


 不安に思う気持ちを誤魔化すように何回も何回もそう自分に言い聞かせる。


 それでも状況は絶望に進んでいく。


 そうしてそれは目の前にやってくる。


 それがほぼ確定的で、それを確信した画面の向こうから聞こえて来る哄笑。


 その耳障りな音が私の気持ちを蝕む。


 それでも折れそうな気持ちが折れないように祈り続ける。


 そしてそれは起こった。


 ズブリという音と共に硬い物を貫き更にそれを無理やりに断ち割る音。


 その音が聞こえたとき、音が止まった。


「ハハ……は?」


 哄笑が止まる。


 ドグシャ!という音が静まり返った空間に響くと同時に辺りを揺らすような轟音が響き数秒送れて地響きが伝わってくる。


「はあああああああああ」


 そこに聞こえた息吹の音、そして。


「何故だ!何故だああああああああ」


 響く絶叫。


「何故か?それはお前の奥義が俺を倒しきれなかった、ただそれだけの事だ」


 その声を聞いた時、なんていったらいいんだろう、とても嬉しかったんだけど、それ以上に思ったことは、とても心強くて、安心した。


「心配かけてわるかったな、こいつを片付けたらすぐに帰るから、もう少しだけ待っていてくれ。」


「お兄ちゃん……うん!」


 安心して気が抜けた私。でも大丈夫だった、それを支えてくれた大事な親友、いや、今は家族か、アンジェと可愛くて頼もしい二人とともに、私は最後まで見届ける。


 まってるから、がんばってね。


 そしてその気持ちが届いたのか、映像は光に包まれる、それは暖かくて、優しい光。


 その光を契機に、この戦いは終わりを始めていく。









 顔面の真ん中から縦に分断された女の死体を横に床を突き抜けた不死者の姿を見据える。


「貴様!何をした!!」


 そう叫ぶマクドナルドに答えを示す。


「御自慢の瘴気を聖気で打ち消した、ただそれだけのことだ」


 そう言葉を紡ぎながら打ち抜いた穴に飛び降り対峙する。


「馬鹿な!ありえん!ただの人間如きが余の奥義を破るなど!ありえん!」


 そういいながら絶叫する奴に現実を突きつける。


「その後自慢の奥義とやらは、聖龍と聖獣と聖女と乙女の力を同時に破れるだけのものなのか?」


 その言葉を聞いた奴は目を見開く。


「馬鹿な、そのような、そのようなものだけで、余の奥義が敗れるなど!!!」


 半狂乱のように地団駄を踏みながらも瘴気を生み出し俺に向けてくる。


 それに対し瘴気を打ち消す聖気を生み出すため、魔力をその媒体になる胸のペンダントに込める。


 その聖気は全身を巡り体を覆い光を放つ。


 それに触れた瘴気は霧散していく。


「馬鹿な……有りえぬ、ありえぬぞおおおおおおお!!!!」


 叫ぶその姿に俺は歩を進める。


「来るな!くるなあああああああああ!!!!」


 そう言って腰を抜かし、腕を振り乱しながら後ずさる姿にもはや王の風格はない。


 後ずさる奴と、歩み寄る俺、それは少しずつ距離をつめていく。


 その関係で徐々に近付く状態もすぐに終わりを告げ、一方的に距離は縮まる。


 壁際に追い詰められた奴は壁に背を預け手を前に出して横に振るばかり。


 そしてそのときはやってくる。


 突きの間合いに入ったその瞬間、俺は全力で踏み出し、奴の心臓に向けて突きを放つ。


 ズブリ、という感触を感じるがその手ごたえに驚愕する。


「やらせない、やらせません、陛下、どうか、逃げ延びてくださ」


 その言葉を全ては言わせなかった。


 身を呈して止められた剣に追撃を加える。


 剣を手放し、裏拳の要領で重量を増した盾の一撃を柄頭を打つ。


 それは最後の力を振り絞って発動させようとしていた転移の魔法より速くマクドナルドまで届かせる。


「へい……か、申し訳ありません……」


 そう言って残った力も失うエイダをマクドナルドは受け止める。


「よい、仕方、あるまい……我らの負けだ、大儀であった」


 そう言って諦念の言葉を口にするマクドナルド、さっきまでの半狂乱はなんだったのか、落ち着いたその姿は先の優勢だった時のものに戻っている。


「最後の演技にすら動じず、冷静に油断無く止めを刺しにくるとは、これが、本物の敵か……見誤った」


 崩れ始めた身体でそう言い放ち、鋭い視線を此方に向けるマクドナルド。


「だが、このままでは終わらぬ、貴様に平穏が訪れぬよう、置き土産をくれてやる!」


 その言葉と共に二人の身体は光り始める。


「我が同胞よ!我が始祖よ!我が死に様を知るがよい!!!」


 その言葉と共に二人の身体から光が立ち上りそして10に分裂する。


「我が雪辱、任せたぞ」


 その言葉を最後に、二人の姿は一瞬で崩れ落ち、残るのはドス黒い灰の塊のみ。


 こうして、この騒動を起こした魔物の元凶は塵と消えた。


 そして、表向きの騒動の終結はここになされた。


 表向きは……




アラ「ロイド、いいところもってきやがって……」

リリ「ほんと、ちゃんと主人公してくれちゃって」

アイ「命を懸けて産んだ子がここまで育ってくれると、命を懸けた甲斐もあるというものだな」

リリ「それでも貴方は死んじゃったらだめじゃない、ほら、こっちきなさい!今からお説教よ!」

アイ「ちょっ!まって!まって!!!」

リリ「問答無用よ!」

アイ「やーーめーーーてーーーーー」

アラ「アイリス、諦めろ……」

???「表向きは終わったけどもうちょっと続くよ!」

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