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「ん……?知らない天井だ」


 朝日が差し込み目を覚ました俺の目に最初に入ってきたのは見覚えの無い天井だった。


 起きたところのボーっとした頭でここがどこかを考える。


 夕べはルイスと一緒に歩いていくって決めてその後アンジェも一緒ということになってそれから……


「ん……んにゅう」


 その先に思考が及ぶ前に横で聞こえる声。


 その声と一緒に腕を締め付ける感触を感じて顔を向ける。


「んー……大好き……」


 聞きなれた声が聞いたことの無い状況で聞こえてきて頭が一気に覚醒する。


 右腕を抱きしめるルイスの幸せそうな寝顔を見て思い出す。


 昨夜に何があってどうなったのかを。


 護衛としてこの部屋に留まる事になって一夜を明かす事になっていたのだがこの状況になったのは一緒に寝て欲しいと言われて断る事が許されない状況であったからなのだが、それにしてもな……


 どうしたものかと左腕で頬をポリポリと搔こうとして失敗する。


「んにゅ……ロイド様……」


 失敗した理由というのはそういう事である。


 動かそうとした左腕もガッチリとホールドされていて、動かそうとしたところに反応した声にそっちもだと思い出す。


 アンジェも一緒にそうしているということを。


 因みに疚しい事はしていないし、ちゃんと服も着ている。


 いや、そりゃそうだろ?だってこの状況でそんな事して何かあろうものなら何て言われるか……


 それにもう一つ理由はある。


「すぅすぅ」


「くぅくぅ」


 寝ているベッドの横にもう一つ置かれたベッドから聞こえて来る寝息。


 幼いリンとクウが一緒に眠っているのだ。


 子供の居るところでそんな事出来るはずがない。


 出来てもしないよ!


 そんな事もあって川の字で寝てたはずなんだけどな……


 寝ている間に抱きつかれた両腕を見てどうしたものかと思案する。


 とりあえずルイスは眠りが深い性質なのでちょっとやそっとじゃ起きないのが確定、なので左手側にいるアンジェを起こすしかないのだが。


「アンジェ、アンジェ、起きてくれ」


 そう声をかけても目を覚まさない。


 仕方なく手を引き抜こうとするがそれも逃がさないとばかりに強く抱きしめられる。


 力尽くで振りほどけなくはないが、それをするのもなぁ……


 結局侍女の人が起こしに来るまでそのまま動く事が出来ずに過ごす事になる。


 その侍女さんも入室した時には目を丸くしていたが、ニッコリとして両手に華ですねと言って平然とアンジェを起こし始めたので羞恥は最低限で済んだと思う。


 後で知ったことなのだがこの人、アンジェに昔から着いている人でその気持ちも知っていて喜ばしく思っているのだとか。


 流石に噂になると今は拙いということで口を閉じてくれるそうだが、帰ったら分かってますよね?と釘をさされた時は苦い顔しかできなかった。


 因みにこのやり取り、この先数日間の滞在する毎朝の日課になるのだが、それはまた別の話。


 起きた後には朝食等を済ませた後は会議以外にやる事は決められていない。


 各々戦いに備えて準備をする事となっているだけである。


 なので俺達は遺された物の理解をする事にした。


 母から伝えられた錬金術の知識、戦闘での活用、遺品となった本と各種素材や魔法道具の整頓。


 そして道具や武器、アクセサリーの整備と改良。


 流石はキチンと勉強した本職の錬金術師と思う。


 不足している知識が補完されることで装備品の性能の向上にも成功したし、使い勝手も向上している。


 やはり知識は偉大だと改めて実感させられた。


 ルイスとアンジェの装備も同様に扱い、本人達とも話し合うことで戦い方にも幅が利くようになった。


 それを実戦形式で練習する時には色々と苦労させられたけどな。


 それ以外にもクウとリンの長所を伸ばせる道具も作ることが出来たし、それを使った訓練もすることが出来た。


 戦力的なところではそんなところかな?


 あ、そういえばアルのおっさんも戦場に出ると聞いていたので防御力を向上させる加工を行っておいた。


 不意打ちで死ぬ以外じゃこのおっさんも死ぬ事はほぼないレベルなのでこれで無事に帰還できるだろう。


 恩人に不幸はなるべく起きて欲しくないので少しは気が楽になったといえる。


 それ以外は民衆の慰撫に炊き出し等を行った位だが、そうして出撃の日がやってくる。


 ライム村で一度脱落した人々も追いついたのでこれから討伐を行う事になる。


 俺達は表向き後方支援ということになっているが、撃ちもらしに対する最終防衛ラインも兼ねる為領軍が帯同することになっている。


 攻撃は国軍、防御は領軍、そういうすみわけになる。


 動きをアルのおっさんと打ち合わせし、各隊長達とも会議を行い、出来る限りの対策を立てて挑む。


 それだけの準備を終えて、その日はやってきた。


 さあ、この地に掛かった悪意を振り払おう。




アイ「ヘタレだな」

リリ「ヘタレね」

アラ「情けない……」

アイ「孫の顔が見れるのはいつになるのか」

リリ「見れるのかしら……」

アラ「見れるといいなぁ……」

アイ「とりあえず本編中は無理そうだな」

リリ「そうね……」

アラ「とりあえず次から戦場に移りそうだから様子をみてみるか」

アイ「そうだな……」

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