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 決着をつけるため、魔法薬を取り出す為に剣を地面に刺しそこに片足を預け踏ん張りを強める。


 その鋭さに足に傷が付くがその程度に気にするわけには行かない。


 左手に強烈な圧力を感じながら右足を踏ん張る。


 血が流れていくがそれでも力は緩めない。


 そうして剣から右手を離す。


「隙ありだああ!!」


 その言葉と共にヴァルザードは力を強めるのだが。


「なんだと!!??」


 何故かその圧力は弱まる。


「どういうことだあああああ!!??」


 叫ぶヴァルザードの雄たけびが響くが


「頑張れー!!!」


「ロイドお兄ちゃんがんばってー!」


「騎士様達もがんばってーーー!!」


 声援が届く。


 その声が届くと共に圧力が弱まっていく。


 何が起きているのかと振り向こうとした時に声が響く。


「ロイド殿!我らの力を貴方に!」


「私の使える儀式魔法を介して届けます!」


「貴方に頼るしかできないが、独りにはさせませんぞ!」


「ロイド君!皆の力と思い、受け取って!」


 隊長が、司教が、錬金術師長が、シスターが、そして隊の人間と村の仲間達の力が集まっていく。


「はっはっはあああ!おもしれええええええ!出し惜しみはなしだああああああああ!!!」


 その声と共にヴァルザードの拳がはじけて圧力が増すが。


「うおおおおおおおおおおお!!!」


 雄たけびと共に足を進める。


 自分の力と、背中を押す力と、人々の意思が歩みを加速させる。


「く!ばかな!俺が押し負けるだと!!??」


「そうだ!これが俺の、俺達の力だ!」


 焦りに顔色を変えたヴァルザードに向けて加速する。


 その速度は一歩毎に速くなっていき。


「くそがああああああああ!!」


 力の放出ヲ止めたヴァルザードは右腕にその全てを集めて殴りかかってくるが。


「くだけろおおおおおおおおおおお!!!!」


 盾を収束しヴァルザードの拳にその突進の威力を叩き込む。


「がああああああああああああああああああああああああ!!!!」


 激突した両者は拮抗する事もなくヴァルザードの腕が砕かれ、その右半身まで砕かれながら吹き飛ぶ。


「これでとどめだあああああああ!!!」


 叫びながら右手に掴んだ聖龍の爪剣を使い追撃をかける。


 一瞬の後、ヴァルザードを切り裂き、崩れ落ちる身体の後ろで膝を付く。


「はぁ、はぁ……」


 肩で息をする、流石にこれだけの激戦では平然とはしていられない。


 膝を付いた数瞬の後、目の前の地面にボトリと落ちてくるものがある。


「はっはっはっは!見事見事!良い戦いだった!!まさか有象無象の力に負けるとはな!侮った侮った!しかしそれもまた戦い!文句は言わんぞ!!」


 そう笑いながらしゃべる生首、ヴァルザードは笑っていた。


「死んだのによくもまぁ、そう笑っていられるな」


「なあに、死なない上に楽しかったんだから笑っていられるのは当然だろ?」


 その言葉に目を見開く。


「なんだと!?そんなはずは!」


「まぁそんなことはいいんだよ、そのうち分かる、それより俺を楽しませた褒美をやろう」


 そういって一拍置いた奴が口にしたことに俺は冷静さを失う事になる。


「今回の俺は囮だ、本命はお前の妹、聖女の嬢ちゃんだ、今頃はロード率いる一隊に襲われてどうなってるかねぇ」


「なんだと!!??」


「この身体は滅ぶからここは終わりだからな、さっさといかねえとどうなるだろうな、しらねえぞ?あいつはねちっこいからなぁ」


「くそっ!!」


 そう言って走り出す俺の背中にヴァルザードは言葉を投げる。


「はっはっは!死ぬんじゃねえぞ、好敵手!今度は必ず勝つ!」


 その言葉を放つとヴァルザードの生首は灰になって散っていく。


「つまんねぇと思ってたが、思いのほか良いことあったじゃねえか、これはあいつに感謝してやるか」


 その言葉を最後にヴァルザードは消えていく。


 それは誰も知らなかった事である。


 何故ならその時には俺はもう走り出していたから。


 ルイス、アンジェ、クウ、リン、無事でいてくれ!


 その思いを胸に俺はひた走る。


 両親の眠るその場所へ向かって。

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