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第87話 首謀者はお前かっ!

『夏合宿』から『合同夏合宿』へ!?

果たして『ネガティ部』の人達は『夏合宿』を楽しめるのか!?

それとも...

「ごっ、合同夏合宿ってどういう事だよっ!?」


「フフ…読んで字の如くよ。まぁ、驚くのは仕方がない事だけど…」


「そりゃあ、驚くでしょ!! この別荘に『エグゼクティ部』がいるだけでも驚きなのに、まさか『ポジティ部』まで来るなんて!!」


「私達『エグゼクティ部』はサプライズをするのもされるのも大好きなの。だから今回は私達から『ネガティ部』に対してのサプライズよ。さぁ、喜んで受け取ってちょうだい!」


「よっ、喜べるかっ!! 俺達は『ネガティ部』だけで『夏合宿』をするのを楽しみにして来たんだぞっ!! アンタ達、『エグゼクティ部』がいるだけでも気を遣うのに、まさかテンテン部長率いる『ポジティ部』まで参加だなんて…なんてこった……」


「ヒトヤン君!! 喜んでもらえて嬉しいよ~っ!!」


「全ッ然、喜んでねぇよっ!! テンテン部長、さっきから俺の話聞いてねぇのかよっ!?」


「ナイス突っ込み!! さすがは僕の認めたヒトヤン君だ~っ!!」


 ダ…ダメだ…。テンテン部長と絡むと俺のパワーが吸い取られてしまいそうだ…。


「布津野君、ゴメンなさいね。私達は『ネガティ部』の承諾を貰ってると思っていたから…。まさか君達が何も知らなかっただなんて…、私もビックリしたわ。ホント、何も知らなかったから…私も布津野君達と合同夏合宿をするって聞いてとっても楽しみになっちゃって、思わず聖香ちゃんや多田野君まで誘ってしまったの…。本当にゴメンなさい…」


「い…いや、前妻木先輩…。俺達と一緒に合宿するのをとても楽しみにしていてくれてたって事は俺も嬉しい事なんで…。それに前妻木先輩は全然悪くないですから、気になさらないでください!!」


「オイ、フツオ。出だしからなかなか良い記事が書けそうだぞ」


「モッ、モブオ……お前はのんきな奴だな!? どうせ『アーカイ部』からのスパイとして参加してきたんだろっ!!」


「ハハハハ。まぁ、半分は当たってるけども…。でも取材は後付けだよ。本当に俺と聖香ちゃんは前妻木先輩に誘ってもらって来たんだからな」


「あぁ、分かってるよ。二人共、何も悪くねぇよ。一番悪いのは…花持メイド長さっ!!」


「ふっ、布津野君! 何度も言うけど私はメイド長じゃないからっ!!」


「そんな事はどうでもいいんだよっ!! な…何でこんなサプライズを考えたんですか!? 俺達が嫌がるとは思わなかったんですかっ!?」


「えぇ、全然思わなかったわよ。それにこのサプライズを考えたのは私じゃないし…。ある人が提案してくれた事で、私はその案に素直に乗っただけだし…。ついでに言うと私達『エグゼクティ部』がこの別荘で使用人として働く事も、そのある人が提案してくれた事だしね…」


「あ…ある人??」


「そう。ある人よ…」


 こんな事を考えるのは…、もっ…もしかして……



「さぁ、ウジ虫共!! さっさと荷物を自分達の部屋に持って行け!! こんなところに大勢たむろしても仕方が無いだろっ!!」


「はっ、はいっ!! ルイルイさ~んっ!! さぁみんな、とりあえず荷物を部屋に運ぼうか~っ!!」


「はーい!!」



 ガチャッ…ギー…


「は…花持君…。マイクロバスを庭の端の方に駐車したけど、それでいいのかい?」


「あっ、真物しんもの先生…。はい、そこで大丈夫です。運転お疲れ様でした」


「お~っ!! ショウショウじゃないか。久しぶりだなっ!! 運転ご苦労だったな。しかし、それにしてもお前は相変わらずシケたツラしてるよなっ。顔はそこそこイケメンなのに勿体ない奴だっ!!」


 なっ、何だ!?この新キャラは!?もしかしてこの人が『ポジティ部』の顧問なのか!?


「ゴ…ゴメン…。ルイルイ…。相変わらずシケた顔で…」


 あっ、謝るのかっ!?何も悪い事してないのにっ!!

しかし、本当にこの人が『ポジティ部』顧問なのかっ!?全然そんな風には見えないんだけど…それにこんな人、学園で一度も見た事が無いと思うんだが…


「フフフ…。ダーリン、さっきからショウショウの事が気になる様だな?」


「えっ? あぁ、そうだな。見たところたぶん『ポジティ部』の顧問の先生だと思うんだけど、なんかそんな感じがしないっていうか…」


「ハッハッハッハ!! まぁ、そだなっ!! どう考えてもアイツは『ポジティ部』の顧問には見えないだろうなっ!!」


「う…うん。なんか申し訳無いけど、そうだな…」


「まぁ、仕方無いさっ!! あんな『小心者』、『ポジティ部』の顧問なんて向いていないんだよ。でも学園長がアイツを『ポジティ部』の顧問に任命したんだから仕方が無いんだけどな…」


 えっ…?学園長があの人を『ポジティ部』の顧問に任命したのか!?いや、何でまた!?


「アイツの名前は『真物しんものしょう』といって、私の同級生であり『元ネガティ部 部長』だっ!!」


「えっ? え――――――ッ!!?? 『元ネガティ部 部長』だって―――ッ!!??」



「そうなんです。あの方は『元ネガティ部 部長』で私達の大先輩なんです…」


「あっ、美代部長。近くにおられたんですね?」


「は…はい…。テンテン君が突然現れたので驚いてしまい、思わず身長のある子龍君の後ろにずっと隠れていたのですが、みんな部屋の方に行かれたので…」


「それにしても大丈夫ですか、美代部長? あんな大勢の人達がこの別荘にいる事になってしまって…。せっかく俺達だけでこの『夏合宿』を楽しもうと…いや、美代部長に楽しんでもらおうと思ってたのに……」


「そうですね…。以前の私でしたら耐えれないかもしれませんね…。でも今は大丈夫だと思います。一矢君がうちの部に入部してくれたお陰で私の性格も少しずつではありますが、良い方に変わってきていると思います。それに前妻木さん達は『ドッチボール対決』で一緒に戦った仲間ですので、普通にお話し出来る様な気がします。ただ、テンテン君は相変わらず苦手ですが……。でも『テスト勉強』の時も『四大茶部総会』の時もテンテン君から私の事を一矢君が守ってくれましたし…。なので今回も勝手な事ではありますが、私はとても安心しています。だから大丈夫ですよ。せっかくですから、皆さんと一緒に楽しい思い出をつくりましょう」


 なっ、何て素敵な人なんだ―――ッ!!

 ぜひ俺の味噌汁を作ってくれ―――ッ!!いっ…いや、俺が絶対に美代部長を守るし、楽しい思い出を作ってもらうぞ~っ!!



「ハッハッハッハ!! ミヨミヨ、少しは成長したみたいだな。まぁ、ミジンコからミドリムシくらいになった程度だがなっ!!」


 ミジンコより、ミドリムシの方がデカイのかっ!?……って、そんな事はどうでもいいんだ!


「オッ…オイ、ルイルイ!?」


「なんだ、ダーリン?」


「一つ聞きたいんだが、花持部長に『合同夏合宿』の話を持ち掛けたのはルイルイじゃないのかっ!?」


「ん? ハッハッハッハ!! なんの事かな? まさか私が『ネガティ部』のメンバーだけでは『夏合宿』の盛り上がりに欠けるから『エグゼクティ部』には社会勉強という形で別荘に来いと言って、更に『ポジティ部』も呼んで合宿をハチャメチャにして、その隙に私がダーリンをモノにするって作戦をたてたとでも思っているのかっ!? ハッハッハッハ!!私はそんな策士ではないぞっ!! あっ!! 急に大事な用事を思い出したから失礼するよっ! じゃぁな、ダーリン。あ・と・で・な・ アーッ、ハッハッハッハ!!」




「チョッ、チョット待てよルイルイ!! 何が『あ・と・で・な』だっ!! それに、今の話を聞いていたら今回の『合同夏合宿』の首謀者は絶対にルイルイに決まってるじゃねぇかッッ!!!!」


お読み頂きありがとうございます。

早いものでもう87話です。もうすぐ夢の100話です!

一応予定では101話から二学期に入ります。なのでそれまでは『合同夏合宿編』ともし余裕があれば『夏休み後半』のお話が書けたらなぁと思っています。

今後とも『ネガティ部!』を宜しくお願い致しますm(__)m

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