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第83話 乙女心は難しいなっ!

「こっ、この味は!!」


「テッ…テルマ先輩、どうされたんですかっ!?」


「一矢君…。この料理は凄すぎるわ!! 私が今まで食べた料理の中で、七番目くらいに美味しいわっ!!」


「びっ、微妙な順位ですねっ!!」


 でも、いつもクールなテルマ先輩がいつになく興奮している様な感じだし、さすがは『三ツ星レストラン』の御曹司の伏江ふしえ先輩だなっ!!


「さすが『小悪魔天使金髪美少女』やなぁ…。よう分かってるわぁ…。俺が世界大会で七位やった事を知ってて、そう言ってくれてるんやろなぁ……」


 えっ!?せ…世界大会七位だと~っ!?


「私は何も知りません! それに私は『小悪魔天使金髪美少女』でもありません! それから、さっきから私の事をジロジロ見ないでもらえますか!? せっかくのお料理が不味くなってしまいますので!!」


「えっ? あっ…、ゴメンなぁ…。別にジロジロ見てたわけじゃ無いんやで。いや、ホンマに…」


 テッ…テルマ先輩、メチャクチャ怖い!!それに伏江先輩が口にした『小悪魔天使金髪美少女』ってのは俺が常に思っている事で、伏江先輩が俺の分も代弁してくれたって一瞬喜んだけど…。ぜっ…絶対に死んでも本人の前では言わないでおこう……





「う~ん…遅いわねぇ…。一体、何をしているのかしら…?」


「えっ?『花持メイド長』どうされたんですか?」


「だっ、誰が『メイド長』よっ!! 私は別に『メイド長』じゃないわよ。ふ…布津野君、いくら私がアナタの『しもべ』だからって、からかわないでくれるかしらっ!?」


「いっ、いつから俺の『しもべ』になったんだよっ!? 『傘下』じゃなかったのかよっ!?」


「同じようなものよっ! 別に気にする事でもないでしょう!」


「そりゃあ、気にしますよ! それよりも、さっきから誰かを待っている様な感じですけど…。もしかしてこの別荘に俺達以外で誰か来るんですか!?」


「あ―――っ!! 大事な用事を思い出したわ!! 早く布津野君の枕の下に『アレ』を隠しておかないと!! それじゃまた、後でね!!」


「チョッ…チョット待ってくださいよっ!! 『アレ』って何なんですかっ!? 俺の枕の下に変なものを隠さないで下さいよっ!!」 







「ところで美代部長…」


「はい…。菜弥美ちゃん、どうされましたか?」


「昼食が終わったら、みんなでビーチに行きましょうね」


「えっ? あ…はい…。そうですね…、行きましょう……」


「私、今日の日の為に新しい水着を買ったんですよ。テルマも買ったみたいなんで、後で水着コンテストでもやりましょうか? そして一矢君に審査員になってもらって、一番好きな水着を選んでもらうとか...」


「い…いえ…、私は遠慮させていただきます…。水着も新しいのを買っていませんし…。それに…」


「そうなんですか…。スミマセン、私だけ一人テンション上がってるみたいですね…。でも、きっと優勝は美代部長だと思いますけどね...。いずれにしてもコンテストは横に置いといて、私海水浴なんて超久しぶりなんで、とっても楽しみです!!」


「そうですね…。私も海は久しぶりです…。今日はお天気も良くて本当に良かったですね...」






「ああぁ、食った食った~っ!! お腹一杯だぁ~っ!!」


「ホント、お腹一杯だわ。それに料理とっても美味しかったし…」


「そうだな、舞奈…」


 まぁ、お前は車酔いで道中で食べた大量のお菓子を全部吐いてしまって、お腹の中が空っぽになったハズだし、特に腹ペコだっただろうなっ!!


「一矢、今からビーチに行くでしょ?」


「あぁ、そうだな。もう少ししたら行こうと思ってるよ」


「ひ…一矢に一つだけ言っておくわ!!」


「なっ、何だよ急に??」


「わ…私の水着姿を…ジッ…ジ…ジロジロ見ないでよ!!」


「みっ、見ねぇよっ!! 絶対っ、見ねぇよっ!!」


「なっ…何で見ないのよっ!? フンッ!」


「舞奈、お前『フンッ』って何だよ!? なんか言ってる事が矛盾してないか!?」


「じゃあ、私の水着姿を見て感想なんて言っちゃダメだからね!!」


「だ〜か〜ら~、見ねぇし、感想なんて言わねぇよっ!!」


「なっ、何で感想言わないのよっ!?」


「舞奈!! いい加減にしろよ!! お前、俺をおちょくっているのか!?」


「おちょくってなんかないわよ! 一矢があまりにも鈍感で、女の子の気持ちが分かって無さ過ぎて少しイラっとしただけよ!! もういいわ! 水着に着替えてくるから!!」


 オイオイオイオイ…。舞奈の奴、一体今のは何だったんだ!?なんか俺が悪いみたいじゃねぇか!!俺、舞奈に何か失礼な事言ったのか!?いや、『普通』の会話だったよな??


 あっ!お…俺は『普通』じゃないけどなっ!!会話が『普通』なだけだからなっ!!

って、俺は誰に訴えているんだ…!?


「一矢君、どうかしたの? 考え込んだ顔をしているけど…」


「あっ、菜弥美先輩とテルマ先輩…。い…いや別に何でもないですよ。それより、お二人も今からビーチに行かれるんですよね?」


「ええ、行くわよ。一矢君も早く水着に着替えて一緒に行きましょうよ」


「そ…そうですね。俺も今から着替えてきます!!」


「今日は私達、おニューの水着だから似合ってるかどうか心配だけどね…」


 きっ、来た―――っ!!おそらくここで、俺の返しが変だったら舞奈みたく、二人を怒らせてしまう事になるんじゃないのかっ!?こっ…ここは慎重に返答しないと……


「へぇ…。そうなんですね。新しい水着なんですかぁ…。へぇ…」


 ここで俺は『新しい水着姿を見るのが楽しみです』って言ってもいいのか!?

 テルマ先輩あたりに『この変態野郎』とか言われないか?

 う~ん…、悩むなぁ…


「一矢君、どうしたの? なんだか私達の新しい水着には興味が無いみたいね…?」


「えっ!? そっ、そんな事ないですよ!! めっちゃ興味ありますよっ!! はっ、早くお二人の水着姿を目に焼け付けたいです!! そして『感想』を言いたいです!!」


 ……シーン……


「あれ……?」


「ひ…一矢君…。別に目に焼き付ける程、見なくてもいいわよ…。私、とても恥ずかしいし…。それに男子が『感想』を言う気満々ってのも、チョットねぇ……」


 ゲ―ッ!!俺、またしてもヘタをこいてしまったのかっ!?


「一矢君…。アナタ、『普通に変態』ね……」


 えぇ―――――――――っ!?テルマ先輩にまで言われてしまったぞ―――っ!!

それも『普通に変態』って…。何故、『普通』がもれなくついてくるんだ…


「ス…スミマセンでした!! 俺、二人に失礼な事ばかり言ってしまったみたいですね? 本当に申し訳ありませんでした!! 俺、チョット外に出て反省する為に走って来ます!! お二人は先にビーチに行っててください!! それじゃあ!!!!」


「あっ!! チョット待って、一矢君!! あっ! あぁ…。外に行っちゃったぁ…。今のは全部冗談だったのに…。一矢君、私達の言ってる事を全部真に受けるんだから…。ホント、一矢君って『普通に真面目な子』ねぇ…。でもまぁ、そこが可愛いんだけど…」


「菜弥美! 何言ってるのよ!! アンタが恥ずかしいやら感想もいらない的な事言ったからじゃないの!! もし本当に一矢君が私達の水着姿を全然見てくれなかったらどうするのよっ!?」


「なっ、何言ってるのっ!? テルマが一矢君に『普通に変態』なんか言ったから一矢君、ショックを受けて外に飛び出したんじゃないのっ!! 私達の水着姿の『感想』を何も言ってくれなかったら、アンタの責任だからねっ!!」





 あぁ...、ヤバイぞぉ…。非常にヤバイ!!俺はあの短時間の間に三人もの女性を怒らせてしまったぞ…。なんてこった…。俺は何で女性の気持ちが分からないんだろう…。合宿前にもっと『ラブコメアニメ』を観ておくべきだったぜ…。せ…せっかく楽しい『夏合宿』になるはずだったのに…このままでは……



 ガサッ…ガサガサ…ガサガサ……



「ん!? だっ、誰だ!? 草むらの中に誰かいるのかっ!?」


 

 ガサガサッ…ズンッ!!



「う~ん…。イテテテ…。ずっと中腰で草むしりをしていたから腰が痛いなぁ…」



 !!!!


「あぁ―――っ!!?? ア…アンタは、きょっ…きょ…『恐竜みたいな人』!!!!」


お読み頂きありがとうございます。

ようやく、間もなく水着回でございます(笑)

しかし一矢の前にあの『恐竜みたいな人』が現れた!!

果たして一矢の運命はいかに!?(笑)


そして一矢達に近づいている『ポジティ部』の影...

この『夏合宿』は『普通』に終わるのか!?

まぁ、終わるはずないですけど...(笑)

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