第75話 廃部は嫌だぁ!(挿絵有り)
四大茶部 部長に胴上げされる一矢
その頃、『エグゼクティ部』サイドでは...?
ワッショイッ! ワッショイッ! ワーッショイッ!!
もう勘弁してくれ~っ!! 気持ち悪くなってきたぞ~っ!!
俺の事なんて、どうでもいいんだよ!
そんな事よりも負けた『エグゼクティ部』の奴等はどんな様子なんだっ!?
俺はそっちの方がメチャクチャ気になるんだよ~っ!!
んっ!?
『エグゼクティ部』の奴等が集まっているぞっ!!
それも全員、疲れ切った顔をしているぜっ!!
まぁ、仕方無いよな。
あれだけ俺達に『大見栄』を切ったんだからなっ!!
でも、なんか二年の双子の小さい方が花持部長に泣きながら何か叫んでいるぞ!?
一体どうしたんだろう……??
「ウエ――――――――――――ンッ!!!!」
「ど…どうしたのよ、上空さん!? ボールが当たったところが痛いの? でも痛いのは私の方なのよ! 私はあのにっくき『越智子美代』の訳の分からないアタックが顔面に直撃したんだからっ!!」
「ち…違います!! 痛いのは痛いですが痛くて泣いてる訳ではないです!!」
「だったら何なの!? あんな『ネガティ部』なんかに負けて、悔しくて泣いているのかしらっ!?」
「ま…負けて…、く…悔しいってのもありますが、全然違います!!」
「じゃあどうしたのよ!? ハッキリ言ってちょうだいっ!!」
あの二人、何か揉めているのか!?
まぁ、そりゃあ揉めるかもな。
だって負けた時の条件は花持部長が勝手に決めた事だったみたいだしな……
っていうか、早く胴上げ止めてくれ~っ!!
「私、嫌なんです!! 『エグゼクティ部』が廃部するなんて、絶対嫌なんです!!」
「!!!!」
「花持部長は別に『エグゼクティ部』が廃部になっても痛くも痒くも無いっておっしゃってましたけど、私は痛いし痒いです!!」
「い…痛いのは分かるけど、痒いってのはどういう事かしら……?」
「私はこの『エグゼクティ部』が好きなんです!! 『エグゼクティ部』の皆が大好きなんです!! だから『エグゼクティ部』が無くなるなんて絶っ体、嫌です!!」
「上空さん。アナタ何を言ってるのよ!? 私はあの『ネガティ部』の人達と約束をしたのよっ!! もしその約束を破ったら、それこそ赤っ恥じゃないの!!」
「そ…それでも良いです!! 私は『ネガティ部』の皆さんに頭を下げてお願いしたいです!! だからお願いします花持部長! どうか私と一緒にあの人達に頭を下げに行きましょうよ!!」
「いっ…嫌よっ!! なっ…何で私があんな一般庶民集団に頭を下げなくちゃいけないのよ!! 私は絶対、嫌っ!! 最初は負けた部が勝った部の『傘下』になるって条件を『廃部』に変更させたのも私なのよ! どうしても『エグゼクティ部』を存続させたいならアナタだけで行きなさいっ!! そして、あなたが部長をやればいいのよ。私は少し期間を空けてから違う部を立ち上げるんだから……」
「お~い…、部長さんよ~……」
「ぜ…贅太、何よ? アナタ、いつまで割れたサングラスをかけているのよ!? 危ないし、凄くダサいじゃないの!!」
「俺は別にダサくたって良いんだよ~。俺はどんな時でもサングラスだけは絶対に外さない主義なんだ~っ!!」
「バッ…バカじゃないっ!! そんなんだからアナタ、ちゃんとボールが見えなくて、顔面でボールを受けてしまったんじゃないの!! ホント、アナタはバカだわっ!!」
「まぁ、俺はバカでも何でもいいんだよ~。でもさ~、芽仙ちゃんのお願いは先輩として聞いてやっても良いんじゃないか~」
「な…なんでよ!?」
「俺もさ~、こう見えてさ~、この二年ちょっとで『エグゼクティ部』の事、愛着わいてるんだよな~…。この二年間と少しの間だけど、結構楽しくやってきたじゃないか~」
「そ…それは分かっているわよ!! 私だって楽しかったわよ。で…でも、約束は約束だし……」
「でもさぁ~、まだ一年ちょっとの芽仙ちゃんがさ~、これだけ『エグゼクティ部』の事を愛してくれてるんだぜ~。発足当初からいる俺としては、なんかとっても嬉しくてさ~…。やっぱここは部の先輩として『廃部』だけは許してもらえるように『ネガティ部』の奴等に頭を下げても良いかな~って思ったんだよ~……」
「花持部長…。おっ…俺からもお願いします!!」
「わっ!? 上空士仙君!! アナタ、ホントに名前の通り上から言ってくるわねっ!!」
「す…すみません…。じゃあ、正座します……」
「アナタ、正座をして私と同じ高さってどういう事よっ!? なんかとても失礼だわっ!!」
「オイオイ~…。そりゃ、部長が人一倍身長が低いんだから仕方ないじゃんか~」
「ぜ…贅太っ!!おだまり!!」
「花持部長、お願いします! 私、『ネガティ部』の『傘下』でも何でも構わないですから、どうか『エグゼクティ部』の『廃部』だけは勘弁してくださいっ!!」
「う…上空さん……」
「は…花持さん…。ちょっと良いですか……?」
「おっ…越智子美代!!」
「すみません…。驚かせてしまいまして……。お話の途中からこの大きな体の方の後ろでこっそりと皆さんの会話を聞かせていただきました……」
「どうもっす。俺もいま~す」
「げっ! 『諸悪の根源の普通の子』!!」
「『諸悪の根源の普通の子』って、どういう意味なんだよっ!? どいつもこいつも俺の事を『なんか凄い普通の子』だの、『異端児』だの、『諸悪の根源の普通の子』だの、訳の分からないあだ名ばっかりつけやがって!! …オエッ……」
(や…やばい!胴上げされ過ぎてなんか乗り物酔いの様な感覚だ!メチャクチャ気持ちわるいぜ!)
「最後の『オエッ』っ何なの!? 私の顔を見て『オエッ』って失礼じゃないっ!!」
「べ…別に花持部長の顔を見て『オエッ』ってならないですよっ!! 花持部長は小さくて、意外と『可愛い系』ですしね……」
「かっ…『可愛い系』!?」
「あっ、すみません。二個も上の先輩に『可愛い系』とか言ってしまいまして……」
「べ…別にそれはいいわよ…。ってか『意外』って何よ!!」(ポッ……)
「そんな事より花持さん……」
「そ…そんな事って何よ!? 今、結構大事なところだったわよ!!」
「す…すみません…。私、全然人の気持ちが読めなくて、いつも皆さんにご迷惑ばかりおかけしてしまい……」
「みっ…美代部長! 謝るのは後にして早く『エグゼクティ部』の人達に『あの話』をしてくださいよ!!」
「えっ? あぁ、そうでしたね…。一矢君ゴメンなさい…」
「話って何よ!? アレでしょ!? 負けた方が『廃部』するっていう件でしょ!?」
「は…はい。その件のお話です……」
「わ…わかってるわよ!! 約束通り『エグゼクティ部』は『廃部』するわよっ!! 『廃部』もするし、『夏合宿』用の別荘や一流シェフも用意するし、部費もちゃんと支払うわよっ!!」
「は…花持部長!!」
「部長~っ!!」
「蘭那~っ!!」
「花持さん…。ちょっと待って下さい…。お願いですから、最後まで私の話を聞いていただけませんか…?」
「そっ、そうですよ花持部長! 美代部長の話、最後まで聞いてくださいよ~っ!!」
(ポッ...)「うっ…うるさいわね! こ…この……『普通の女ったらし』~っ!!」
は……はぁ――――――――――――っ!!?
「なっ…何をどう見て、この俺が『女ったらし』なんだ――――――っ!?
っていうか、そんなところにも『普通』を入れるんじゃねぇよ―――っ!!!!」
お読み頂きありがとうございます。
なかなか最近、直ぐに投稿できず申し訳ありません。
いよいよ次回『ドッジボール対決編』最終話となる予定です。
そして皆さん、待ちに待った?『夏合宿編』(水着回 笑)へと進みますよ~(^_-)-☆




