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第70話 エグゼクティ部!(挿絵有り)

ついに『ドッジボール対決』の日がやってまいりました!

果たして、どのような結果になるのでしょうか!?

 ついに、この日が来てしまった……


『名染伊太学園・球技大会』


 基本的にはクラス対抗で男子は『ソフトボール』女子は『バレーボール』で争う事になるんだが……


「はーい! みんないいかな!? 『球技大会』を行う前に、まずは肩慣らしで『砲丸投げ』を全員にやってもらうから、出席番号順に並んでね~っ!!」


 『砲丸投げ』本当にあったのかよっ!?


 あれは、美代部長の舞奈に対しての『苦肉のごまかし』じゃ無かったのかよ!?

 

 いや、マジで『砲丸投げ』をやるとは思っていなかったわっ!

 さすがは『名染伊太学園・球技大会』だぜっ!!


 そんな事よりも今回の『名染伊太学園・球技大会』はメインのはずの『ソフトボール』や『バレーボール』競技の盛り上がりが、さほど良くないらしい……


 それは何故か?って…勿論、『生徒会』主催による、俺達『ネガティ部』と『エグゼクティ部』での『四大茶部』の座を賭けての『ドッジボール対決』が行われるからだっ!


 いつの間にか、噂が噂を呼びドンドン外野の方から盛り上がり、挙句の果てには『アーカイ部』による『実況中継』までやる事になってしまった。


 そして更に言うと、地元の『ケーブルテレビ』まで取材に来る始末だ……


 もはや取材の意味が分からん……



「さぁ、皆さんお待たせしました! 只今より『ネガティ部』対『エグゼクティ部』による『四大茶部』の座を賭けての『ドッジボール対決』が始まります! この様な戦いの実況をする事が出来て、私はとても幸せ者です! あっ、紹介が遅くなりました…。本日、実況担当を任されました『アーカイ部 アナウンス担当』の『宝曽ほうそ信也しんや』です。どうぞ宜しくお願いします!!」


 『ほうそ・しんや』だと?……逆に呼んだら『深夜放送』じゃねぇかっ!!


 試合前から疲れるっちゅうねんっ!!


「そして本日、解説をして頂くのは我らが『アーカイ部 部長』の『亀羅馬かめらま千畳せんじょう』さんです。亀羅馬部長。一言宜しくお願い致します!!」


「おっ、俺は解説じゃなくて、この血沸き肉躍る『戦場』のカメラマンをやりたかった!!」


 ここは『戦場』じゃねぇよ!!

 それに血も沸かないし、肉も踊らねぇし......


「おい、モブオ! お前んトコの『アーカイ部』も変な人達ばかりだなぁ!? それに実況やら解説もやるんだな?」


「えっ? そうかなぁ? 皆さんとても良い人達ばかりだぜ……。それと数年前に『放送部』が『アーカイ部』と合併したらしいぜ……」



「それでは海藤会長より『ドッジボール対決』についてのルール説明をしていただきます。海藤会長宜しくお願い致します!!」


「『ネガティ部』『エグゼクティ部』の諸君! 今日はご苦労である!」


 プッ…。『ご苦労である!』って……


 卯馬ううま副会長の事を『きりたん』って呼んでた人が…『ご苦労である!』って…プッ……うぅっ…お腹が痛いっ……


 ギロッ!!!!


 やっ、やべぇ!!


 海藤会長の後ろに立っている卯馬副会長に睨まれた様な気がしたぞっ……!!



「本日の対決種目『ドッチボール』のルール説明だが…。ルールはいたってシンプル! お互いのチームの八名はコートの中に入り、残りの一名がコート外から相手チームに攻撃を行う。またボールが当たったとしても、そのボールが地面につく前に味方がキャッチした場合はセーフとする。またよく言われる『顔面セーフ』は今回採用しない。顔面にボールが当たってもそれはアウトとする。フフフ…その方が盛り上がるからな……」


 アッ…アンタ、鬼かよっ!!


「オ~ッ、ホッホッホ~!! これはチャンスだわ。周りから美人美人と言われて、もてはやされているネガティ部女子達の顔をメチャクチャにできるチャンスだわ!!」


「花持部長こぇ~な~……」


「当たり前じゃないの! 私は入学した時から、あの越智子美代だけは許せないのよ! 貧乏で地味なくせに周りの男性から凄く人気があって……」


「でも、越智子さん本人は全然モテてるって気付いてないみたいだぜ」

(女の嫉妬こえ~…。それに越智子さんが貧乏ってのも怪しいよなぁ……)


「かもしれないけど、あの子は…。あの子は、あの天翔君に毎日告白されてたのよ! それも毎回毎回、彼の告白を断り続けてたんだからっ……!」


「そういえば花持部長って天翔さんの事、好きだったんですよね??」


「うっ、上空うえからさん…。なっ、何て事言うのよ! そ、それはあなたの勘違いよ! 私はただ、あれだけ自分の事を思ってくれている人をいとも簡単にふっている越智子美代が気に入らないだけよ!」


「まぁ、そういう事にしておきますが……。でも今回、『ネガティ部』側に『助っ人』として入っている『ポジティ部 副部長』の前妻木まえむきさんは天翔部長とは幼馴染で、天翔部長の事が好きでこの学園に入学したって『アーカイ部』の知り合いから聞いているんですけど……。まぁ、そんな情報も興味はないですよね……?」


「ちょっ、ちょっと上空さん! その話、もう少し詳しく教えていただこうかしらっ!!」






「そして今回の『ドッチボール対決』で負けた部は『廃部』すると聞いているのだが双方、間違いはないかね?」


「あ…はい……」


「えぇ! そうよ! 負けたら『廃部』するわっ!!」


「え―――っ!? 花持部長、ホントですかっ!? 私達何も聞いていないんですけど!!」


「そうだぜ、部長、勝手に決めるなよ! もし負けたらどうすんだよ!?」


「別に『廃部』でも良いじゃない。どうせこの部は私が暇つぶしの為に創った部なんだし。それにまた別の名前の部を創れば良いことだし…。あっ、そうだ! 私達はお金持ちの集まりなんだから『セレ部』ってのはどうかしら? どう? とても良くない??……っていうか、この勝負に負けなければいいだけじゃないの!!」




「それから『エグゼクティ部』が負けた場合は、もれなく部費を全額『ネガティ部』に収めるという事と毎年、夏合宿の為の別荘及び一流シェフによる高級料理を提供すると聞いているのだが、それも間違いはないかな?」


「えっ…そ、そうです……」


「え―――っ! そうよ!! その通りよ!!」



「 「 「 「え―――――――――――――――っ!!??」 」 」 」



「部長! それはやり過ぎでしょ~っ!!」

「そうだぜ、部長! 何か俺達の部だけリスクが大きく無いか!?」


「だっ、大丈夫よ!! 相手チームを見てごらんなさいよ! 男子が三名いるけど、ガタイの良いのはあの『沈黙の四十五度』くらいじゃない! 逆にうちはガタイの良い男子が五名もいるのよ! 絶対負けないわよ! そう、全然負ける気がしないわっ!!」



 なんか、さっきから『エグゼクティ部』の連中、揉めてる様な感じだったけど、もしかしたら部自体は『一枚岩』ではないみたいだな。


 そこを上手く突ければ良いんだけどなぁ……



「それでは『ドッチボール対決』を始めますので選手の皆さんはコートに入ってください!」



「よしっ! 皆さん! 頑張っていきましょう!!」

「オッ、オ――――――――――――ッ!!!!」



 外からの攻撃は前妻木先輩にお願いした。それはおそらく先輩がこのメンバーの中で一番パワーがあると思ったからだ。何故思ったかだって?


 それは俺は前に天翔部長の首根っこを片手で掴んで引っ張って行くところを、ハッキリと目撃したからだ。


 最初は目を疑ったが、間違いなく先輩は握力が強いはずだし、ドッチボールも得意だと言っていた。


 そんな人は外で伸び伸びとボールを投げてもらう方が良いに決まっている!!



 ピィ――――――――――――ッ!!!!




「ねぇねぇ…。どうする? 今日こそチャンスじゃない?」

「う~ん…。そ、そうね。今日こそ『子龍君』を思いっきり応援できるチャンスよね!?」

「でも応援していて子龍君が私の方を振り向いたらどうしよう…。私、絶対気絶しちゃうわ!!」

「気絶しても良いじゃない! 一瞬でも子龍君と目が合ったんなら気絶する価値はあるわよ!」

「そ、そうよね? 私、気絶しても良いわっ! それじゃ、皆で一斉に声をかけましょうよ!」


 

 せ~のっ!!



「 「 「 「子龍君! 頑張って――――――――――――っ!!」 」 」 」



「えっ!?(キョロキョロ) 今、僕の名前を呼んでくれた…!? こんな嫌われ者の僕の名前を...。それも女子達から……。これは何かのドッキリなのか? べ、別にドッキリでもいいや…。部員以外の人達から名前を呼ばれた事の無い僕にとっては彼女達の声が『天使の声』に聞こえてくるよ~…。あ~あ、何て心地の良い声なんだ~……」



「しっ、子龍先輩! 危ないっ!!」


「えっ? 何が??」



 バシ――――――――――ッ!!!!


 フガ~~~ッ



「お――――――っと! いきなり仁見選手の顔面にボールが直撃だ―――っ!!」



 子龍先輩!!


 常によそ見をしているくせに、こんな一番大事な時に更によそ見をして、一体何を考えているんだよ―――――――――――――――っ!!!!



挿絵(By みてみん)

お読み頂きありがとうございます。


いよいよ『ドッジボール対決』始まりましたが、いきなり子龍君が顔面アウト(笑)

だ、大丈夫なのか?『ネガティ部』!?

次回をお楽しみに~

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