第69話 負けたら『廃部』だっ!(挿絵有り)
ついに現れた『エグゼクティ部部長』の『花持蘭那』
彼女は一体、何しに『ネガティ部』の部室に現れたのか!?
『花持蘭那』……。この女が『エグゼクティ部部長』かよっ!!
本当に『鼻持ちならん』奴だぜっ!!
顔はそこそこ美人なのに『お高くとまった』あの表情が台無しにしているぜっ!ホント勿体無いよなぁ……
「越智子さん!!」
「えっ? 私ですか?」
「そうよ! あなたに用事があって来たのよ! 『部長同士』のお話をしたくてね」
「わ...私に何のご用でしょうか……?」
「今度の『ドッジボール対決』で勝った方が『四大茶部』になる訳だけど、私としてはそれだけじゃ全然面白くないと思っているのよ」
いやっ、俺達はそもそもその『ドッジボール対決』自体が全然楽しく無いんだけどなっ!!
「ど...どういう事でしょうか…?」
「ここで一つ、賭けでもしない? その方がさぞかし盛り上がると思うのよ! そう…、ウチの部が『四大茶部』に在籍する為に学園として盛大な盛り上がりが欲しいのよ!!」
なっ…何なんだ、コイツは!?
何で自分達の部が勝つ前提で話をしてるんだよ!!
「負けた方が部を『廃部』にするってのはどうかしら? その方が真剣に勝負できると思うし、ギャラリーも凄く盛り上がると思うのよ」
はっ...廃部だとぉ―――――――――――っ!!??
こ、こいつ……
何という提案をしてくるんだっ!!
マジで頭にくるぜッ!!
んん?
でも待てよ……
「はっ...『廃部』ですかっ!? 『廃部』になるのは…、そっ…それはお互いに困るんじゃないでしょうか?」
「えっ? お互いに困るですって? オ~ッホッホッホ~…。別にうちは『廃部』になっても全然、困らないわよ。創部三年目で大して歴史のある部でも無いし…。そもそもあの部は私が暇つぶしの為に創った部活だし。それにまた何かやりたければ別の名前で部を発足すれば良いだけだし。…まぁ、うちの部が負けるとは思っていないけどね。オ~ッホッホッホ~」
だっ、駄目だ!!
この女は絶対アカン奴だっ!!
『ルイルイ』に初めて会った時よりも、メチャクチャ腹が立ってきたぞっ!!
う~んっ...が...我慢できない!!
「ちょっと良いですか、花持部長!?」
「えっ? あなたはどなたかしら? 何だか『ネガティ部』っぽくない『普通の人』に見えるのだけれど……」
「『普通の人』ってのは余計なお世話なんですが…。俺もれっきとした『ネガティ部部員』で、一年の『布津野』と言います!」
「『布津野君』? その『普通の布津野君』が私に何の用事かしら? オ~ッホッホッホ~!」
カチンッ…………
「お...俺は『廃部』という提案は別に反対はしません……」
「ひっ、一矢君!? 君は何て事を言うんだっ!!」
「まぁまぁ…、落ち着いてください菜弥美先輩。俺に考えがあるので、俺の事を信じていただけませんか?」
「考え?? ま...まぁ、 一矢君の事だから無茶な事は言わないと思うのだけれど…。わ、分かったわ! 私は一矢君を信用するわ!」
「ありがとうございます。あと、美代部長や他の人達も構わないですか? 俺を信じてもらえますか…?」
「べ…別に私はいつも一矢の事は、信じてるつもりだけど……」
「舞奈、ありがとう…。テルマ先輩も子龍先輩も構いませんか?」
「私も大丈夫よ。どうせ私が何か考えても何も浮かばないし……。それは子龍も同じだと思うわ。ねっ? 子龍」
「そ、そうだね。僕は一矢君の事を信頼しているから大丈夫だよ。君のやりたい様にやってくれたまえ」
「一矢君…。本当にすみません……。私が頼りにならない部長ですから……。いつも一矢君にお世話になってばかりで…。いっその事、一矢君が『部長』になってもらった方が……」
「いえ、それはお断りです!!」
(ヒソヒソ……)「おい、フツオ? お前もしかしたら何か良い作戦を思いついたんじゃないの?」
(ヒソヒソ……)「おっ、さすがモブオだな…。あぁそうさ。どうも俺は頭に血がのぼると良い作戦が浮かぶ体質みたいなんだ」
「布津野君! 私に何か言いたい事があるなら早く言ってくれないかしら? 私は気長に待てるほど暇じゃないのよ!!」
さっき『暇つぶしで創った部』って言ってたばかりじゃねぇかっ!!
「あっ、スミマセン…花持部長。俺が言いたいのは『廃部』の案は良いですが、少し不公平だと思うんですよ!」
「不公平?? 何が不公平なのかしら?」
「だって、そうじゃないですか? ただ『廃部』といっても、歴史の浅い『エグゼクティ部』と二十年以上続いている歴史ある『ネガティ部』が『廃部』するというのは、全然重みが違うと思うんですよ!!」
「重み…? まぁ、言われてみればそうだけど……。それじゃあ、あなたはどうすればその不公平が無くなると思っているのかしら?」
「はい。『ドッジボール対決』でうちの部が負ければ『廃部』というのは別に構わないです。でも、うちが勝ったら『エグゼクティ部』は廃部ではなく、うちの部の『傘下』に入ってもらい、毎月部費の一割を『ネガティ部』に収めるってのはどうですか? 『傘下』に入るってのは、『エグゼクティ部』にとってはかなり屈辱的でしょう? それに『スリル』があってお互いに緊張感のある勝負ができると思うのですがどうでしょう? あと皆さんは『超お金持ち』の集まりだと聞いています。おそらく別荘の一つや二つお持ちですよね? その別荘を我々『ネガティ部』の『夏合宿』の為に毎年『無料』で提供していただきたいのです。これらが『廃部』を受ける為の条件です。花持部長、いかがですか!?」
「…アナタ、布津野君と言ったわね? なかなか面白い事を言うのね。そうね……。あなたの言う通り、部費の一割なんてお金持ちの私達にとっては全然、痛くも痒くもないし…それに『夏合宿の場を無料で提供』も全然問題無いわ! 部費なんて全額収めてもいいわよ。それに『夏合宿』も場所だけ提供するんじゃなくて、一流シェフのお料理も提供してあげてもよろしくってよ。ただ……『傘下』に入るのだけは、あなたの言う通り屈辱的な感じがするわね……」
「べ、別に『傘下』に入るのが嫌なら、他の条件だけでも俺は構いませんが……」
「そうね。他の条件は全て受けても構わないのだけども……。うちが負ける事は絶対あり得ないけど、もし万が一うちが負ける様な事が有れば本来通り『傘下』ではなく『廃部』という事でも構わないかしら? それならあなたの提案に乗ってあげても良いわよ」
「……分かりました! それでお願いします! 約束は必ず守ってくださいよ!!」
「オッ~ホッホッホ~! 私が約束を破る様な人間に見えるとでも? 『パパやお金の力』を使って約束を踏みにじるとでも? そっ、そんな事…する訳無いじゃないの! オッ~ホッホッホ~!! っ……」
こっ、こいつ…『パパやお金の力』を使うつもりだなっ!!
ぜっ...絶対そうだ!!
「フフフフ…『ダーリン』、心配するな。今の会話は全て私の『ボイスレコーダー』に録音してある。この会話が証拠になるから変なごまかしは効かないさ……」
「ルッ、ルイルイいたのかよっ!? っていうか俺の事を『ダーリン』って呼ぶな!!」
「だから言っただろ。私は『ダーリン』の背後にずっといるってな」
「背後って何だよ!? 『背後霊』かよ!? それに『ボイスレコーダー』だなんて、準備が良すぎねぇか?」
「あぁ、これは常に部室のテーブルの下に張り付けてあって、『ダーリン』達の会話を録音して次の日の『占い』に役立てていたやつだ。まぁ、細かい事は気にするな。ハ~ハッハッハッハッ!!」
「きっ、気にするに決まってるじゃねぇか!! 何シレッと軽く言ってるんだよっ!! この『インチキ占い師』めがっ!!」
(ヒソヒソ……)「おい、フツオ。勝敗後の条件は別に構わないけど、それ以前に俺達が『ドッジボール対決』で勝たなきゃ意味がないんだぜ。大丈夫なのか? 勝てるのか?」
(ヒソヒソ……)「あぁ、そうだよな。勝たなきゃ意味ねぇよな。でも俺はさっき頭に血が上った時『ある事』を思い出したんだ。そしてその『ある事』が本物だったら、俺達は“絶対に負ける事は無い”!!」
(ヒソヒソ……)「“負ける事は無い”!? 何だか意味深な言い方だなぁオイ……」
俺はさっき、ある事を思い出したんだ…。俺達が勝つ為の『鍵』を握っているのは、何を隠そう……我らが『ネガティ部 部長』越智子美代部長だって事をな!!
お読み頂きありがとうございます。
年末年始の影響で投稿が遅くなり申し訳ありません。
いよいよ次回、『ドッジボール対決』の幕開けです!
果たして『廃部』するのはどちらの部か?
そして一矢が思いついた作戦とは!?
次回をお楽しみに!




