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第57話 的中かよっ!

久しぶりに朝の『占い』を観てしまい不安を感じる一矢だが......

 と…とりあえず放課後まで何事も無かったぞ……

 あとは部活だけだな……


 ガラッ…ガラガラッ


「こんにちは~っす」

「こんにちは~」


「あらっ、今日もお二人仲良く一緒に部活に来られましたね!」


「えっ?美代部長、別に俺達、仲良く来た訳じゃないんで。同じクラスだから一緒に来ただけなんで!」


 っていうか、美代部長の様子がいつもと違う様な気がするぞ......

 もしかしたら今朝の『占い』を観ているんじゃないか?


「ひっ、一矢っ!いちいちそんな事を美代お姉ちゃんに言う必要がどうしてあるの!? 別に私達、仲が悪い訳じゃ無いんだからっ!」


「あっ、そうだな。ゴメンゴメン……」


 なんか舞奈の奴も朝から気が立っている感じがするし、もしかしたら舞奈も朝の『占い』を観ているのかもしれないぞっ!


「ふ…二人共、こんにちは…。きょ、今日はみんなやけにピリピリした感じがするんだけど…だ…大丈夫なの? な、何かあったのかな? わ、私は全然大丈夫なんだけど! た、ただ今日は早起きをしたから朝から眠たくて仕方が無いんだけどね!」


 菜弥美先輩、早起きをしている時点でアンタもアウトだわっ!!

 それに話し方がどうもたどたどしいしなっ!!


 それにテルマ先輩!!さっきからもう寝てるじゃねぇかっ!!


 なんて可愛らしい寝顔なんだっ!! 抱きしめたい!

 って言っている場合じゃ無いな!

 これは間違いなく早起きして、あの『占い』を観ているなっ!


「ほんと今日は全員様子がおかしいね。もしかしたら僕だけが絶好調なのかもしれないね」


 まぁ、そうなんだろうけど、顔を横に向けながら言われても全然説得力が無いんだよ、子龍先輩!!


 しかし、美代部長と舞奈の星座は知っているけど他の人達は一体、何座なんだろうか?

 メチャクチャ気になるよなぁ……

 

 今朝、俺が観ていた時間の星座で無い事を願いたいぜっ!


 


 ガラッ…ガラガラッ



「オ―――ッス! ウジ虫共! 元気にしているか―――っ!?」


 げっ!こんな雰囲気の時にルイルイが来ちまったよ!


「おっ、何だ? 全員、随分しけた顔をしているな! 何かあったのか?」


「べっ、別に何も無いですよ。私達はいたって普通ですから……」


「そっ、そうよ。そんな事よりもこないだの一年生の合宿先にルイルイも居たそうじゃない!? それも『所長代理』として…。最近では珍しくルイルイが部活に顔を出さないから、おかしいなって思っていたのよ」


「ハハ、そう言えばお前達に伝えるのを忘れていたよ。でも別に私が部活に顔を出しても出さなくても、あまり関係は無いだろ?」


「いっ、いえ、僕はルイルイさんが居ないと寂しいです!!」


「お~、そっかそっか。そんな嬉しい事を言ってくれるのは『シリシリ』くらいだなっ!」


「あっ、有難うございます!こっ、光栄です!!」


 それにしても不思議だな。なんで子龍先輩はルイルイの前だけは顔が正面に向くんだろうか?

 ……これだけ頑張っている俺にでもまだ四十度位の角度なのにな!


「しかし、先日の『謎めいた合宿』はなかなか楽しかったな? 色々と謎も解けたし…なっ! ヒトヤン!?」


「えっ? あ、あぁ…そうだな…」


 でも俺達も、アンタの謎を親父から思いっきり教えてもらってるんだぜっ!!


「合宿の夜にヒトヤンとソファーに二人きりで身体を寄せ合いながら話をしたのが一番楽しかったよ!」


「えっ!? 何ですって!?」

「かっ、身体を寄せ合いながら!?」

「一矢っ! そっ、そんな事があったの!?」

「一矢君! それはどういう意味だい!?」

 ムクッ!!


 オイオイッ!

 みんな一体何なんだよ。その反応は!?


 それに寝ていたテルマ先輩までムクッと起きちゃったじゃないかっ!!


「ルッ、ルイルイ!誤解を招くような言い方をするんじゃねぇよっ!!」


「別に私は本当の事を言っただけなんだが?」


「かっ、身体を寄せ合いながらソファーには座ってねぇし!」


「そうだったかな? まぁ、そんな事は別にどうでも良いじゃないか」


「どうでも良い事ねぇんだよっ!!」


「私はあの夜に一つ気付いた事が有り、そしてある事を決めたんだよ……」


 って、俺の突っ込みをスルーしやがったな!!


「ルイルイ…何を決められたのですか?」


「ホント、一体何に気付いて、何を決めたのよ!?」


「フフフ…」


 わっ! な、何か怪しげな笑い方だぞっ!

 でも…ルイルイが何を決めたのかは全然、俺にも検討はつかないけどな!


「ヒトヤン…」


「えっ? な、なんだよ?」


「いや、ヒトヤン様……」


「はっ? は―――っ!? 誰がヒトヤン様だ!それは俺の親父の事だろ!?」


「それは昔の話だ…今はお前が『ヒトヤン様』だ」


「何を言っているのか俺には全然分からないぜっ!」


「私は子供の頃に恋をし、そして失恋した」


「あぁ、知ってるよ。親父の事だろ?」


「その通りだ。そして私は傷心し、頑張りかけていた芸能活動もやる気を無くし、すぐに引退をしたんだ。その後は彼の事を忘れようと色んな男と付き合ってはみたが全然物足りなかった。やはりあの『ヒトヤン様』の様な方は世の中に居なかったんだ」


「で、だからって何で一矢君の事を『ヒトヤン様』って呼ぶのよ!?」


「そっ、そうだ! 菜弥美先輩の言う通りだ! 俺には全然関係の無い話だ!」


「だから気付いたんだよ。初めてヒトヤンに会った時から何か懐かしさを感じる面もあったのはたしかだ。そして呼び名が『ヒトヤン』になったのも当初はたまたまだと思っていたんだ。でも先日の合宿の夜、ヒトヤンがあの『ヒトヤン様』の息子と分かり、私は気付いたんだ」


「だ、だから何に気付いたのよ!」


 わっ!


 珍しくテルマ先輩がルイルイに突っかかる様な言い方をしているぞっ!!


「諦めていた『ヒトヤン様』がまたしても私の前に今度は息子の『ヒトヤン様』として現れたんだ。これはもう『運命』としか思えない…そう、私は決めたんだ。ヒトヤン…いや、ヒトヤン様…私と…け、け、結婚してくれ――――――っ!!」



 ・・・・・・・・・・・・!!!!



 はっ!? は――――――――――――っ!?


 まさかのルイルイからのプロポーズだとっ!?


 ルイルイの事だし、きっと俺の困る顔が見たいから、悪い冗談を言っているに決まってるよなっ!?


 エイプリルフールでも無いんだからホント、やめてくれよなっ!!


 そ、それとも実は俺は今、まだ寝ているんだ!

 そうだ。そして俺は今、悪い夢を見ているに違いない!!


 じゃないと……



「うっ、占い通りになってしまうじゃねぇか―――――――――――っ!!!!」


お読み頂きありがとうございます。

大方の予想通りの展開ですか?

それとも驚きましたか?

いずれにしても波乱の予感がしますよね。


また面白かったらブクマ&評価を宜しくお願い致します。特に評価をし忘れている方もおられるように思いますので何卒お願い致しますm(__)m


感想やレビューも大歓迎ですのでお待ちしております(≧▽≦)

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